ビットコイン・バブル - デジタル通貨

それは過大評価されているように見えるが、たとえこのデジタル通貨が崩壊しても、他のものが後に続くだろう

ビットコインが盛り上がっている。中央銀行ではなく、自発的参加者のコンピューターネットワーク上で走る暗号ソフトウェアによって存在するようになるデジタル通貨に、投資家たちはのめりこんでいる。今週、ビットコインの価格は、1月に15ドル以下だったものが1,000ドル以上に上がった。

リバタリアン、金本位制主義者、薬物取引業者に長い間好まれて、ビットコインはいくらかの驚くべき新たな愛好者を惹きつけている。ドイツはそれを「口座の単位」として認識している。連邦準備銀行議長のベン・バーナンキは、仮想通貨についての上院委員会に、その考えが「長期的な見通しを持つかもしれない」と語った。ビットコインでの支払いを受け付ける店や企業は少数だが増えている。仲介業者なしに利用者間で直接資金のやり取りができるのでそれを好むものもいる。匿名の資金移動の潜在性や、ビットコインの流通量に固定上限があり、そのために中央銀行が流通量を増やすことによってその価値を膨らませるようなやり方ができないという事実に惹きつけられる人もいる。

しかし、中国人投資家が海外に資金を隠すことに主導された最近の価格上昇は、古典的なバブルのようだ。買いだめは、ビットコインが現在通貨よりも投機的な資産であることを意味する。そして、崩壊だけがビットコインの利用者が直面するリスクではない。価格が上昇するにつれ、ビットコイン泥棒が、個人からとそのコインを貯めほかの通貨に変えるオンラインの交換所の両方からで、増えている。ヨーロッパの交換所BIPSから、最近約100万ドルのビットコインが盗まれた。中国のビットコイン交換所GBLは、410万ドル相当の預金を抱えたまま、10月に突然消滅した。

そのシステム自身ぴんと張り詰めている。新しいビットコインの「採掘」の副作用を持つ、その取引確認制度によって消費される計算能力の量は、急速に発展している。それはいま、世界の最速500台のスーパーコンピューターが合わさったものをはるかに超えている。同時に、ビットコインの取引の記録と処理、そしてそれらを確認した人々に補償する手法は、手に負えなくなっている。ビットコインのプロトコルを調節することは、しかしながら、そのソフトを維持管理している参加者間で必要な変化について合意に至り、何か間違いが起こる前にビットコインのコミュニティがそれらを採用することが必要だ。

ビットコインについての興奮とその制限についての懸念は、多くの他の暗号通貨や代替硬貨の出現を促進している。例えば、ライトコインはビットコインの流通量上限を維持しているが、より早い取引を提供し、採掘者間での計算能力競争を妨げることを意図している。そして、ビットコインが2010年に消え去った謎の人物中本哲史によって作りだされた一方で、ライトコインの創作者チャールズ・リーは、何も身分を隠していない。ピアコインは流通量上限がなく、1%の既定インフレがあり、よりエネルギー効率的な採掘過程を持っているが、ビットコインのように創作者は知られていない。アノンコインとゼロコインは、一方、ビットコインにはない完全な匿名性を目指している。といった具合だ。
 

昔この曲を聴いたことがある

それから、ビットコインは、新しい分野での、単に最初で、今のところもっともよく知られた例にすぎない。多くの点で、それは、インターネット利用者がその気になればほとんどどんな曲でも呼び出すことができるようにして、1999年に音楽産業をひっくり返したファイル共有サーヴィスの開拓者ナップスターと同質だ。ナップスターはビットコインとは違って違法だったが、それが提供したものへの巨大な需要があることを証明し、多くの他のサーヴィスが後を追って生まれるのを促した。ナップスターがビットトレント、iTunes、そしてスポッティファイへの道を開いたように、ビットコインはデジタル通貨への革新の盛り上がりの引き金を引いている。

だから、代替硬貨を咲き乱れさせよう。いまのところ、その価格が1年で60倍に上がった資産を所有するほどに幸運だったり賢かったりしたら、それは売るべき時かもしれない。

 

The Economist誌 2013年11月30日Leaders欄より

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2013-11-30
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