ABCDのように簡単ではない - 台湾

 

台湾武装化の危険な政治
 
今週の中国と台湾は、アメリカを脅かすような大騒ぎというよりも、いつもの通りのように見え、そしてより予測可能だ。いつアメリカ政府が台湾への武器輸出を決めても、嵐が中国との関係を混乱させる。次のものは今月やってくる。アメリカはどのように台湾の戦闘機群を更新するかの決定を発表するのだ。今回の騒動は、真の怒りというよりも健全さに満ちているようだ。しかし、根本的な戦略的計算は危険な仮定に基づいたままで、その3国の国内政治により複雑になる。
 
少なくとも今では、アメリカは66機の最高級の最新F-16C/D戦闘機を購入したいという台湾の要求を拒絶すると広く考えられている。かわりに、元々1992年に獲得した150機のF-16A/B戦闘機をより新しい部品に再装備する「改造」を提案するだろう。政権が論ずるには、これは台湾関係法下での義務を満たすだろうという。アメリカが外交関係を台湾から中国に切り替えたあとの1979年に成立したその法律は、アメリカが「防衛的性格の武器を台湾に供給する」ことを定めている。
 
中国は、例のごとく、第3「共同声明」への恥知らずの違反についてアメリカに対してプリプリするだろう。その1982年の文書では、アメリカは、「台湾への武器供給は、質的にも量的にも、近年に供給されたものを超えない」と約束した。しかし、ペンタゴンは、中国の軍事発展についての年次報告を出したところだ。それは、軍事能力のバランスが「本土に有利なように動き続けている」ことに注目する。中国はすでに、東海岸に千基以上のミサイルを設置して台湾を脅かしている。アメリカはその武器輸出政策においてこれを見逃すことはできない。
 
しかし、アメリカが1982年の約束に逆らうように見える時、中国が単に肩をすくめるだけということは最早たやすくはない。その市民は、その国の繁栄と相対的なアメリカの減退が感じられることにかつてないほど自覚的になっている。8月に、共産党のもとにある人民日報は、今や、アメリカの共同声明違反を罰するのに、中国はその「金融兵器」を使う時だ、と論じた。アメリカは、中国に、「そのアメリカ国債保有を武器として使うよう」強いている。
 
もちろん、武器としての大量保有は、中国の言葉で言えば、自分の足の上に落とすためだけに持ち上げられた岩だ。もしそれが買い手のストライキを実行し、米国債とドルの価値を暴落させれば、中国が一番の敗者となるだろう。しかし、アメリカへのそうした半公的な警告の激しさと、政府が人々の民族主義的誇りをかき立てていることは、指導者たちに何もしないことを難しくしている。2010年1月には、彼らは、アメリカの前政権によってすでに承認された武器輸出パッケージに対して、強烈な脅しとハイレヴェル軍事交流の1年間の停止により反応した。
 
バラク・オバマ政権は、しかしながら、今回の中国の反応はそれほど狂乱状態ではないだろうと望まなければならない。その政権は結局妥協しそうだ。F-16C/Dの輸出を承認しないと想定すると、それは台湾からの20以上の要求を拒絶したことになるだろう。それはまた、181人の下院議員と47人の上院議員が、台湾が要求する全てのC/Dを売ることを推進するためにオバマ氏に手紙を出した、議会からの圧力に抵抗した事にもなるだろう。議員の中には、他の法をつけることによって、政権の望みに反して販売を推し進めようと脅しているものもいる。軽率にその政権の問題を助けているのは、しかしながら、台湾の今の中国との近い関係は、最新の技術に埋め込まれた秘密に関して信頼できないことを意味するという、何人かのアメリカ人批判者の見方だ。
 
中国の反応は、1月の台湾の大統領選によっても抑制されるかもしれない。国民党の馬英九現職大統領のもとで、中国との関係は実を結んでいる。経済関係を育て、政治的軍事的緊張を低めるのに成功したことは、主な作戦基板になるだろう。中国は、一つの綱領が真っ直ぐでないように見えるようにすることによって、台湾の公式な独立により傾斜している野党民進党を、とても助けたいとは思わないだろう。全く、費用と共に、その理由により、国民党政府内部には、C/Dを確保することに失敗することがそれほど不快ではない人たちがいるかもしれない。そのような手がかりが公になることはない。台湾は、その防衛の頑強さを、自分の選挙の前だけでなく、アメリカの支持の継続を確保するためにも、示す必要がある。
 
 
 
台湾の自由のために戦う最後のアメリカ人?
 
それは、武器輸出に関する儀式的な議論の底にある口にされていない問題だ。台湾の安全の本当の保障は、その軍隊の技術水準ではない。本土が攻撃してきた際には、アメリカが助けに来る-中国の軍事的近代化が思いとどまるように設計された介入-という推定だ。しかし、台湾関係法は、台湾の防衛のために、アメリカが完全に関与することではない。(むしろ、「アメリカの厳粛な関心で、平和的な方法とは別に、台湾の未来を決めるどのような努力も考えること」だ。)そして、中国と台湾の両方とも、台湾との事実上の同盟関係の価値を疑う幾らかのアメリカの声を聞いただろう。
 
今のところ、台湾と中国の関係はかつてないほど良いので、そのような懸念は仮説のように見える。しかし、より近い経済と人間同士の結びつきは、中国との統一を支持する台湾の大衆の意見を揺さぶるのに何もしなかったように見える。もしあったとしても、現状維持への支持はかつてよりも強い。そして、例えば、とてもありそうなのだが、民進党が1月の大統領選に勝てば、その関係は簡単にまた酸っぱくなりうる。大衆的な民族主義と新しく現代化された軍隊ヘの信頼に押されて、中国がより目前の台湾への軍事的脅威になるかもしれないというのは想像できる。頑強なアメリカの関与は、最善の抑止装置だ。さらに、必要ならば、中国にとって、ミサイルを撤去し、台湾の再統一のために軍事的手段を使うという脅しを辞めることがより良いだろう。しかしながら、その選択肢は、基礎知識にはない。
 
Banyan欄より
 
 
発行日: 
2011-09-03
雑誌名: 
記事区分: 
主地域: 
主カテゴリー: 
キーワード: 
0
まだ投票はありません

コメント

コメントを追加