カネは語る - 通貨は抵抗する

ソーシャル・メディアとしてのカネの利用は何千年もさかのぼる

カネはメッセージを伝えるのによいメディアなのだろうか?最初、ロシアの反対派活動家で注目されるブロガーのアレクセイ・ナヴァルニイは懐疑的だった。しかしそれから、彼は計算した。もし5,000人のロシア人がそれぞれ100枚の紙幣にスタンプを押せば、それらは人から人に手渡されるので、すべての国民は少なくとも1枚のそれらの紙幣を手にするだろう。

イランの環境運動のメンバーは、その反政府デモの間に紙幣にスローガンを書いてこの戦術を使った。これは、汚された紙幣はもはや銀行に受け取られないという裁定を促した。同じように、オキュパイ運動の支持者は、ドル紙幣に所得不平等についてのスローガンとインフォグラフィックを付け加えた。そして、中国の法輪功運動のメンバーは、紙幣にメッセージを書いて政府の迫害を攻撃した。

それが手から手に渡されるときに言葉や画像を散布してカネをコミュニケーションメディアとして使うことは、古いものだ。紀元前7世紀にリディア(今はトルコの一部)で鋳造されたライオンの頭を描いたもっとも初期の硬貨は、王家の象徴として考えられた。のちの支配者はその名前と像を、様々な種類の象徴的な像とともに、硬貨に刻んだ。印刷以前の時代には、これはその人民に直接その像を反映するとても効果的なやり方だった。

しかし彼らの臣民はまた、最近リニューアルされたロンドンの大英博物館のカネの歴史の展示があらわすように、カネのメッセージを伝える力にも気づいていた。その中には、皇帝の頭の後ろにキリスト教の「chi-rho」の象徴が彫られた紀元215年のローマの硬貨、ピアーズ・ソープの宣伝を上から印字した1855年のフランスの硬貨、そしてエドワード7世の顔が婦人参政権論者によって「女性に投票権を」と刻印された1903年の英国のペニーが含まれる。紙幣にメッセージを刻印しようというナヴァルニイ氏のロシア人への訴えは、何世紀もの歴史のある考えの単なる最新の具体化にすぎない。それは、いまわれわれがソーシャル・メディアと呼ぶものの先駆的な例だったのだ。
 

発行日: 
2012-09-29
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