製図版に戻れ

デザイン会社は彼らの技能をヴォランティアや公共部門のために応用している

その事務所はスターバックスとユースクラブとの間の十字路のように見える。自転車は棚に高く積み上げられている。角には卓球台がある。若者たちが長い松のベンチに座り、コーヒーをすすり、ラップトップを読みふけっており、男たちはひげ伸ばし競争に参加しているように見える。しかし、くつろいだ雰囲気に騙されてはいけない。これは、世界で最も成功したデザインコンサルタント会社の一つIDEOのロンドン支社なのだ。それがシリコンヴァレーで1991年に創業された時、その創業者の一人デヴィッド・ケリーは、学校のバスに入ることのできる人より多くを雇いたいとは思わなかった。いま、IDEOは600人以上の従業員を持ち、8つの国に事務所を持っている。

その会社は、アップルの初代マウスやパームVの手のひらサイズの電子端末を設計することによって、その名前をなした。それは、触ることのできるものを設計し続けている。例えば、缶から飲むのをよりグラスから飲むようにすることを意図したサミュエル・アダムズ醸造所のための、より広い蓋を持った新しいビール缶だ。より最近には、それは、製品設計から、今ではその会社の仕事の大きな部分を提供している再設計サーヴィスに動いている。その技能には、会社をより効率的で利用者にやさしくするだろう新たな過程を探っている西ヨーロッパで、多くの需要がある。例えば、IDEOは、まじめな保険会社が金融サーヴィスを若い「X世代」の顧客によりうまく売るのを助けるために、スイス生命とともに働いている。

リエンジニアリングサーヴィスの中でIDEOの仕事の増加する割合を占めているのは、NGOと政府だ。オックスファムは、その中核商品である寄贈を再設計するために、その会社を使った。シンガポールは、労働許可の申請処理のためのそのシステムの改良を、そこに頼んだ。しばしば、それは正確には、充填の簡単な形を作り、家庭の中のそれぞれの段階をよりきれいに、そしてよりエラーを起こさないようにするなどの、ロケット科学ではない。しかし、(インドのものは言うまでもなく)今までに合衆国のヴィザを申請したことのあるものだったら誰でも知っているように、政府はその過程を設計し顧客に仕えるのに、驚くほど下手になりうる。

IDEOの「設計思想」には三つの主要な要素がある。一つ目は、「たくさんの異なった目」だ。それは、技術者や設計者と同様に、外科医や人類学者のように、広く異なった背景から人々を雇い、学際的なチームの中に一緒にする。二つ目は、顧客の視点から問題を見ることだ。例えば、患者に日々の錠剤摂取の繰り返しについて、そして彼らがそれらについてどう感じているかの詳細なインタヴューを行うのだ。IDEOは、より有益な結果をもたらすという推定をして、医学的な養生法を要求したり錠剤の摂取を定期的に忘れたりする典型的な顧客ではなく、外れ値に焦点を当てることを好む。

三つ目の要素は、すべてを触れられるようにすることだ。その会社は、いかに人々がそれらに「野生の中で」反応するかを見るために、その製品と過程の実物大模型を作る。新しく流行のクラーケンウェルにあるそのロンドン事務所は、旧式の木の作業室と新しく変わった3Dプリンターを含む。「手で考え」「速い試作品化」の多くの話がある。

後者の良い例は、オックスファムへのその会社の仕事だ。英国政府は、2006年に寄贈品への税控除を導入した時、その慈善団体に挑戦を贈った。いかに人々に面倒な税の様式を埋めるためにチャリティショップに物をおとすことを説得するか、と言うことだ。IDEOは、オックスファムの店の実寸模型を作り、寄贈者が1度だけ登録しタグを与えられれば、何の騒ぎもなく後に続く寄贈をおとすことのできる、「バッグにタグをつけよう」と呼ばれる単純な過程に到着した。オックスファムは、その制度が年に280万ポンドの追加収入を生み出していると説明する。それはまた、その慈善団体に評価できないほどの新たな資源を供給している。その店に物を寄贈した50万人の登録者だ。

IDEOはより広い革命の標準を運んでいる。設計者は、設計思想についてはるかに野心的、たぶん帝国主義的に、なっている。合衆国では、2006年にケリー氏が創設したスタンフォード大学のデザイン研究所、またはD-スクールが、その運動の知的中心としての活動をしている。その学校は、事業が革新を改善し、複雑性を減らす助けをしている。それはまた、学生がその技能を、未熟児のための高くない保育器の設計と言った、社会的問題を解決するために応用することを奨励している。英国ではデザイン評議会と王立芸術協会もまた、設計思想の強い提唱者だ。
 

生活のための設計

公共部門機関もまた、サーヴィスの再設計が、限られた資源とますます多様な人々からの増加する需要の二つの圧力に対処する役に立つだろうと望んでいる。デザイン評議会は、英国の地方当局の80%が、過去数年間でそのサーヴィスを再設計していると計算する。英国の国民保健サーヴィスはいま、医療の届けられ方について患者と職員が一緒になって考え直す「経験に基づいた設計」と呼ばれるものを展開している、革新改善研究所を持っている。IDEOとデザイン評議会の両方が、いかに設計を公的政策に応用しうるかについてのセミナーをダウニングストリートで行っている。

このすべてを、(もし政治的右派ならば)毛の生えた無意味さや、(左派ならば)重要なサーヴィス削減から注意をそらすための策略だとあざけることは簡単だ。そしてまた、設計思想者が他の人がしたがうようモデルを提唱する時、他のタイプのコンサルタントと同じくらい事故を起こしがちだというのも本当だ。IDEOの社長ティム・ブラウンによる2009年の本は、どちらも今、とても称賛できるように見えないヒューレット=パッカードとノキアに惜しみない称賛を与えている。にもかかわらず、その新たな流行に機会を与える良い理由がある。先進国の福祉国家は、省庁内の人たちがもっともよく知っているとほとんどの人が受け入れた、より同質で恭しい社会のために設計された。今、大衆は正当により良いものを期待しているが、政府は絶え間なく彼らの要求に従うことに失敗している。公的機関が自身であまりに少なくしか良い考えを生み出していないので、少しの部外者の助けは試してみる価値がありそうだ。
 

発行日: 
2013-07-06
雑誌名: 
記事区分: 
主地域: 
主カテゴリー: 
キーワード: 
0
まだ投票はありません

コメント

コメントを追加