分割された我々はよろめく - 危機にあるASEAN

インドネシアは東南アジアの深まる裂け目をいやすことができるのか?

何十年もの間、東南アジア諸国連合(ASEAN)は、巨大な政治的経済的違いを持った地域に優しく首尾一貫性をもたらそうとしたので、世間の注目によるきらめきで困難に見舞われることなく、かなり非難のない存在を率いている。例えばヨーロッパ連合のような高みと悲惨な低みはASEANのものではない。そのすべては、今、突然変わっている。その45回目の誕生日に、新聞やブログはついにASEANに多くの注目を集めている。けれどもそれは賞賛というよりも失望によってより記録された。そのまさに生存を問うものすらいる。

その突然の注目の原因は、南シナ海における中国の海洋領土主張についての10の加盟国間での分離が広がったことだ。その分離は、先月のカンボジアの首都プノンペンでのASEAN外相会談で裸で公になった。その歴史上で初めて、ASEANは合同声明を出すことに失敗した。その加盟国は中国について何を言うかということで合意できなかった。広く言えば、自身が南シナ海の領有権主張をしているヴェトナム、フィリピン、マレーシア、そしてブルネイがシンガポールとタイに支持されて、中国の南シナ海の海域とスプラトリー、パラセル、そしてほかの島や環礁の領有主張を補強するけんか腰の行動について彼らがどう見ているかの深刻な懸念をASEANが表明することを望んだ。しかしながら、領有権を争わない、主にカンボジアは、ラオスとおそらくミャンマーに支持されて、中国を遠ざけることに気が進まなかった。彼らは代わりにそれぞれの国がその問題に取り組むことで中国の主張とうまくやる。今年、カンボジアはASEANの議長についている。

プノンペンの大失敗の直後に、インドネシアの外務大臣のマルティ・ナタレガワが精力的な外交で、その裂け目に紙を貼るために一生懸命に挑んだ。しかしながら、それ以来、ASEANらしくない公的なけんかは減速していない。先週、フィリピン政府は、カンボジア大使を放逐した。彼はフィリピンとヴェトナムが南シナ海をASEANの議題に載せるよう圧力をかけることによって「汚い政治」をしていると非難していた。地域報道機関は、カンボジアの立場を非難する記事や手紙で満ちている。

ASEAN加盟国は南シナ海についての「行動規範」を打ち立てることによってこの危機を切り抜けたいと思ったが、中国は彼らが言うところの「機が熟するまで」その考えについて議論することを拒絶している。一方、11月に行われる次の完全なASEANの首脳会談の準備への憂鬱な雰囲気が充満している。今回は、さらなるみっともない喧嘩を避けるために、加盟国は公共の消費のために共通の地位について合意することができなければならない。しかし、それは依然として個人的な悲しみのためのたくさんの範囲を残す。

特に、外交官の中には、カンボジアが今、取り返しのつかないほどに中国のポケットの中にいるのか、ということを不思議に思うものもいる。そうならば、ASEANが意思決定してきた有名な「ASEANコンセンサス」は終わるだろう。カンボジアはその地域で一番以上に中国の投資やほかの媚に頼っている。それは今、北京の命令に従うことを期待されている。あるカンボジアの外交官は、彼の政府すらも中国がその失敗した首脳会談でその地域を守るためにどれほど早くそして強く圧力をかけてきたかについて驚いたという。小さなラオスもまた、大きく中国の資金と善意に頼っており、ミャンマーもそうだ。ある作家が言うように、中国は、その利益が脅かされるときに、ASEANに対して外部拒否権を獲得しているかもしれない。

その集団は、それ故に、その地域での新時代の超大国のライヴァル関係の犠牲者になりうる。最近まで、それは、例えば東アジアサミットやほかの話し合いの場を開催して、それ自身を汎アジアの対話と討論の主要なフォーラムとして打ち立てることにより、安定的な進歩をしてきた。しかし今、それは、片手に勃興する中国と、そしてもう一方に中国に対するバランスを求める新たに関与したアメリカとの間でとらわれているように見える。

特に、フィリピンとヴェトナムは、彼らがその困難の海で自己主張の強い中国に直面しているので、アメリカの軍事的外交的支持に開放的なように見える。カンボジアとラオスは中国と歩調を合わせ、ミャンマーも同じようにするかもしれないが、タイとフィリピンはアメリカと同盟関係にあり、アメリカはさらにはシンガポールと軍事的関与を加速している。これらの忠誠が、より近い同盟を作るという試みとともに、ASEANのより抽象的な魅力に打ち勝つという恐れがある。

もっとも明白な潜在的な災害は、あと3年で始まる予定だったヨーロッパ型の単一市場ASEAN経済共同体(AEC)を作る動きだろう。シンガポールの東南アジア学研究所のイアン・ストレイは公表されていないプノンペン声明の132の文章のうち、たった4つが中国の領域主張についての言い争いにかかわることだったと指摘する。他の多くは経済商業統合についてだった。これらすべては、今では失われている。AECが有効になるのは言うに及ばず、定刻に始まることすら怪しくなっている。より広いASEANの議題は、南シナ海に沈んでいる。

インドネシアだけがその日を救うことができるかもしれない。その地域大国は、その首都のジャカルタにASEANの事務局を提供している。それだけで、その組織をまとめる責任の重みを感じるようだ。インドネシア政府への政治と外交についての上級顧問デウィ・フォーチュナ・アンワルは、南シナ海についての争いは、「ASEANにとって、大きな参加者や大きな問題を持った現実世界で生きることについての良い教訓だ。それは成長の一部なのだ。」と論ずる。

今のところ、ASEANはわずかな資本で運営されている。その加盟国は、それが決してたくさんしなければならないことはないだろうと仮定して、それを守るためにわずかな金額を払っている。しかしながら、今、インドネシアの政策立案者の中には、地域統合が問題となっているすべての考えで、その組織を強化し、地域的関心を力強く論ずるのに必要な機構、資金、そして人材を提供する時が来た、と論ずる。アンワル女史が言うように、「加盟国がASEANについて十分に注意を払わなければ、なぜほかの大国がそれに従うだろうか?」
 

発行日: 
2012-08-18
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