上る中国、沈むロシア - 中央アジアでの中国

広大な地域で、中国の経済的影響力はロシアのものに対抗する以上のものだ

ほんの10年にもならない前には、中央アジアの新しく独立した国々がどこにその石油とガスの大きな供給を送り出さなければならないかについてほとんど疑いは持ち上がらなかった。その元宗主国のロシアが彼らのエネルギー社会資本と市場を独占していたのだ。しかし、新たな分野が流れに乗っている今では、そのパイプラインは東の中国に向かう。まるでその点を強調するかのように、今週中国の国家主席習近平は中央アジアを席巻し、エネルギー契約を食い尽くし、何十億ドルもの投資を約束した。彼の外遊はその地域の新たな経済超大国について何の疑いも残さなかった。

すでに中国の最大の天然ガスの輸入元であるトルクメニスタンでは、習氏は世界で二番目に大きなガス田ガルキニシュの生産を始めた。それは、その国からの中国の輸入を3倍にする役に立つだろう。カザフスタンでは、ここ数十年で世界最大の石油の発見であるカシャガンの権益を含んだ300億ドルの契約が発表された。ウズベキスタンでは習氏とホストのイスラム・カリモフ大統領が、この不透明な国では詳細はほとんど発表されなかったが、150億ドルの石油、ガス、そしてウランの契約を発表した。

中国はその地域の5か国のうち4か国の最大の貿易相手だ(ウズベキスタンが例外)。習氏の外遊中に、中国の国営メディアは、中央アジアとの貿易量が去年460億ドルを超え、20年前にその国々が旧ソ連から独立して以来100倍になったと報じた。どちらの側もこのようには言っていないが、中国の存在感の増加は明らかにロシアの犠牲のもとに来ている。ロシアは依然として中央アジアのエネルギー輸出の多数を支配しているが、その地域におけるその相対的な経済影響力は減っている。何百万人もの移民労働者以外には。何年間も、ロシアは、その地域からソヴィエト時代のパイプラインを使って市場価格以下で石油とガスを買うことを主張する一方でそれに利益をつけて再輸出し、その地域を排他的な属州扱いしている。その行為がどちらも巨大なエネルギー埋蔵を持つカザフスタンとトルクメニスタンを中国側に走らせるのを助けた。

しかし、ロシアと中国はその二国間関係により乗っかっている。モスクワの政府はその東の隣国の経済力から利益を得ようとする一方で、北京の政策立案者はロシアを世界の舞台での重要な仲間だとみている(中国の序列の置き方を知ると、習氏が国家主席として最も最初に公的訪問したのはモスクワで、中央アジア訪問の間にサンクトペテルブルクでのG20サミットに行ったのは偶然ではない)。このすべては、二つの大国が、少なくとも今のところは、競争するのと同じくらい協力することを狙っていることを示唆する。モスクワの中国専門家ワシーリ・コーシンは、中央アジア諸国にとって、ロシアは「彼らがこの競争関係から最善の取引を得ようとする」ことを受け入れている、と語る。

中央アジアの安全保障問題のことになると、おおやけには中国は依然としてロシアに従う。どちらもNATOがアフガニスタンから引き揚げることに慎重なようだ。中国の主要な懸念は、ウイグル分離主義者と中央アジアのその同調者による脅威だ。そして、安全保障問題でも、中国の影響力は増大している。本誌が印刷された時点で、習氏はキルギスの首都ビシュケクで、中国が設立を助けた上海協力機構の年次サミットに出席することを期待した。主要な狙いは、「三つの悪の力」であるテロリズム、過激派、そして分離主義に立ち向かうことだ。

おそらく、中国の中央アジアへの投資は、中国の最西端の省でウイグル人の故郷である新疆と2,800キロの国境を接する地域で、生活水準引いては安定性を改善することによって、その目標を促進する。しかし、中国のソフトパワーは、それが相手にするのが苦手な獣である憤慨によって侵されている。中国の業者が中央アジアにあふれ、道路やパイプラインを建設し、タジキスタンの首都ドゥシャンベでは政府の建物さえ立てている。残酷な皮肉は、職を探してロシアに去った何百万人もの失業者が失われたことではない。それは、政策立案者が失われたことだ、とシンクタンクの国際危機グループのディアドラ・タイナンは語る。「中央アジアの政府は、中国を豊かで意欲的な相手だとみているが、その点で中国人労働者と地元共同体との緊張を和らげることはほとんどなされていない。」彼女は警告する。

数年前、あるカザフの活動家が土地を中国に貸すという政府の計画に反対して、公然とパンダのおもちゃの首をはねた。しかし、地元の中国嫌いはバカげた態度を止めない。キルギスが10年前に中国に論争になっている地域を中国に割譲した時、それが引き起こしたデモは最後には大統領を退陣させた。より最近には、キルギスの中国人労働者がひどく殴られた。中央アジアは中国の家の中でまだ幸せではない。
 

発行日: 
2013-09-14
雑誌名: 
記事区分: 
主地域: 
主カテゴリー: 
キーワード: 
0
まだ投票はありません

コメント

コメントを追加