断片の蒸留 - 暗黒物質

宇宙の失われた85%の物質を探すことは、その源泉に迫っている

もしヒッグス粒子がつかみどころがないと考えたならば、暗黒物質の事例を考えるとよい。他の亜原子種を塊にするヒッグス粒子は1964年に予言されたが、去年になってやっと実際にとらえられた。けれども、その48年間の追跡は、暗黒物質の追跡に比べればそよ風だった。物理学者は、スイスの天文物理学者フリッツ・ツウィッキーが、見ることはできないがそれがなければ目に見える宇宙は回る時にバラバラに飛び散るだろう物質を表現するのにその言葉を作り出した1933年以来、それが存在しなければならないことを知っていた。欧州宇宙機関のプランク衛星からの最新の結果は、それが宇宙の全物質の中の85%を構成していると示唆する(だいたい80%という以前の推計から上がった)。

けれども、ヒッグス粒子のように、暗黒物質が構成される実際の粒子は、つかみどころがないとわかっている。ツウィッキーの観察の80年後、そしてのちの数十もの実験の後でも、それらはまだ検知されていないままだ。しかし、4月3日に、アルファ磁気分光計(AMS)と呼ばれる実験は、今までのところもっとも魅力的なヒントを提供した。

その努力を率いるノーベル賞受賞者のサミュエル・ティンは、発見を(ヨーロッパの、そして世界の主要な粒子物理学実験所)CERNで発表したが、それらはジュネーヴのはずれのフランスとスイスの間の田舎の下に隠れるCERN自身の加速器に根差したものではなかった。実際、AMSは国際宇宙ステーション(ISS)に乗っているので、それらは地球からのものでは全くなく、おそらくその1,000億ドルの装置が今までに名誉を与えたたった一つの科学的に有益な一式だ。

CERNのその地上にある仲間のように、AMSは充電された粒子の後を追うために、大きな磁石とセンサーの塊からできている。それらとは違って、それが後を追う粒子は、人類最大の粒子加速器大型ハドロン衝突型加速器(LHC)の中でものをくだいて一緒にした産物ではない。かわりに、AMSはすべての中で最も強力な加速器である宇宙それ自身を使う。
 

事実問題?

宇宙は空っぽのように見えるかもしれないが、それは実際には、天文物理学の過程の仕分けの中で生み出された粒子で騒然としており、宇宙線として集合的に知られる。暗黒物質探索者が特有の関心を持つ一つの過程は、ニュートラリーノと呼ばれる仮定の粒子を伴う。これらは、粒子物理学の本に君臨するルールである標準モデルから数学的に優美ではないいかさま要素を取り除いた理論である超対称性によって、粒子動物園の中の種の数を倍にすることによって、予言された。

ニュートラリーノは、数百の陽子に等しい質量(ヒッグスは対照的に約124の陽子の質量を持っている)の、予言された超対称性の奴だ。それらは光と相互に影響しあうことはなく、故に目に見えない。それらはまた、長い間空間にとどまるのに十分なほど安定している。つまり、暗黒物質が持っていると考えられる、まさにその種類の特性なのだ。物理学者を残念がらすことに、LHCからニュートラリーノを取り出す試みは失敗している。そしてもしそれが存在すれば、そして宇宙で暗黒物質の塊を構成すれば、それらはAMSが検知できる跡を残すべきだ。

二つのニュートラリーノがお互いにばったり出会った時、その理論が言うには、それらはどちらもなくなりその代わりに電子とその反物質に相当する陽電子を生み出して当然だ。アルベルト・アインシュタインが示したように、質量とエネルギーは一つで同じものであり、電子と陽電子は同じで反対なので、それぞれが一つのニュートラリーノが質量を持つのと同じだけのエネルギーを正確にもっている。AMSが探しているのは、これらの高エネルギー電子と陽電子なのだ。

問題は、陽電子よりも一般的に存在するほかの宇宙の素から、電子の背景に対してそれらを見分けることだ。これをするために、AMSはいかに陽電子の電子に対する割合がその粒子のエネルギーとともに変わるかを調べる。低エネルギーでは、他の素からの宇宙線電子が支配的だ。しかしながら、もし高エネルギー宇宙陽電子が本当に暗黒物質の消滅から主に来るのならば、「陽電子の破片」はエネルギーとともに上がり、ニュートリラリーノの質量に到達した時にピークになって当然だ。他の素の高エネルギー陽電子が存在することはほとんど予想できないだろう一方、活気に満ちた電子は豊富にあるので、そのピークを越えて、その破片は下がってしかるべきだ。

AMSがスペースシャトルエンデヴァ―によって2011年5月にISSに届けられてから18か月で、それは300億の宇宙線の通過を記録した。これらは、粒子物理学者が好んで使う難解な単位で、0.5から350ギガエレクトロンヴォルト(GEV)にわたるエネルギーを持っている640万の電子と40万の陽電子を含む。これらのデータは、陽電子の破片が、理論が予測するように、まったくエネルギーとともに上がることを示す。同じくらい重要なことに、AMSが地球を回る時にそれがたまたまどこを指そうと、同じ傾向を見ることができる。

これは、暗黒物質が宇宙全体に多かれ少なかれ均等にばらまかれているという概念とうまく合う。同時に、それはその粒子の他のありうる素を除外する。少なくとも1年半と言うように広く信じられた期間を越えない限りではそれほど統一的に分配されないだろう星の爆発のようなランダムに起こる宇宙的な事件のようなものだ。

運悪く、第三の可能性を除外するためにより多くのデータが必要とされる。それは、観察された粒子が、これらの星の爆発の残りであるパルサーによって作り出されたということだ。今のところ、AMSは、電子と陽電子について意味のある計算を引き出すための350GEVを越えたエネルギーを持つ、十分なそれらを見つけていない。もしパルサーに責任があるのならば、陽電子の破片はこの値を越えたエネルギーで徐々に減るべきだと理論は予測する。けれども、もしニュートラリーノに責任があるのならば、その質量に等しいエネルギーに相当したどこかの点で、陽電子の破片は崖から落ちるだろう。だいたい、ひとつの陽子の質量は1GEVに相当するので、これはすぐに起こるだろう。しかし、超対称性理論は、正確にニュートラリーノの質量がどうあるべきか保証しないので、そうではないかもしれない。「数百」の陽子は、1,000により近いと判明するかもしれない。それを試すために十分な高エネルギー電子と陽電子を集めることは、かなり長い時間がかかるだろう。

幸運なことに、AMSは長期間その中にある。それは、さらに20年かそこら続くよう設計されている。(現在計画されているように、維持するのが高くなりすぎるときに宇宙ステーションが放棄されないと推測すると)それは依然としてツウィッキーの発見の100年祭にデータを届けるかもしれない。しかしもしニュートラリーノが見つけるのにそれほど長くかかるのならば、ヒッグスの追跡は比較して本当に楽な仕事のように見えるだろう。
 

発行日: 
2013-04-06
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