量子の慰め - 暗号法

秘密通信の盗聴は、まさに難しくなろうとしている。

暗号法はアリスとボブそしてイヴの間の軍拡競争だ。これらは暗号作成者が、内密に通信しようとする二人の人々と、三つ目は彼らの会話を傍受し解読しようとする人に与える名前だ。現在、アリスとボブが少しだけ前を行っている。しかし、イヴも追いついている。アリスとボブは、それ故に、秘密を守るためのまったく新しい方法を探している。そして彼らは間もなく、量子機構のおかげで、それを手に入れるかもしれない。

現在、暗号法は買い得部分をできるだけ難しくすることに集中している。(その発明者たち、MITのロナルド・リベスト、アディ・シャミア、レオナルド・エーデルマンにちなんで)RSAとして知られるその産業標準は、公開と秘密の二つの鍵に頼っている。これらの鍵は、それぞれが同じ二つの素数の積から派生したとても大きな数だ。公開鍵を用いて、誰もが伝言を暗号化できるが、秘密鍵を持っている人だけがそれを解読できる。秘密鍵を見つけるためには、どの素数がその公開鍵から来たか見つけなければならない。素数を十分に大きくすれば(大きな素数を探すことは数学者の間でスポーツのようなものだ)、素数を明らかにするためにその公開鍵を因数分解することは、理論上は可能だけれども、実際にはあまりに長く(その制度が導入された1977年当時に利用できた素数で、約40クァドリリオン年)かかるだろう。

けれども、1970年代以来、その因数分解を行うコンピューターは、より大きく、より早くなっている。暗号作成者の中には、それ故に、RSAの将来について怖れるものもいる。だから、量子暗号法への興味があるのだ。
 

アリス、ボブ、そしてヴェルナーも?

量子鍵配送(QKD)として知られる、量子暗号法の最も発展した形は、解読を妨げるよりもむしろ、傍受を止めることによっている。再び、その鍵は巨大な数字で、十進法で表現されれば何百桁にもなる。アリスは、暗号化された伝言を送る前に、これをボブに一連の光子(光の粒子)として送る。イヴがこの転送を読み、故にその鍵を獲得するためには、彼女は幾つかの光子を破壊しなければならない。ボブは確かに失われた光子に気づくので、イヴは検知を避けるために同じものを作り出して送る必要がある。しかし、アリスとボブは(またはむしろ彼らの装置を作る技術者は)、その鍵が構成される0と1を暗号化するために、光子の極性のような、二つの異なった量子の性質を使って、それを止めることができる。ヴェルナー・ハイゼンベルクの不確定性原理によれば、これら二つの性質のうちたった一つしか計測できないので、イヴはエラーを起こさずにそれぞれの光子を再建することはできない。もしボブがそのようなエラーを検知すれば、彼はアリスに回線が安全になるまで実際の伝言を送らないよう言うことができる。

このやり方の提唱者の一つは、スイス企業のIDクォンティークだ。アメリカ企業のバテレと協力して、それはオハイオ州コロンバスのバテレの本社とワシントンD.C.の中と周りにあるその会社の施設との間に700キロの光ファイバーQKD回線を建設している。バテレはこれを自分自身の情報を守るために使い、そしてその回線は敏感なデータを動かしたいほかの会社にも使われるだろう。

オーストラリア企業のクィンテッセンスラブスは、暗号化にほかのやり方を持っている。光子の極性をいじくりまわす代わりに、それはそのフェーズと大きさを変える。けれども、その効果は同じだ。イヴは、盗聴するならば、自分自身の正体を明らかにすることが必要なのだ。この技術を使って、クィンテッセンスラブスは、NASAの無人科学的ミッションの多くを組織するカリフォルニアのパサデナのジェット推進研究所と、その機関のたくさんの科学的調査が行われているシリコンヴァレーのエイムズ研究センターとの間に560キロのQKD回線を建設している。

ロス・アラモス国立研究所のジェーン・ノードホルトによって組織された三つ目の計画は、いかにQKarDポケットに入る大きさのQKD転送器が、スマート電線網を管理するために公共のデータネットワークを使って送る信号を守ることができるかを示したところだ。スマート電線網は、電気がより効率的に分配されるように、需要と供給を均衡させる。これは、多くの異なった場所での電線の電圧、電流、そして周波数を絶え間なく監視することと、その結果を素早く管理センターに転送することが必要となる。しかしながら、その転送は、悪意のある誰かがシステムをダウンさせたいと思った時に、安全が守られる必要もある。

彼らの異なったやり方で、これらすべての計画は、野心的だ。けれども、すべては、光子を運ぶのに現地の固定回線に頼っている。他の研究者グループは、より地球規模に考えている。それをすることは、量子で守られたデータを衛星経由で送ることを意味する。

少なくとも三つのグループがこれについて働いている。カナダのウォータールーにある量子計算研究所のトーマス・ジェネウェインと彼のチーム、ウィーン大学のアントン・ゼーリンガーと中国科学技術大学潘建偉の共同研究、そしてシンガポールの量子技術研究所のアレックス・リンとアーサー・エカートだ。

ジェネウェイン博士の提案は、アリスが極性で暗号化された光子を衛星にビームで送ることだ。ひとたび彼女が鍵を打ち立てると、別の大陸にいるボブは、二つ目の鍵を作り出すために更に多くの光子をそれに送ることができるよう、その衛星が彼を通り過ぎるのを待つ。その衛星はそれからその鍵を混ぜ合わせ、二つ目の鍵を持っているので一つ目の鍵を解くことができるボブにその結果を転送する。アリスとボブは今、共通の鍵を持ち、だから彼らは今、(それほど知的に疲れない)普通の地上のネットワークで安全に通信することができる。ジェネウェイン博士は、今後12か月のどこかで、衛星ではなく飛行機を使って、その考えを試すことを計画している。

代替的だがより複雑な衛星法は、もつれた量子ペアを使うことだ。ゼーリンガー博士とリン博士のチームはどちらもこれを試している。

もつれは、たとえそれらが長い距離によって隔てられていても、すぐに光子をつなげる量子効果だ。一つの粒子を測れば、そのパートナーの状態がわかる。このようにして、アリスとボブは、衛星上で生成されたもつれた量子ペアでできた鍵を共有することができる。ゼーリンガー博士は、これを国際宇宙ステーションにあるQKD転送器で試したいと思っている。彼と彼のチームは、地上レヴェルで数年間もつれを実験している。2007年に、彼らはもつれた量子をカナリア諸島まで空気中を144キロ送った。リン博士の装置はもつれを衛星で試すが、光子を地球には送らない。

もしこの種のものが大規模にうまく行けば、それはアリスとボブを何年も前に保ってしかるべきだ。かわいそうなイヴについて言えば、自分が破れない量子の網の中にもつれていることを見つけるだろう。
 

発行日: 
2013-05-25
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