望みにあふれる大陸

アフリカ人の人生はすでに過去10年で大きく改善している、とオリヴァー・オーガストは語る。次の10年はさらによいだろう

3人の学生が、世界で最も貧しい大陸の西の端のセネガルのヴェルデ岬のビーチカフェでiPadを覗き込んでいる。彼らは、ヨーロッパで最も悲惨な国の一つモルドヴァについてのオンラインのニュース物語を読んでいる。一つの見出しは「4人の酔っぱらった兵士が女性を強姦する」と読める。他のものは、モルドヴァの男性は過剰飲酒で死ぬ可能性が19%あり、58%が喫煙関係の病気で死ぬ、と言う。もう一つは正売買を取り扱う。そのような物語は、ギリシャからの緊縮の物語とともに、アフリカの反映するメディアの重要商品になっている。アフリカの病気と無秩序の物語が長い間豊かな世界でされていたように、それらは憐れみと信じられなさを引き起こす。

セネガルの首都ダカールの郊外に座るその3人の学生は、カプチーノをすすり、白いテーブルクロスをかけたレストランが緑の点がついたカニを出している、ヤシの木で陰になった舗装道路を見渡している。一人の現地のアーティストが、一連の色のついた光の下の部分的に服を着た小作の少女の枠付きの写真を売り歩いている。ここが、奴隷船が新世界に向けて出発した場所だ。「向こうで、彼らはどれだけ変わったのか知っているのだろうか?」一人の生徒が遠く離れた水平線の石油タンカーの向こうを指さして尋ねる。

この特別報告は、アフリカについての西側のイメージと調和しない絵を描く。戦争、飢饉、そして独裁者は珍しくなっている。中国やインドでしているように、人々は依然として帳尻を合わせるのに苦労している。彼らはいつも食べ物が十分にあるわけではなく、彼らは教育を欠いているかもしれず、彼らは日々の不正義に絶望しており、移民したいと思っているものもいる。しかし、ほとんどのアフリカ人はもはや暴力や速い死を恐れてはおらず、彼らの子供たちが良い生活をするのを見るのを望むことができる。それは、この報告の主要な焦点であるサブサハラ部分を含んだ、その大陸の多くにわたって当てはまる。

アフリカの統計は、しばしば信頼できないが、広く言えば、その数字は、サブサハラアフリカの人間開発は急上昇していることを示唆する。中等学校への入学は、多くの国がその教育計画を拡大し、授業料を廃止した後で、2000-08年の間に48%増えた。過去10年間にわたって、最も悪影響を受けていた国々のいくつかでのマラリアによる死は30%減り、HIV感染は74%減った。アフリカ中での平均寿命は約10%上がり、ほとんどの国での幼児死亡率は急に下がっている。

好況に沸く経済が大きな違いをもたらしている。過去10年にわたって、一人当たり実質所得は30%以上増え、一方、以前の20年間にはそれはほぼ10%縮んだ。アフリカはたったいま世界で最も急成長する大陸だ。今後10年にわたって、ただ外国直接投資のおかげだけではなく、年平均6%上がることが予想されている。FDIは2002年に150億ドルだったものが2006年には370億ドルに、そして2012年には460億ドルになっている。

電話を含んだ、かつては希少だったモノやサーヴィスは、今では広く利用できる。アフリカでは4人に3人が携帯電話を持っており、それはインドと同じだ。2017年までに、家計の30%近くがテレビセットを持つと予想され、10年間でほぼ5倍増だ。ナイジェリアはアメリカよりも多くの映画を製造している。映画製作者、小説家、デザイナー、音楽家、そしてアーティストは、望みの新たな雰囲気の中で栄えている。世論調査は、ほぼ2/3のアフリカ人が今年は去年よりも良くなると考えていると示しており、それはヨーロッパの率の倍だ。

アフリカは一つの脚本に従うには大きすぎるので、その国々はより良い場所になるのに異なった道をとっている。セネガルでは、そのカギは活気に満ちた民主主義だ。ヴェルデ岬の湿気のあるビーチから内陸の古びた砂漠まで、政治家は西側の有権者が認識するだろう選挙運動を行う。彼らは、いくつかは守ることができる途方もない約束をする。重要なのは、彼らは民主的組織を尊重する。アブドゥライ・ワッド大統領が任期制限に違反して去年3期目に立とうとした時、彼はあざ笑われた。ある人気のあるマンガは、彼がバーで3倍目のコーヒーを注文し、「一人2杯まで」と書いた看板を取り外しているのを描いた。20人以上の野党候補者が統一戦線を形成し、彼に辛辣な敗北をくらわせ、彼は素早く受け入れた。ダカールは荒っぽく祝い、次の日には仕事に戻った。

冷戦の終わりには、(当時53か国のうち)たった3つのアフリカ諸国しか民主主義を持っていなかった。それ以来、その数は多様な形の25に増え、さらに多くの国々が不完全だが価値のある選挙を行う(2012年だけで22)。現在55か国のうち、エリトリア、スワジランド、リビア、そしてソマリアというたった4か国だけが多党制の憲法を欠いており、最後の二つは間もなくそれを得る。敵はほとんどがその兵舎の中に潜む。いくつかの権威主義国家は生き残っているが、大物指導者はより珍しくなっている。そして、全体としてより多くの民主主義がより良い統治につながる。再選されたい政治家は、結果を示す必要がある。
 

救済への道

民主主義がそれ自身を打ち立てるのに苦労しているところで、アフリカ諸国はその国民の生活を改善するのに、三つの他の道をとっている。一つ目に、多くが戦いをやめている。戦争と内戦は劇的に減っている。現地の紛争は時に燃え上がるが、過去10年間でアフリカの戦争は随分ひどくなくなっている。アンゴラ、チャド、エリトリア、リベリア、そしてシエラレオネといった長期間続くホットスポットは、何百万人を豊かにし、静かになっている。コンゴ、ソマリア、そしてスーダンすらもかつてよりはかなり暴力的でなくなっている。マリの一部は去年イスラム主義者によって占領されたが、不穏さは続いているものの1月にフランス軍によって解放された。1960-90年の間には10年で平均20件だったクーデターの数は、平均10に下がっている。

二つ目に、より多くの文民が政治に関与しており、市民社会グループのものもいれば、援助に関与したりデモに参加したりする者もいる。2年前の北アフリカでのアラブの春の始まりは、大陸のほかの部分に感銘を与えた。アンゴラでは、若い活動家がさらに北の事件を祈る。セネガルでは、ラップアーティストのグループがワッド氏を追い出した連合の核を作った。

三つ目に、社会主義経済モデルからのアフリカの後退は、一般的にみんなを豊かにしている。エチオピアやルワンダといった国の中には、依然として国がリードしているところがある。1995年から去年亡くなるまでエチオピアの首相だったメレス・ゼナウィは、開発を彼自身の(時に血にまみれた)手の中に置くことによって印象的な利得を成し遂げた。ケニアやナイジェリアといったほかの国は、官僚主義を取り除くことによって民間事業を力づけている。しかし、他の国は、アフリカ最大の貿易相手になっている中国からの増加する需要による商品ブームから利益を得ている。過去10年にわたって、アフリカの中国との貿易は110億ドルから1,660億ドルに増えている。銅の豊富なザンビアと石油に満ちたガーナは、たとえそのカネの一部が途中で盗まれようとも、新しい学校や病院を建設する支払いにいっぱいの金庫を使っている。

避けられないことに、アフリカの上昇は誇大に宣伝されている。押し上げる者は「アフリカの世紀」や「明日の中国」「新たなインド」といった話を宣言する。懐疑的な者は、アフリカが依然偽の夜明けを迎えている、と退ける。彼らは、外国人投資家が現地人を搾取し、その大陸が「上がるのではなく略奪される」のだと恐れる。彼らはまた、多くの役人の腐敗しており、まっすぐなものはしばしば専門性に欠け、投資家との交渉で不利な地位に置かれることを心配する。

ならば誰が正しいのか?それを理解するために、ダカールからケープタウンまで大陸中を旅し、多くのブッシュや砂漠と同様にラゴス、ナイロビ、ヨハネスブルグといった地域センターに立ち寄った。その旅のそれぞれの部分は、記事の小見出しについているように、その大陸が取り組んでいる、政治的暴力、統治、経済開発といった大きなテーマの一つに焦点を当てた。

その旅は、そのほとんどが舗装され事業に開かれた、川、鉄道、道路の2.54万キロ程度のものになった。何人かの運転手は警察に少額のチップを与えたかもしれないが、その途中で一度も賄賂を要求されることはなかった。その旅行は112日かかり、うち9日間を除いてはスマートフォンによる電子メールが利用できた。危険や困難はめったになかった。国境は簡単に越えることができ、ヴィザはその場で数ドル払うか最も近い首都で1日以内にとることができた。対照的に、ポール・セローがその偉大な旅行書「ダーク・スター・サファリ:カイロからケープタウンへ、アフリカ縦断の旅」の調査旅行をした2001年に、彼は撃たれ、回り道を強いられ、そして終わりなき不快さに身をさらした。

いまからさらに10年後には、旅行者は、いくつかのアフリカの国での飢餓の終わり、他の国での農業生産の急上昇、輸出のための製造業産業の始まり、広い小売部門の出現、より統合された運輸網、より公平な選挙、より効率的な政府、貧者の多くの間ですらも技術への広がるアクセス、そしてかつてないほど上がる商品所得をかなり見るかもしれない。すべての場所ではない。この報告は、進歩が零れ落ちるたくさんの場所を伝えている。しかしその数は減っている。
 

それを待て

望みを持つべき最大の理由は、過去の投資から結果が出るのに時間がかかり、多くのそのような利益はまだ具体化していない。何十億もが過去十年ですでに道路や学校に注がれている。技術革命がその大陸の最も離れた角にやっと到達している。たくさんの新しい油田と金鉱山が開発されているが、まだ収入を生み出していないのだ。援助のパイプラインもまたかなりいっぱいだ。ビル&メリンダ・ゲイツ財団だけで2006年以来アフリカに17億ドルを投資しているが、「制度を変えるのには何年も何年もかかる」ことを認めている。援助の中には無駄になったものもあり、新しい道路の中には空っぽのままなものもあり、数バレル以上の石油が盗まれる。しかし、現在アフリカ諸国の半分にも満たない国々が世界銀行が言うところの(一人当たり年間少なくとも1,000ドル以上で定義される)「中所得」だが、2025年までにその銀行はほとんどのアフリカ諸国がその舞台に到達すると期待する。

手書きの3番のバスがヴェルデ岬から出て、ダカールの街路を通り抜けるとき、過度の午後遅くの日光を浴びたその光景は、アフリカの現在の勝利と苦難の側面を反映している。左手には、都市貧困層のための水道を備えた借家の建物がある。右手の丘には、2,700万ドルの公金を使ってワッド氏が自分の若いときに似せた筋骨たくましい胴体の男の49メートルの青銅の像が立っている。そのバスはその首都を後にし、岩がちの崖と洪水した牧草地、一部屋のハット、そしてマングローヴの森を通り抜けて、ぽっぽと音を立てて進む。数時間後、それはジガンショールの町のそばの泥がちの小川をわたり、ギニア=ビサウに向けて南へ向かう。

Emerging Africa欄より
 

発行日: 
2013-03-02
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