北京はヨーロッパシフトを目指す - 中国の中東欧投資

EUの新しい加盟国に言い寄ることは賢い投資だと証明するかもしれない

中東欧への中国の投資は、その他の新興市場へのものよりもずっと遅れていた。しかし、去年、北京は機会に目覚め始めたように見える。

ここ数か月で、中国は普通ではない「農産物融資」契約をウクライナと合意しており、その下ではキエフはメイズ供給の代わりに30億ドルの与信限度を受け取る。

今年、北ブルガリアのロヴェチのそばのバホヴィツァでEUでの最初の中国の自動車工場である長城自動車会社の工場で生産が始まった。それは、その地域でのより広い中国の自動車投資への道を切り開きうる試験計画だと広くみなされている。同月、中国は、リュウゴン機械が道路機械メーカーのフタ・スタロワ・ウォラを約1億ドルで買収することにより、ポーランドでこれまで最大の投資を完了した。

4月に中国首相の温家宝は、北京の求めで開催され、300人の中国人事業家を引き連れた、ワルシャワでの投資フォーラムの呼び物だった。14人ものその地域の首相と会い、温氏は、東ヨーロッパの社会資本と技術への合弁投資計画に100億ドルの特別与信限度枠と5億ドルの投資協力基金を発表した。

そのすべての活動は、その投資がこれまでかなり断片的だった地域へ、中国がより戦略的に接近していることを示唆する。それは、ポーランドでのサムスンやLG、そしてスロヴァキアでの起亜といった韓国の事業の例に従っている。

彼らは中東欧の低税率環境、よく訓練されその賃金が西ヨーロッパよりもかなり低い労働力、そしてそのEU統一市場への直接のアクセスに引き寄せられている。

パリのアジアセンターの戦略部長で欧州外交評議会の上級フェローであるフランソワ・ゴデマンは、そこには政治的要素もあると示唆する。中国は、ヨーロッパの「中核」に移る前に「辺境」に先に入り込む戦略で、その西ヨーロッパへの投資への疑念や反対に反論することを狙っているというのだ。「これがいかにしてその強面の対話者を柔らかくするかだ。」彼は語る。「彼らの周りの国にいずれにしても存在するだろうということを示すのだ。」

中東欧諸国は、一方、彼らがかつて北京に対して抱いていた疑念を克服しているようだ。それは、今では西ヨーロッパからの投融資を獲得するのが難しくなっているので、3.2兆ドルの外貨準備を持っている中国が重要な潜在的資本源であるという事実と結びついているかもしれない。

ウクライナは、その中国との農業契約が投資を押し上げるだけではなく、巨大市場へのアクセスを開くということも望んでいる。

ウクライナの首相ミコラ・アザロフは本誌に北京との農産物融資の後にほかのものが続きそうだと語った。「我々は中国ととても良い関係を築いている。」彼は語る。「訪問があり、最も高レヴェルでの訪問があるだろう。そして我々は、石炭産業の近代化やエネルギーでの中国の参加についてのいくつかの合意に達した。そのうえ、投資面で全範囲に及ぶ計画がある。」

だが、中国は中東欧諸国での拡大努力で障害に直面しているかもしれない。その建設会社の一つコヴェックは、ユーロ2012サッカー選手権の旗艦計画であるワルシャワとベルリンをつなげる50キロの主要高速道路を建設する契約を勝ち取った。

しかし、コヴェックは、入札費用内でそれを完成することができず、道路の一部が未完成のままその契約から引き揚げて、怒りを買った。それはほかの公的契約への中国人の入札努力を複雑にするかもしれない。EU貿易担当委員のカレル・デ=ヒュフトからの、もしヨーロッパがその公的購入市場を中国などの国に開放するとき、彼らから相互主義を要求するという法案もそうかもしれない。

ゴドマン氏は、中国がEUの新加盟国に言い寄っているのは、この相互主義の問題でEUの足並みを乱す試みかもしれないと示唆する。コヴェックは別として、多くの中東欧諸国は中国が魅力的な条件で社会資本計画に入札するのを幸せに感じていると彼は示唆する。

「たとえばポーランドは、中国から何の利益も得ないので、相互主義に何の関心も持っていないことは明らかだ。」彼は語る。

しかし、彼らが中国の大きな公的購入計画へ入札する準備ができていないかもしれない一方で、中東欧諸国が北京とより良い関係を打ち立てる重要な動機づけは、彼らの輸出品への機会を開くことだ。中国の中東欧への輸入品は逆方向の輸出品をだいたい10対1の割合で上回っている。

温氏は、ワルシャワの首脳会談で16の中東欧諸国と中国との貿易を530億ドルから1,000億ドルへほぼ倍増させる目標を立て、北京が貿易不均衡を減らすために輸入を増やす準備ができていると付け加えた。

「中国との関係改善の大きな動機付けは、投資の見通しだ。しかしまた、ポーランドのような国には、彼らの会社が依然として中国市場で直接的なアクターではないという認識もある。」ゴドマン氏は語る。
 

発行日: 
2012-11-09
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