歴史が洗い流された - デジタル・アーカイヴ

 

デジタルの時代は巨大な図書館を約束したが、それらは未完成のままだ
 
1086年に、ウィリアム征服王はイングランドとウェールズの包括的な調査を完了した。「土地台帳」と呼ばれるようになったものは、13,418の場所と112の市の詳細を含み、ロンドンの国立図書館で依然として公開閲覧できる。「土地台帳」の900周年に行われた新しい調査の原本はそうではない。その形式は今では時代遅れになっている。
 
デジタル時代は無限の記憶の約束をもたらした。増加する計算能力とディスク容量が費用の減少と一緒になって、デジタル製のものを永遠に貯めることができるようになると思われた。しかし、デジタルデータはしばしば驚くほど短命だ。「もし注意深くなければ、21世紀の初めよりも20世紀の初めのことの方がよく知るようになるだろう。」大英図書館のデジタル保存に責任を持つアダム・ファーカーは語る。
 
デジタル保管者にとってもっとも明白な問題は、ハードウェアの扱いだが、それはまたもっとも簡単に正すことができるものでもある。多くの保管物は、時代遅れや劣化から守るためにデータ保存システムを3年から5年ごとに置き換える。これはそれほど費用のかかることではない。ハードドライヴは安くて信頼できる。ハードウェアの故障の恐れは、コピーを異なった場所に置いておくことによって守ることができる。大英図書館は、貯蔵庫をロンドン、ヨークシャー、ウェールズ、そしてスコットランドに持っている。
 
デジタル素材を集めることの方が特にオンラインのものについては、落とし穴がある。保管者は自由にアクセスできるウェブの部分だけを取り入れることができる。パスワード、検索、フォームといったユーザーインプットを何か求めるものについては立ち入り禁止だ。オンラインヴィデオのようなストリ-ミングメディアはとらえるのが難しい。
 
ソフトウェアやファイル様式の変化はより大きな障害を作り出す。「我々が作り出したデジタル物の多くは、それを作り出したソフトウェアによってのみ表現することができる。」今はグーグルで働いているインターネットのパイオニア、ヴィント・サーフは語る。もしもともとのプログラムがなくなれば、新しい状態のファイルのアーカイヴは役立たずになりうる。ソフトウェアが10歳以上になる時までには、古いハードウェアで無為に過ごしているプログラムを動かすのに必要なハードウェアエミュレーションが普通必要になる。
 
技術的な問題はふつう解決できるが、規制の障害はより克服が難しい。法律は、ウェブサイトを保管する前に国会図書館のような図書館に著作権の許可を求める。コンピュータープログラム、ゲーム、音楽、そして電子書籍のようなものの保存になると、規制はより損害を与える。これらのものは、海賊行為から守るためにしばしばデジタル・ライツ・マネジメント(DRM)ソフト付でやってくる。そのようなプログラムを迂回したいと思う保管者は、法の誤った側にいることを見つけうる。アメリカの、デジタル・ミレニアム著作権法(DMCA)はそのような迂回行為を犯罪行為としている。
 
著作権とDRMは情報システムの進化の性質よりもさらに大きくのしかかるだろう。もともとのインターネットは、初期設定で開放的な環境であり、コピーを簡単にした。スマートフォンアプリが広く一般的なモバイルの世界では、それほどではない。会社がその商品をより激しく守るにつれ、現代のデジタル生成物は決して保管されない危険がある。図書館は、人気のある文化の一部をなしているアングリー・バードやインスタグラムといったアプリを集める権限を持っていない。これらのすべての困難にもかかわらず、世界の図書館が、10年以上も彼らの国民的デジタル遺産のいくらかの側面を保存するよう努めてきた。アメリカの国会図書館は、政府から1億ドルを得て2000年にそのデジタル保存計画を始めた。そのウェブ保存は、多くがアメリカ政府の所有で著作権から除外されている約1万のサイトになっている。個人的に運営されているサイトは、含むのがより難しい。保管計画の中には、コピーの許可を求める電子メールに管理人のたった1/5しか返答していないものもある。
 
 
 
デジタルコソ泥
 
国会図書館に続いて、豊かな国々のほとんどの国立図書館が今では何らかのデジタル保管計画を持っている。例えば英国では、ナショナル・アーカイヴスがすべての政府ウェブサイトのコピーを保存している。大英図書館は、すべての英国のオンライン素材を保管している。しかし、もっともよく知られたデジタル保存努力は、非営利民間事業のインターネット・アーカイヴだ。そのサーヴァーは、過去のある日付にあるサイトがどのように見えたかを利用者が見ることができる人気のあるウェブサーヴィスのウェイバック・マシーンの本拠地だ。1996年にブリュースター・カールによって設立されたインターネット・アーカイヴ・コレクツは、たくさんのウェブページや、本、ヴィデオ、ソフトウェアといったほかのデジタルメディアへのアクセスを貯蔵提供する。そのコレクションは大体1,600億のウェブページになる。それは、許可を求めるよりも許してもらう方が良いという原則のもとに運営している。
 
より最近には、おたくたちが、公的機関が歩くのを恐れるところへ押し寄せている。彼らはいつもコソ泥だった。現在、彼らはTOSEC(「The Old School Emulation Centre」の略)といったサイトに、古いソフトウェアを集めるために集まっている。しかし、これらのコレクションは彼ら自身の制約を持っている。彼らはかなりゲームとOSに焦点を当てている。人々はスーパー・マリオ・ブラザーズほどには初期の表計算ソフトには郷愁を持たない傾向にある。より重要なことに、その素材は全く著作権下にある。
 
アーカイヴの浸透にもかかわらず、デジタル保存はせいぜいつぎはぎだ。法が技術に追いつくまで、デジタルの歴史は、デジタル時代によって約束された偉大なほとばしりというよりもむしろ、少しずつ書かれなければならないだろう。
 
 
発行日: 
2012-04-28
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