価格のつけられない300ドルの考え

世界のビジネスの頭脳を貧しい人々に家を与えるために応用する

フリードリッヒ・エンゲルスは1844年の「イングランドの労働者階級の状況」の中で、マンチェスターのスラムの進展は、エンジェル・ミドウ地区が 「地上の地獄」とうまく表現されていること意味すると述べた。今では似たような地上の地獄は開発途上の世界ではどこでも見られる。ブラジルのファヴェラス からアフリカの掘っ立て小屋まで。2010年に国連は約8.27億人がスラムに住んでいると計算している。それはエンゲルスが生きていたころの地上の人口 と同じくらいであり、2030年までにはその数は倍になるかもしれないと予測されている。去年、ダートマスカレッジのタック経営学校のヴィジャイ・ゴヴィ ンダラジャンはマーケティングの専門家のクリスチャン・サーカーとともに、ハーヴァード・ビジネス・レヴューのブログにある挑戦を発表した。貧しい人に家 を与えるために世界中のビジネスの考えを応用しませんか?多くの貧しい人々の人生をくじき、壊れたり火事になったりしやすい掘っ立て小屋をダンボールと泥 から開放し、より耐久力のある構造にしたらどうだろう。彼らは簡単なガイドラインだけを決めた。家は住民を厳しい世界から守るのに十分に強い大量生産の素 材で建てられなければならない。それは浄水器や太陽光発電パネルを含んだ文明的な生活の基本を提供するものでなければならない。それは「改善可能」でなけ ればならない。そうすれば、家族は必要に応じてそれを適合させることができる。そしてそれは300ドルを超えてはならない。

ゴヴィンダラジャン氏は300ドルという数字は部分的には注意を惹くための仕掛けだと認める。しかし彼はそれにはある論理があると論ずる。グラミン 銀行の創設者、ムハマド・ユヌスはちょうど貧困から抜け出した人々の平均的な家の価値は370ドルだと計算している。タタ自動車はまた狙いとする数字を示 した。彼らはもし単に「安い」車を作ろうとしたら「1ラク」(2,200ドル)カーをつくるよりもタタナノを作るのは難しかっただろう。

注意を引くやり方は確かに機能した。そのブログは積極的な反応が殺到したので、300house.comには900人を超える熱心な人や助言者が世界中から集まった。4月20日にはゴヴィンダラジャン氏は試作の家のデザインを提出した人を招いてコンペティションを行った。

なぜ単純なブログ投稿がそのような創造性の爆発につながったのだろう。明白な理由は「質素なイノヴェーション」だ。根本的に製品コストを減らす一方 で、一等の価値を届けるという芸術は現在流行だ。GEは心電図の機械のコストを2,000ドルから400ドルに下げた。タタ化学は一つの家族に1年間のき れいな水を提供することができる24ドルの浄水器を作った。エンジニアのギリッシュ・バラドワジはインドの田舎の生活を変える安い歩道を作る技術を完成さ せた。

他の理由として、家がとても効果的な貧困撲滅の道具だということが挙げられる。貧弱な建物は問題の中心になる。病気の蔓延(正しい衛生設備や喚起設 備がないため)、貧困の浸透(子供たちが勉強するのに適切な電灯がないから)、そして一般的な意味での不安全(もろくて燃えやすいから)といったことだ。 ゴヴィンダラジャン氏の考えは、とても力強い。なぜなら、彼が家を電灯は換気、衛生設備を整えたエコシステムとして扱ったからだ。

多くの革新者はまたこの問題の中心を心配している。NGOのHabitat for Humanityはネパールで耐久力のある竹の家を建てている。コンサルタント会社のアイディアラブは工場で大量生産され、換気設備、電灯そして衛星設備 の突破口を持った2,500ドルの家を発表する寸前だ。フィリップスはChulhaという安い調理用ストーヴを作り、年に160万人の命を奪っているすす を遮断した。ソーラーエレクトリックライトファンドは貧しい家庭に太陽光発電を灯油やろうそくといった古いものとほぼ同じ値段で提供できると示している。
 

利益と他の問題

300ドルの家の主張者のようなこれらの思索家たちは、成功するために3つの大きな問題を解決しなければならない。規模の経済だけが必要とされる目 標価格を達成させうるので、彼らは安い家から利益を上げることができるよう大きな会社を説得しなければならない。彼らは小規模ローンへの十分なアクセスを 確保しなければならない:300ドルは一日数ドルで暮らす不法居住の家族にとっては巨大な投資だ。彼らはまた多くのスラム居住者が弱かったり全く存在しな い所有権しか持っていないという障害を克服しなければならない。住んでいる土地に何の名義も持っていないのならば、そのような人たちに賢くデザインされた 家を買う機会を提供するのは何の意味もない。これらの問題を突くにはさらにはいつもは乗ってこない人々の間の高度な協力が要求される。会社とNGO、デザ イナーと途上国の政府といった人たちだ。

しかしながら、現在の途上国についての興奮することは、一番厳しい問題でも解くことができるという広く思われている信念だ。そして似たようなやる気 のある瞬間、1940年代の後半、には家の大量生産の技術の応用の際立った歴史的な前例がある。アメリカの軍人が第2次大戦後に家庭をはじめるための家に あふれていたので、レヴィット&サンズは1日に30件の割合で部品を工場で大量生産し、トラックで配達し、専門家のチームを使ってそれを組み立てることに よってレヴィットタウンを建設した。

いくつかの新興国政府は、土地保有の保証が激増し続けるスラムの問題を解決するただひとつの道だと認識し始めている。そして西洋での市場の停滞に直 面している大きな会社はますます「ピラミッドの底辺の富」に魅せられている。アイディアラブのビル・グロスは安い家の市場は少なくとも4,240億ドルの 価値があると計算する。しかし、実際には価値はそれ以上だ。地球を、マルクスとエンゲルスの特に陰気な後継者であるマイク・デーヴィスが名づけたように、 「スラムの惑星」にしないようにすることだ。
 

発行日: 
2011-04-30
雑誌名: 
記事区分: 
主地域: 
主カテゴリー: 
キーワード: 
0
まだ投票はありません

コメント

コメントを追加