壊れたリンク - 日本と世界的供給網

日本の災害による世界中の製造業の混乱は、どのように生産を管理するかということを考え直すのを強いることになるだろう
 
去年のアイスランドの火山灰はヨーロッパ中の航空網を混乱させ、世界の製造供給網に低在庫・ジャストインタイム時代の到来以来の最大の試練となった。今、日本の四重苦、地震・津波・核警報・電力不足は、供給網にさらに大きな圧力をかけている。大きな地震の三週間後、混乱の範囲と予想される継続期間はまだはっきりしない。
 
今製造業が直面している衝撃と、2008年の金融危機で銀行システムを揺さぶった衝撃との間にはいくらかの啓発的な類似点がある。どちらの場合も、最も大きな二つの驚きは、危機が暴露した予期しない関係性と、影響の範囲である。問題は、システム上の見かけ上は良く封じ込められた部分から始まった。金融問題ではサブプライムローンから、製造業の場合では経済的後進地帯の自然災害から-しかしすばやく広がった。
 
銀行が経験したような突然の流動性の消滅のように、工場はいつも確実に現れる部品がこなくなるということがわかった。金融規制当局が、自分たちがどれほど「シャドウ・バンキング」システムとわかりにくいデリヴァティヴ契約についてよく理解していなかったかを発見したように、製造業者はどれほど自分たちが供給者の供給者、そしてさらにチェーンの先について知らなかったかを理解した。リーマンが破綻したとき、他の銀行は自分たちがどれほどの経済的危機的状況にあるのかを測るのに苦闘した。なぜなら、リーマンは一つの組織ではなく、多くの存在と絡まったものだったからだ。組立工場は今、彼らの供給網がそれとほぼ変わらないことを発見した。
 
いくつかの金融機関が「大きすぎて潰せない」ことが証明されたように、いくつかの日本の供給者は無しでは済ませられないと明らかになった。例えば、三菱ガス化学と日立化成の二つの会社は、スマートフォンや他の装置に入っているマイクロチップの部品をくっつけるのに使われる特別な樹脂の市場のおよそ90%を支配している。どちらの会社の工場も被害を受けた。アップルのiPodに入っているコンパクトバッテリーは、70%のシェアを持ち、工場が被害を受けたクレハのポリマーに頼っている。
 
世界中の製造業者は今、希少な部品や素材の供給を確保するために競走して値段を上げている。日本とアメリカの車メーカーは生産を縮小しなければならなくなっている。トヨタは500種類のゴム、合成樹脂、そして電子部品の不足を恐れている。現存する在庫が尽きたとき、どれほど状況が悪くなるかはまだはっきりしない。日本の供給者も生産が軌道に戻るのにどれほどかかるのかわかっていない。たくさんの、いくつかは生産を止めるのに十分な大きさの余震が、本震以来続いている。とても大きな原子力発電所の喪失と他の緊急停止を受けて電力不足は数年間続くかもしれない。
 
混乱の程度がはっきりするより前ですら、日本の災害は製造業者がどのように操業を管理するかということについて永続的な衝撃を与えるようだ、と今週東京にいたボストンコンサルティンググループのボスのハンス-ポール・ビュークナーは語った。「極端な場合を想定するのがとても重要になった。いくらかの緩衝部分を持つことが必要だ」
 
過去10年かそこら前から、在庫を減らすためにぎりぎりのところで部品を届けさせるジャストインタイムの概念は世界的製造業網に広がった。HSBCのエコノミストは、このチェーンは混乱からの損害を抑えるためにジャストインケースシステムによって耐久力を付ける必要があるかもしれない、と語る。
 
例えば、きわめて重要な部品や素材をほぼ独占している供給者はその生産能力を地理的に広げるよう圧力をかけられるかもしれない。顧客は予防策として一部の注文を小さい競合者に代えるかもしれない。産業機械で使われている「線形動作誘導装置(?)」の10%のシェアを持つ台湾のHiwin社が、その55%のシェアを持つ電力危機に見舞われている日本のTHKから顧客を奪うかもしれないと、株式仲介業のCLSAは示唆している。
 
組立工場は部品の在庫を保つために以前と同じような金融の圧力にさらされるだろう。新しい成長産業がこの危機から生まれるかもしれない。すなわち、必要な在庫を製造業者のために管理維持する産業だ。
 
産業会社は何年間もその生産技術を無駄を省くように組んできて、その過程の中で、自分たち自身を供給危機といったものに対して脆弱にしてきた。これは、今、部分的にしろ翻さなければならないだろう。効率化による利益を諦めて、より強くならなければならない。一つの慰めは「無しでは済ませられない」供給者は、「大きすぎて潰せない」銀行の難問よりも簡単に解決できるように見えることだ。
 
 
発行日: 
2011-04-02
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