塊からラガーへ - アフリカのビール

大陸の渇きをいやす競争

統計はめったにアフリカには当てはまらない。ビール消費を見てみる。平均的なアフリカ人は商業的に生産されたビールを年にたった8リットルしか飲ん でいない。平均的なアメリカ人にがぶ飲みされる70リットルかそこらに比べれば、アフリカ人は白けたやつらの群れのように聞こえるかもしれない。しかしそ うではない。

アフリカ人は、ソルガム、キビ、そして多かれ少なかれ何かしら発酵性のものから作った自家製の酒をかなりの量ごくごく飲んでいる。ロンドンに上場しているビールメーカーのSABミラーによる調査では、量で測ると、アフリカの自家醸造市場は公式の市場の4倍の規模だという。

醸造会社は、アフリカの急速に成長する中産階級がより高級なものに乗り換えたいと思っていると予想している。自家醸造は素晴らしいかもしれないが、 それはかなりばらつきがある。時に塊があったり封がされていないものもある。37のアフリカ諸国で営業しているSABミラーは、常においしいソルガムや キャッサヴァのビールで自家醸造愛好者を説得しようとしている。それらは主流のラガーよりも少し甘くてコクがあり、(課税されていない自家醸造よりは依然 としてはるかに高いが)値段は1/3安い。2002年に発売されウガンダで醸造されている、世界初の透明ソルガムラガーであるSABミラーのイーグルは、 すでに東アフリカで最も売れているビールの一つだ。モザンビークで醸造されている世界初の商業生産されたキャッサヴァビールのSABミラーのインパラは、 4か月前に発売された後、すでに供給が追い付いていない。

(もともとは南アフリカの醸造業者だった)SABは、ヨハネスブルグ周辺の金探鉱者たちの渇きをいやすために1895年に設立された。今では世界的 な企業だが、それは投資をアフリカに注いでいる。12月にオーストラリアのフォスターズを買収する前に、(南アフリカを除いた)アフリカは、ソフトドリン クや瓶を含んだSABミラーの売上のたった12%を占めているに過ぎなかった。しかし、アフリカは、過去4年間で17.5億ドルに上ったほとんどがビール であるそのグループの総投資のほぼ1/3をひきつけた。そのグループの、南アフリカを除いたその大陸のラガー収入は、二ケタの伸びを示している。

そのフランスの合弁パートナー、キャッスルとともに、SABミラーは、ほぼ独占している南アフリカ市場を含めて、量においてその大陸の60%の商業 市場を占めている。しかし、豊かな世界でのビール売り上げの頭打ちか減少を埋め合わせるために成長市場を探しているほかの世界的ビール業者も、アフリカで の拡大に熱心だ。ナイジェリアですでに最大のビール業者になっているハイネケンは、政府によって売りに出されていた2つのエチオピア醸造業者に、相当な額 である1.63億ドルを最近支払った。ケニアの大手、ディアジオをふくめ、その4つのビール業者がアフリカ市場のほぼ80%を占めている。

今のところ、豊かな市場ほどの利益率はない。しかし、所得が上がるにつれて事態は改善して当然だ。量で見た売り上げは10年で倍増し1,000万 リットルを超えており、今後50年で50%増えるかもしれない、と銀行のモルガン・スタンレーは計算する。主な隘路は生産能力のようだ。SABミラーの 17のアフリカの醸造工場のほとんどは、ほぼフル操業している。

SABミラーのアフリカでの経験は役に立つ。それは伝統的なアフリカビールの飲んべえだけではなく、別の急成長ビジネスであるノンアルコールモルト 飲料の愛好者も説得する。これはブランドを宣伝し、人々に自家醸造から大量生産ビール、そして最後には高級ブランドに乗り換えるよう勧める。

ビール会社のセクシーな広告はアルコール漬けを促進するとやきもきするものもいる。SABミラーの社長のグラハム・マッカイは、そのような批判を一 蹴する。彼の会社は「良きことへの推進力」だと彼は語る。それは多数の職を作り、農民に安定的な所得を提供し、そしていくつかの国では最大の納税者になっ ている。それはまた、少しの余分な金を持ち始めたばかりの多くの人々がいる大陸で、冷たい飲み物も売っている。それは悪い戦略ではない。
 

発行日: 
2012-03-31
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