デフレ脱却のために - 消費税論議から考える(7)

ずいぶん消費税に対する風当たりが強くなってきたように感じるが、それも当然。デフレ下で消費に課税するなどというのはどう考えても理屈に合わな い。私のように消費税に完全に反対という立場はもちろんのこと、そうではない人でも、この状況下での消費税増税には納得がいかないのだろう。安心すると同 時に、ちょっと寂しい気もするので、少しだけ増税派に援護射撃をしてみようと思う。なお、これを書いたからといって私が増税派に転じたなどということは決 して無く、理屈として、どういう形ならばデフレ下の消費増税が多少なりとも筋が通るのか、ということを考察するに過ぎない。その上、書く内容ももうこれま でに書いてきたことを繰り返すだけで、何の新味もないことであることを先に記しておきたい。

まずは、「消費とは何か?」 で述べたように、ろくに消費というものを吟味することもなく、恣意的に消費の中身を決め、政策的にデフレを促進するのはどう考えても間違っている。本来な らば、デフレを緩和する方向で税制を決めるべきだと思うのだが、「消費税」の名の下でデフレを促進しない税というのを想像するのは難しい。それならば、貨 幣移動を伴ったものをすべて「消費」であると定義し、土地、金融資産、配当支払い、そして給与支払いに至るまで、すべての取引に「公平」に「消費税」を課 し、少なくともデフレ促進の状態だけはなくすべきだろう。そうすれば、少なくとも、一般的な商品購入に対するディスインセンティヴはなくなり、デフレを加 速する効果は多少なりとも薄れるだろう。

問題となるのは、おそらく給与に対して消費税を課税されることにより、実質的に給与削減となるので は、ということだろう。しかしながら、個人営業主 であっても課税取引1千万までは非課税なので、給与が1千万に満たない人は現状のままにすればよい。1千万を超える人は雇用契約を破棄して個人事業主扱い となり申告するか、簡易課税税率で天引きされるか、まあ好きにすればいいのだろう。役員給与については、「成功者には敬意を持って報いる社会を」 で述べたように、雇用契約から完全に解放し、一方で領収書のある取引をすべて損金として認めるようにすればよい。こうすることにより、高給を取っている人 たちのうち、能力のある人の自立を促し、一方でそれほどでもない人の昇給にある程度の自発的シーリングをかける効果が出るのではないだろうか?

さ らには、(雇用契約を残したまま簡易課税扱いを残した人は別としても)個人事業主となった人たちへの支払いは、当然のことながら仮払い消費税扱い とし、源泉徴収も廃止する。これは、政府側からいえば未収税金、納税者からいえば未払税金という形での信用拡大効果があり、金融政策を伴わない金融緩和効 果がある。インフレをコントロールするツールとしては、納付期限を延ばしたり縮めたりするという手もある。どうにもインフレになったら(それにそれほどの インフレ抑止効果があるとは思えないが)またそのときに企業に対する納付期限を縮めた上で源泉徴収を導入するなりなんなりすればよい。

公務員に関しては、「組織から自立した政策運営のために」 でのべたように、個人事業主扱いにして取引した方が、(経済的な面だけでいうのならば)合理的だろうと思う。現実的には民間と同じように、1千万未満はこ れまでと同じようにし、1千万以上については個人事業主にすればよいのでは、と思う。何を損金として認めるかはまあ内輪で決めていただければよいと思う が、厳しくすれば税金の増加の効果があり、緩くすれば景気拡大効果があるので、民間以上の優遇はあり得ないが、そうでなければ好きにしていただければ、と 思う。ここでも、見なしで納税させるよりも、仮払いにした方がデフレ抑止効果があるので、特に損金算入率が上がるのならば仮払いで処理すべきだろう。

こんな形で、ざっとデフレを加速しない形での消費税増税の可能性を探ってみた。とりあえずはここくらいまでは譲歩の可能性はあるが、それでも基本的には消費税には反対であると、くどいようだが付け加えておきたい。

 

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