2015年1月3日Leaders

  • オンデマンド経済

オンデマンド経済の勃興は、労働者、企業、そして政治家たちに難しい問題を提示する

フリーランスの経済が広がっており、今アメリカでは5300万人がすでにその形態で働いている。二つの力が更にこの動きを後押ししている。一つは安いコンピューター能力で、もう一つは時間と金を交換できるようになったという社会的習慣の変化だ。オンデマンド企業は、固定的な資源を管理すると言うよりも、つながりを調整し品質を管理する中間業者だ。会社によってとられていたリスクは個人に押し戻されており、これがみんなにとっての帰結なのだ。

オンデマンド経済はすでに政治的な議論を引き起こしている。例えば、多くの地域でカーシェリング会社を規制しており、タクシー運転手はこの会社に反対してストライキをしている。技術楽観派はこの全てを産みの苦しみだとして退ける。消費者は選択の幅が広がり、社会は遊休資源を有効利用できるというのだ。

真実はもっと微妙だ。消費者や、子育て中の女性などの職の保障よりも柔軟性に価値を置く西洋の労働者、そして納税者は勝ち組だ。しかし、規制産業を中心とした、柔軟性よりも職の安定に価値を置く労働者は脅かされている。そして不公平なことに、納税者は年金を積み立てていない多くの契約労働者への支援を止めることも支持するだろう。

この微妙さは政策立案に影響してしかるべきだ。オンデマンド企業を違法とする政府は単に残りの経済にハンディを与えているだけだ。ヨーロッパの税制はフリーランスを二級市民扱いしている。福祉国家の多くは社会保障を雇用主を通じて届けている。

しかし、たとえ政府が政策をより個人向けの時代に合わせたとしても、オンデマンド経済は明白により多くのリスクを個人に課す。そのような世界を生き残るためには、個人は複数の技能を習得し、更新し続けなければならない。人々は自分の売り方を学ばなければならない。より流動的な世界では、みんなが「あなた株式会社」を経営する方法を学ぶ必要があるだろう。

 

  • ギリシャの選挙

12月29日にギリシャ議会は新大統領を選ぶのに失敗し、1月25日に選挙を行うことになった。ユーロ危機は新段階を迎え、またもやギリシャがその中心にいる。

アテネの株式市場は1日でほぼ5%下がり、10年国債は2014年最高を更新して9.5%になった。その理由は、次の選挙でアレクシス・ツィプラス率いる極左ポピュリスト政党SYRIZA、「スィリザ」)が勝つことを示唆しているからだ。彼はユーロにとどまりたいと言っているが、同時に救済策に付いた条件のほとんどを投げだしたいと思っているのだ。選挙後の見通しはきかない。ユーロ圏のあちこちで騒動になりそうだ。

結果は、ギリシャもヨーロッパもする余裕のないチキンレースだ。ギリシャのユーロ離脱の方がとどまっての再建よりも安全だとしても、それも危険で予想できない。2008年のリーマンショックの悪夢がよみがえるのだ。当時の国際金融制度は一つの投資銀行の倒産に対処できる程度には頑丈だったが、現在投資家はフランスやイタリアと言った国々の回復力を信用していない。

さらなる問題は、ユーロ圏での単一通貨に対する大きな政治的リスクだ。短期的には債権者がさらなる財政記入政策の全ての提案を拒絶するだろうし、悪くすれば1990年代の日本のようなデフレに陥る心配もある。

ユーロ危機の最悪期は脱したという望みは早すぎたのかもしれない。

 

  • ラジの最後の日? ― スリランカ

スリランカ大統領マヒンダ・ラジャパクサが任期の二年前の1月8日に大統領選挙を行うことを決めたとき、彼は勝利を確信していたに違いない。だが今、依然として最有力だが、対抗馬も接近している。

彼の人気は26年にわたる内戦に終止符を打ったことに基づいている。しかしその記憶は生々しいので、彼は自身を外国からその国を守った愛国者としてアピールしている。そのわかりにくさの他にも、ムスリムへの不寛容、家族優遇、不正、司法への介入などの問題がある。

対抗馬は、11月まで保健相を務めていたマイトリパラ・シリセナだ。彼は決してタミル人の望みというわけではないが、民族紛争の傷を癒やすために必要な第一歩だ。また、スリランカの民主主義を救うためのたった一つの道かもしれない。

 

  • アメリカとキューバ

キューバへの経済封鎖緩和は、キューバを遙かに超えて配当をもたらす

バラク・オバマは54年にわたるキューバへの経済封鎖の緩和を決定した。

今のところはキューバでの53人の政治犯の釈放、インターネットへのより自由なアクセスに注目が集まっている。しかし、最大の褒賞は、ラテンアメリカでの民主主義と市場開放の進展であってしかるべきだ。今後、ヴェネズエラ、アルゼンチン、コロンビア、ブラジルなどの政治に影響があるだろう。

 

  • 企業サイトハッキング

合衆国は企業のサイバーセキュリティをよりきつく取り締まるべきだが、違反には慎重に反応すべきだ

最近、ドイツの溶鉱炉を止めたり、「平和の守護者(Guardians of Peace)」がソニー・ピクチャーズを攻撃したり、トカゲ部隊(Lizard Squad)と呼ばれる別の集団がクリスマスにヴィデオゲームネットワークをぐちゃぐちゃにしたりして、サイバー攻撃が派手に現れている。

これらの攻撃はあまりに現実でありすぎ、そして現実は虚構よりも更に混乱している。一つの問題は、多くのサイバー犯罪が闇に埋もれていることだ。企業は評判や訴訟のリスクを恐れて隠したがるからだ。企業にどんな些細なことでも発表するよう強いることは、過剰規制の危険がある。しかし、彼等は金融業界のように、当局に対しては攻撃を報告するべきだ。今のところ、企業は自身を守るために最善を尽くさなければならない。もはや警告されていなかったなどという言い訳は通じない。

 

発行日: 
2015-01-03
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