全てにとって自由 - 学術出版

自由に接続できる科学出版が地歩を築いている

4月の初めに、政府が納税者の資金を学者に移すための仲介機関である英国研究会議協議会は、それが資金を出した研究の結果がいかに公開されるかのルールを変えた。今から、それらは、直ちにが好ましいが、間違いなく1年以内に無料で利用できる学術誌で公開されなければならない。

2月にホワイトハウス科学技術政策室は、連邦機関に同じような計画を作るよう言った。その1週間前、政府が資金拠出した研究に6か月後に自由に接続できるよう求めるだろう法案が、議会を通過する道に向かい始めた。欧州連合も同じ方向に動いている。慈善団体もそうだ。粒子物理学の研究所、図書館、そして研究費割り当て機関の共同事業体SCOAP3は、その分野の主導的な学術誌12誌全部に、それらが毎年掲載する7,000の記事を無料で読めるようにするよう圧力をかけている。学術出版社にとって、そのパーティーはすぐに終わるかもしれないようだ。

彼らは認めなければならないだろうが、それはよい強打だ。現在の事業は、無料で提出され査読と呼ばれる過程の中で第三者によって無料で精査された他の人の研究結果を売っており、とても利益が出る。世界最大の学術出版社のオランダ企業エルゼビアは、去年21億ポンド(32億ドル)の売上で38%の利益率があった。2番手の学術出版社でドイツ企業のシュプリンガーは、(数字の利用できる直近年の)2011年に、8.75億ユーロ(11億ドル)の売上で36%を稼いだ。けれども、そのような企業は、今、明白にその費用だけをカヴァーするために立ち上げられた競争相手に直面している。慈善に頼っているものもあるが、多くは適切な事業モデルを持っている。学者が掲載されるために料金を支払うのだ。だから、「長いものには巻かれろ」の原則で、商業出版社もオープンアクセスの子会社を立ち上げている。
 

事業に開かれる

最大のものは、シュプリンガーの一部であるバイオメド・セントラルだ。それは2000年に設立され、2月に通算15万本の論文を出版し、『有毒動物と熱帯病を含んだ毒素についての学術誌』と解りやすく題のつけられた250号の定期刊行物も発売した。数日後、ネイチャーやほかの81の学術誌を持っており、それ自身別のドイツ企業であるゲオルグ・フォン・ホルツブリンク出版グループに属するネイチャー出版グループ(NPG)は、14の科学分野で30タイトルを持つスイスのオープンアクセスプラットフォームのフロンティアーズの支配を獲得した。それは、NPGのオープンアクセス学術誌の単位を46にし、それが毎年出版する無料論文の数を5,000から7,300に増やす。

去年、エルゼビアは、出版するオープンアクセス学術誌の数を倍以上の39にした。そして、(『セル』や『ランセット』のような)ふつう読者から料金を取るものでさえも、出版料を払えば論文をすぐに無料で利用できるようにする。

カリフォルニアのコンサルタント会社アウトセルは、オープンアクセス学術誌が2012年に1.72億ドルを生み出したと推計する。それは、(年に60億ドル程度の)学術誌がその出版社にもたらした総収入のたった2.8%だが、2011年から34%増えており、2015年には3.36億ドルに到達すると予想される。オープンアクセス論文の数は、同じ期間に、(全部で170万の出版のうち)19.4万から35.2万に増えると予想される。

オープンアクセスの出版社もまた、事業をする新しい方法を見ている。例えば、フロンティアーズは、最低限の査読だけを適用する。それは、提出論文の80-90%を受け入れ、致命的な欠陥があるものだけを拒絶する。それは、オープンアクセス出版の開拓者の一つであるサンフランシスコの非商業組織公共科学図書館(PLOS)によって最初にとられたやり方だ。

フロンティアーズの論文の価値は、ダウンロード数のようなはかりを使って出版後に測られる。フロンティアーズはまた、ニュース、求職、そして会議やイヴェントについての情報を共有する研究者のためのソーシャルネットワークとして二役を果たす。このネットワークは、現在約7万人の会員を持っている。

去年設立された『ピアJ』は、より劇的な伝統からの離脱をしている。出版料を課すよりもむしろ、著者たちは毎年何本の論文を出版したいかによって99-298ドルまでの範囲の一度限りの会費を払うのだ。すべての共著者は会員でなければならない。その会社はまた、査読の問題もきちんと取り扱っている。会員は、少なくとも年に1本の論文を査読しなければならないのだ。

けれども、非商業的オープンアクセス出版社は反撃を受けている。(英国の医療慈善団体)ウェルカム・トラスト、(たくさんのドイツの研究所を経営している)マックス・プランク協会、そして(アメリカの慈善団体)ハワード・ヒューズ医療研究所は、出版料を課さない査読学術誌『eLife』を立ち上げている。そして1月に、フランスグルノーブル大学のジャン=ピエール・ドゥメリーと少数の仲間の数学者がエピサイエンス計画を立ち上げた。これは、研究者自身が、伝統的な業者を迂回して、査読論文を作り出すことができることを示すのを狙っている。

エピサイエンスは、学術誌に提出する前の「前刷り」としてしばしばそこに研究を投稿する物理学者や数学者に愛されたオンライン貯蔵所のArXivを肩にのせるだろう。ArXivは年に83万ドルの費用でコーネル大学におかれている。査読論文が前刷りとともにおかれるように、『エピジャーナル』を取り付けることは、それほど多くの費用を上乗せしなくて当然だ。

けれども、バイオメド・セントラルの社長マシュー・クッカリルは、エピサイエンスの出版モデルは、その欠点を持っているかもしれないと指摘する。出版社を迂回する学者は、出版社自身になる。そして、運営が成長するにつれ、そうするのは難しくなるだろう。
 

誰が昼食代を支払うのか?

オープンアクセス出版の他の側面は、現職から丁寧な懐疑論も惹きつけている。例えば、フロンティアーズとPLOSの乱雑なやり方は、『ネイチャー』やそのアメリカ版『サイエンス』のような出版による提出原稿の90%以上を拒絶するやり方と調和しない。これらの学術誌が名声を得ているのは、その選択制のためだ。今のところ、『ネイチャー』、『サイエンス』、そしてほかの少数の似たような学術誌への掲載は、妖精の粉のちらつきのようなものだ。そこに乗るのがどれほど難しいかみんなが知っており、だから掲載論文は特別だと推測される。これは、オープンアクセス出版がまねるのは難しいだろう。

けれども、拒絶論文はすべて批判的にみられなければならず、そしてたとえ査読が無料でも、これは職員の労働時間やほかの費用を伴う。『ネイチャー』によれば、掲載論文1本あたりの費用は4万ドルだという。もし『ネイチャー』が現在の形のような事業にとどまるのならば、誰かがそれを支払わなければならない。

誰かが望むかは、まだわからない。予算はきつく、アクセスを開くようにという圧力は増している。名声のある学術誌によって贈られる種類の無形の祝福は、急速に消え去りうる。ゲームがどこで終わるのかは、誰にもわからない。
 

発行日: 
2013-05-04
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