2015年1月17日Leaders

  • エネルギー – 時をつかむ

石油とガスの価格下落は、ひどいエネルギー政策を直すための世代に一度の機会を提供する

たいていの場合、経済政策立案は、端っこでちょこちょこいじくり回すことだ。しかしながら、たまに重大な変化が可能だ。その世代に一度の機会が今だ。石油価格の下落に、クリーンエネルギーと環境保護の進展が相まって、世界中の政治家はエネルギー政策を合理化する機会を得ている。彼等は特に化石燃料において市場をゆがめている多額の補助金をなくし、一方で税制を炭素使用に対しての物に変えることができる。より安く、環境に優しく、信頼できるエネルギーの未来が手に届くところにあるのだ。メッセージは一つ、時をつかめ、ということだ。

 

  • スリランカの新大統領 – 驚くべき選挙結果はその国に深い傷を癒やす機会を与える

スリランカの前大統領マヒンダ・ラジャパクサは2年前倒しで1月8日に選挙を行ったが、驚くことに有権者は彼を選ばず、クーデターの可能性も探ったようだが司法長官、裁判長、そして決定的には軍隊が動かなかった。新大統領マイトリパラ・シリセナは多数派のシンハリ人とともにタミル人やムスリムの支持も受けた、この20年で最初の指導者だ。これはタミル人との和解の役に立つだろう。これは新大統領の中心的な課題で、またかなり議論を呼ぶ物だ。更に前大統領や上級軍人を戦争犯罪で調査し裁判にかけることを要求する人も多い。これは起こりそうもなく、また間違っている。この政権交代中に軍は民主主義をとても支持しており、裁判にかければ真実と和解を妨げるだろう。

周辺国では、インドは喜び、中国は前政権との関係整理に直面するだろう。西側にとっては、それは前政権の元で壊れた関係を再建する機会を提供するだろう。それは寛大な助けに値する。

 

  • 対テロ – テロの脅威が増しているまさにその時に、それに対する西側の治安機関の能力は下がっている

過去10年間にわたって西側の治安機関はジハーディストのテロリストを遠ざけるのにとても成功している。しかし、対テロリズムは、3つの理由で難しくなっている。

一つ目は、いくつかのアラブ諸国の崩壊の帰結、とりわけシリアでの終わらない内戦とイスラム国(IS)の勃興だ。二つ目は、パリで起こったような特攻型の攻撃は計画するのが簡単で、故に防ぐのが難しい。それは被害は大きくないかもしれないが、宣伝効果は大きい。三つ目に、かつては諜報員が潜在的なテロリストの連絡を監視することができていた技術的な先進性を失っているということだ。最初の二つは西側政府に全ての種類の実際的な困難を与えているが、主要な問題ではない。良い諜報があれば、その大部分であっても妨げられていた。だから、問題は諜報が将来にわたって十分かどうかにかかっており、故にいかに自由と安全のバランスをとるかというよりイデオロギー的な問題なのだ。

リベラルが戦うべきは、そして諜報員が認めるべきは、過剰監視と法手続だ。個人の監視は政治家ではなく独立した裁判官によって承認されるべきだ。治安機関が何をするかに応じてできるだけ公にするような形で説明責任が必要だ。スパイはスパイできるべきだが、その力は適切で必要な形にとどめられるべきだ。

 

  • ユーロの下落 – のたうち回る通貨はヨーロッパの暗い見通しを反映している。それは次善の治療策だ

今週はヨーロッパの単一通貨の歴史にとって一里塚となった。1月14日に、1999年1月1日にユーロを導入したときと同じ1ユーロ=$1.17に下がったのだ。それからその通貨は下落し、2000年8月にはドルと同じになり、その年の10月には$0.83まで下がった。これは誰の得にもならなかったので、世界の中央銀行は協調介入を行った。今回のユーロ下落はよりゆったりした物だが、より長く持続することになりそうだ。今年中にはドルと同じ価値になりそうだ。

直ちにやってくる脅威は、政治側からで、1月25日のギリシャの選挙の帰結についての不確実性だ。ギリシャのユーロ離脱のダメージは、2012年ほどではないにしても、依然として大きい。今のところそれは起きそうにないが、偶発的な脱退は気詰まりなほどに現実的だ。より重要なのは経済だ。デフレが始まっており、ドイツ経済の揺らぎにつれて、地域の経済見通しはとても弱い。そして全ての目はECBとそれが国債を購入して貨幣を供給する意思があるかに注がれている。1月14日に欧州司法裁判所がECBの国債購入を合法だと宣言し、量的緩和を始めるのを簡単にして当然だ。ヨーロッパではこの主目的はデフレ脱却になりそうだ。

量的緩和はヨーロッパにとっても世界にとっても、した方が良いだろう。しかし、ユーロが更に下落すれば、かつてないほど成長を輸出に頼りそうだ。貿易黒字は大きくなりそうで、どこかでアメリカのような他国との緊張の原因になるだろう。弱い通貨は役立つが、域内での健全な投資と支出に基づいたバランスの取れたヨーロッパの回復には遙かに及ばない。

 

  • ハイチの地震からの教訓 – 関係機関の間でうろうろする

将来の災害では、西側は犠牲者や政府を傍観者のように扱うべきではない

2010年1月12日にハイチを地震が襲い、数は誰にもわからないが、おそらく20万人が亡くなり、150万人が家を失い、その国のGDPの120%に当たる経済的損害を受けた。コレラの蔓延も加わった。その災害は、地震後3年間で$95億程度に相当する、史上4番目に大きな人道的支援を呼び込んだ。しかし5年後、その国は災害以前よりもほとんど良くなっておらず、いくらかの点で悪くなってすらいる。

ほとんどの目に見える荒廃はかなりきれいにされている。多くが下水無しの仮設住居に移っており、中央集権の進んだ国の混雑した首都ポルトープランスはかつてないほどに混雑している。汚職、ひどい社会資本、そして政治の不安定さが、ハイチの熱望する民間投資をくじいている。1月12日には大統領派と反対派との間で激しい戦闘が起こった。なぜそれほどまでの人道的支援がこの程度の成果にしかならなかったのか?「復興」の失敗は、災害が貧困国を襲ったときに急いで支援する人々に教訓を含む。

地震前のハイチは、失敗国家でこそなかったが、脆弱な国だった。ひどい歴史がその組織に影を落とし、地震で多くの上級役人が亡くなったこともその国を更に弱くしている。しかし、救援者たちはハイチの統治能力を作るためにはほとんど何もしなかった。政府機関を通して救援復旧に回されたのは、支出の10%に満たなかった。それは主に役人が不正や邪魔をするためだった。現地のNGOは更に少ししか受け取らなかった。外国の援助機関は自分たちで全部やり、ハイチの組織を蚊帳の外に置いたのだ。このハイチの機関飛ばしは高く付いた。母国のドナーに印象づけることに熱心な援助機関は、診療所を作ったが、政府には医者や看護婦に支払う金がないまま残された。外国企業が現地の会社よりも遙かに多くの金を取った。役人に対する不信は理解できるが、他の貧困国での経験によれば、金の使い方を監視する能力を鍛えながら政府を通して金を流すことは可能だ。

ヴェネズエラのような「非伝統的」な援助者は政府を迂回しなかった。格安条件で石油を信用買いし、その再販からの利益を主に社会資本に投資する計画は、ハイチの債務累積を後押しした。もし不振に苦しむヴェネズエラがその補助金から撤退したら、ハイチは災害になるリスクがある。その国はさらなる債務ではなく贈与を必要としているのだ。

脆弱な国家が機能するものになるよう進めるのは、ゆっくりとなるのが避けられない。世界銀行によれば、もハイチの組織レヴェルがガーナレヴェルになるのに一番早くても15-30年かかるという。しかし、現在の政治危機を見ると、ハイチは間違った方向に進んでいるかもしれない。外部者はその国で民主主義を安定させるのにほとんど何もできない。しかし、2010年の危機はそれを機能させる機会だったかもしれない。残念ながら、ハイチの友人たちはそのほとんどをしなかった。

発行日: 
2015-01-17
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