我々の町を救え - アジアとその洪水

 

上昇する水と沈む建物の脅威が増加している
 
今はインドネシアでの雨期のピークだ。農民にとってはよいことだが、900万かそこらのジャカルタ市民にとってはそれほど歓迎すべきことではない。彼らは「5年ののろい」を避けることを望んでいる。2007年に、洪水が首都のほぼ3/5を水浸しにし、52人を殺し、45万人以上を退去させ、ほぼ10億ドルの被害を与えた。その5年前には、洪水が約60人の住民の命を奪い、36.5万人がその家からの退去を余儀なくされた。
 
遅ればせながら、市政府はジャカルタの13の川のうち10本と古い運河の一つを浚渫する計画に合意した。4つの巨大な貯水池もまたその完全な貯水能力を回復するために浚渫される。その首都は、近くのジャワ海から海抜10メートル以下の低く平らな流域にある。それは自然に洪水に襲われやすいが、水路は何年にもわたって正しく浚渫されていない。シルトは積み重なり、1/5の町の日々の廃棄物が川や運河に投げ込まれる。町がその水路を何年間もよりよく手当てしていれば、洪水は半分以下に抑えられただろうと専門家は主張する。
 
浄化計画を行うのは歯を抜くような痛みを伴うものだったと、その計画に共同出資する世界銀行からの高官は語る。その緊急性は、ジャカルタが沈んでいるという事実によりさらにひどくなっている。最近の世界銀行の報告では、(たとえば新しい高層ビルからの)圧密や(増加する人口のための)地下水くみ上げの増加による土地の沈下により、ジャカルタは気候変動によるジャワ海の水位上昇よりも10倍速く沈んでいるという。
 
アジア全体で、大都市は似たような問題に直面している。今週アジア開発銀行(ADB)により発表された報告は、予想される気候変動と移民の関わりに注目する。2010-11年だけでアジアの4,200万人の人々が「極端な」天候により退去した。ほとんどの注意は、たとえばモルディヴ、ツヴァル、キリバスといったインド洋や太平洋の低地の島々や特にバングラデシュの沿岸の平地の住民に焦点を当てがちだ。しかし、大都市は気候移民が移動しようとしている先であり、そしてそれらはしばしば海水面上昇に最も危険を抱える沿岸地域にある。東アジアでは、広州、ソウル、名古屋がある。南アジアではバングラデシュの首都、ダッカはコルカタやチェンナイと同じように脆弱だ。人口約2,000万のムンバイの相当部分がすでに海抜面以下だ。
 
東南アジアでは、バンコク、マニラ、そしてホーチミンシティがすべて低地の都市地域だが、ジャカルタのように彼らはすべて増加する洪水の脅威への反応にあまりに長い時間をかけている。去年、大雨がバンコクがたっているチャオプラヤ水系を覆い、そのタイの首都は何とか破壊を免れたところだった。実は、何百人も亡くなり、世界銀行はその洪水がタイに460億ドルの経済的被害を与えたと推計する。
 
同じように、カンボジアの大部分を破壊した去年のメコン川の洪水は、その地域への警告となるべきだ、とADBの気候変動計画の長であるデヴィッド・マッカウリーは語る。最も危険にさらされているのは、メコンのすぐ北にあるサイゴン川にあるホーチミンシティだ。その町は630万の人口を持ちさらに成長中でヴェトナム経済の1/4を占めている。ADBはもしその町の防御が抜本的に改善されなければ災害がやってくると予想する。2050年を予想して、それは、極端な洪水の場合、その町の70%が影響を受けると警告する。
 
遅ればせながら、その市役所は堤防などの様々な洪水防御策に注目している。フィリピンの首都のマニラも、同じことをしている。しかし専門家は、物理的な洪水防御策は今までうまくいっただけだということに合意している。同じように重要なのは、都市や産業の拡大を制限したり他の場所に移したりする意思だ。ホーチミンシティでは、ADBの立案者たちは「都市化が、過去20年間にわたって、温度、降雨、そして洪水の増加に重要な貢献をしている」と論ずる。洪水原をコンクリートで固めるというのは役に立たない。政府は、スラムに住む移民を含んだ住民や事業にそれほど脆弱ではない地域に住むことをより奨励することができるだろう。
 
これは、短期的には経済成長を犠牲にするかもしれない地域区分と都市計画の変化を必要とするだろう。しかし、タイの去年の経験は、何もしないことのより大きな費用を例証している。バンコクのすぐ北にある巨大な産業団地は、まさにそこに洪水が定期的にくるのでかつては米がかなり作られていた土地の上にあるのだ。工場は洪水で水浸しになった。結果として、2011年の終わりにタイは1997-98のアジア金融危機以来最大の四半期GDPの縮小(年率換算9%)に苦しんだ。
 
今では高地に動くことを熟考している会社もある。それは追加費用を発生させるが、次の時に備えることができる。タイの政府は緊急にその政策も見直している。もしそれがその地域の他の脆弱な町に同じことをするよう駆り立てるのならば、悪いことではなかろう。
 
 
発行日: 
2012-03-17
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