隠された一面 - ビットコインの将来

いかにしてその暗号通貨はカネにおけるインターネットになりえたのか

父親はその子供の葬式に間に合った。もし最近の報道を信じるのならば、それがビットコインの地での哀れな状態のようだろう。3月6日にニューズウィーク誌は、ビットコインの隠遁中の創造者であるサトシ・ナカモトを見つけ出したと報じた。そして3月11日に、現在の価格で4.9億ドル相当の顧客のビットコインを失うまでその通貨の取引を長く支配していた日本のオンライン取引所のMt Goxは、今度はアメリカで再び破産により財産保全された。

実際には、事態は少し違っている。ニューズウィーク誌がビットコインの父だとしたドリアン・サトシ・ナカモトはそのサトシではないとの証拠が増えている。より重要なことに、ビットコインの最善の日々は、完全に一人前の通貨としてではないにしても、今度は金融革新のプラットフォームとして、依然として先にあるかもしれない。インターネットがデジタルサーヴィスの基礎であるように、ビットコインの裏にある技術は、人々が所有し支払うための方法の革命を助けうる。見れば新しいプラットフォームかどうかわかるますます増えるヴェンチャーキャピタリストを含んだ、すべての種類のオタクたちは興奮している。

この現代通貨への熱狂を理解するために、とても古いものについて考えることが役に立つ。20世紀初めまで、太平洋の島であるヤップ島の人々は、娘の持参金のような大きな支出のための資金として、大きな石の円盤を使った。それはとても重いので、使った時にめったに動かされない。代わりに、それらは単に所有者を変えるのだ。すべての取引は所有権の口述歴史の一部となり、それにより島の人々はそれぞれの石の所有者を知り、同じ石を2度使うことを難しくする。

ビットコインもまた取引された時に動き回ることはしない。それらは、流通中のすべてのビットコインの取引履歴を含む「ブロックチェーン」という巨大な帳簿への入力として理解するのがもっともよい。それは、暗号と、多数のコンピューターの地球規模のネットワークによって提供される豊富な計算能力の助けで、日々更新される。再び、開放性がそのシステムを安全に保つ役に立つ。ブロックチェーンは公開されているので、すべての参加者はある取引が正当な所有者から来たものかどうかチェックできるのだ。

この構成は、デジタル領域により付きまとう問題の一つへの最初の機能する解決法だ。ものが複製されたり複数回使われることがないことを確認しながら、仲介者なしで、ある人から別の人へ価値のあるものをいかにして移転するのか、ということだ。そしてビットコインは、(外部者から自身を守ることによる安全性を狙う伝統的な支払い機構とは違って)開放的でありながらこれをする。これは、インターネットがそうであるように、第3者が誰の許可もなくビットコインの特徴を利用できることを意味する。

そのような、用語でいうところの「許可なしの革新」は、やがては豊富な応用につながってしかるべきだ。ビットコインの技術は、ほかの通貨やいかなる種類の金融資産の両方での所有権移転に使われうる。これは、ひいては資産所有者が直接取引できる分権的な交換の創造を許すだろう。そして、カネは条件付きで「プログラム」されうる。例えば、第3者が同意した時にのみ発行される、といった具合だ。

例えば車のような機器の所有権がビットコインまたはその小さなかけらによって表示されてほしいと思っている人もいる。車はビットコインの符合を含んだ鍵が入れられた時のみ動くだろう。これは、所有権管理と物理的資産への接続をより簡単にするだろう。その符合は売られたり一時的に貸し出されたりでき、柔軟なP2Pでの自動車貸出の枠組みを可能にする。そのような「スマート所有」は、ブロックチェーンを物理的資産所有権についての地球規模の登記所に変えるだろう。

そのすべてはSFのように聞こえるかもしれないが、ますます増加する新興企業がそのような応用を市場に持ち込もうとしている。カラード・コインズとマスターコインは間もなく、株式や債券を含んだほかの金融資産の取引を可能にするソフトを発表する。もっとも野心的な計画はイーサーレウムだ。それは、金融手段やほかの契約をコード化するプログラム言語で、ビットコインに似ているが関連していない、新たなブロックチェーンを立ち上げるのだ。

銀行はビットコインの決済をほとんど通貨として取り扱うが、彼らもまた、いかにしてその技術を他のやり方で使うことができるかを探り始めている。彼らは早く動きそうにはないが、たくさんの可能性がある。地球規模の銀行は、例えば、ビットコインのような制度を子会社間での資金移動に使うことができる。彼らは独自の暗号通貨を発行することすらできるのだ。

しかし、ビットコインをプラットフォームにすることはリスクを伴う。新たな応用がオンラインに現れるにつれ、そのネットワークの1日当たりの最大取引能力の上限である30万件に達するだろうことに不満を言うオタクたちもいる。別の心配は、すでに去年1年でサイズが3倍の15ギガバイトになっているブロックチェーンが成長し続けるにつれ、それを貯める参加者が少なくなるだろう、ということだ。

しかし、もし歴史が何らかの示唆を与えるのならば、ブロックチェーンは大丈夫だ。20年前、ウェブブラウザが発明されて何百万人がオンラインに参入した時、専門家はインターネットの崩壊を予言した。技術が繰り返しその日が来るのを救った。そしてもしビットコインが壊れても、他の似たような制度がその地位につきそうだ。
 

発行日: 
2014-03-15
雑誌名: 
記事区分: 
主地域: 
主カテゴリー: 
キーワード: 
関連国名: 
0
まだ投票はありません

コメント

コメントを追加