変化を数える - デジタル・メディア

メディア会社はインターネットから攻撃を受けている。デジタルが供給源となったものからのカネは、ついに損害のいくらかを修復している

この夏、人食いざめを運んだ竜巻についてのテレビ向け映画がアメリカで驚異的にヒットした。「シャークネード」の馬鹿げた筋は、過去十年間にわたってインターネットが彼らの事業を破壊するのを見てきたメディアのボスたちの琴線に触れたかもしれない。新聞はインターネットに読者と広告を奪われている。書店と音楽屋は永久に閉鎖している。DVDとCDの売上は急落している。テレビ産業はいまのところ大きな崩壊に抵抗しているが、それは広告や視聴者が逃げ出すと予言する予言者を止めていはいない。

2008年に、大きな娯楽産業グループのNBCユニヴァーサルの当時の社長ジェフ・ザッカーは、「アナログのドルをデジタルのペニーに変える」傾向を嘆いた。しかし、これらのペニーは積み上がりはじめている。そして、今はテレビニュースチャンネルのCNNワールドワイドの社長であるザッカー氏ですらも、その調子を変えている。旧メディアは「デジタルのペニーをかなり良く超えている」と彼は語る。

何が彼の心を変えているのか?スマートフォン、タブレット・コンピューター、そしてブロードバンドのスピードの上昇は、より多くの人々がそれらとともに持ち運ぶことのできるコンテンツのために支払うよう促す。調査会社のイーマーケターによると、今年アメリカ人は、テレビを見るよりも多くの時間を、オンラインまたはコンピューター化されたメディアに費やすだろうという。(映画とテレビのための)ネットフリックスや(音楽のための)スポッティファイといった、月額料金で携帯端末に無制限にコンテンツを与える「オール・アクセス」サーヴィスは、人々がデジタル製品により費やすよう促している。

何年もの破壊的大混乱の後で、インターネットはメディア会社が成長するのを助けている。専門サーヴィス会社のプライスウォーターハウスクーパース(PWC)は、オンラインメディアと娯楽産業の収入が、今後5年間で年にだいたい13%増加するだろうと計算する。インターネットから最大の打撃を受けた音楽ですらも、ダウンロードは歌うべきものだ。10年以上にわたって初めて、世界的音楽産業の収入は、去年約0.2%増えた、と取引団体のIFPIは言う。オンライン販売が、初めて実物販売の下落をだいたい埋め合わせたところだ。スポッティファイやディーザーといった講読サーヴィスにより、人々は購読か広告付の無料でインターネットを通して曲を流すことができる。オンラインラジオも成長している。オンデマンドとラジオストリーミングサーヴィスは、2012年のアメリカのその産業の収入の15%にあたる約10億ドルをかき集めた。

ストリーミングがダウンロードを食うだろうという恐れは、誤っているようだ。オンデマンドならばだいたい4セントで10曲、ラジオならばもっと安いという少額は、より多くの人々がそのサーヴィスを試し、お気に入りの曲を繰り返し聞くよう発展する。英国のヴォーダフォンがスポッティファイとやっているように、音楽サーヴィスを組み込んだ講読を提供する携帯電話会社は、支払いを増やすのに役立っている。「ストリーミングは、最後には本当に大きな事業になる良い事業だ。」レディ・ガガのマネージャー、トロイ・カーターは語る。ストリーミングが、音楽を聴くのに安くて合法で便利な方法を提供することで、海賊行為を減らしうるという証拠もある。

他の流通サーヴィスは、敵から資金供給者に変わっている。動画サイトのユーチューブは、視聴者が無料で見ることのできる著作権で保護されたコンテンツをのせて、メディア企業の破滅の素だった。最近、それは旧メディアの仲間になろうとしている。ユーチューブと別の人気のあるサイトのヴィーヴォは、顧客が音楽ヴィデオを見るとき、レコード会社に少額の使用料を払っている。

カウチポテトからの収入も、ダウンロード、レンタル、そしてストリーミングサーヴィスのおかげで安定化しており、ハリウッドスタジオを助けている。(貸出可能の映画を分配するキオスクを運営する)ネットフリックスとレッドボックスは、かつてはDVDの売上を侵食するとして軽蔑されていた。いま、それらやフールーやアマゾンなどの他のサイトは、コンテンツをオンラインで流すために権利を買って、メディア会社の利益を押し上げている。

ネットフリックス、フールー、そしてアマゾンは、コンテンツのライセンスのために約30億ドルを支払っており、その数字は確かに上がっている。テレビや映画会社は、公開された後だがテレビで再放送される前にコンテンツを放送する権利を売っている。それはうまく行っている。調査会社のサンフォード・C・バーンスタインは、アメリカのメディア会社のCBSの2012年の収入の成長の約1/3をオンラインのライセンスに負っていると計算する。
 

デジタル格差

過去数年間でのもっとも明白な変化は、CD、DVD、そして紙の新聞といった「物理的」製品の減少だ。2008年に、消費者のカネの9割近くがそこに行っていた。2017年までに、それはデジタルに残りを奪われて、半分を少し超える程度になるだろう。電子コンテンツは、流通費用が低いことをはじめとして、いくらかの利点がある。レクシスネクシスのような情報サーヴィスを所有するリード・エルゼヴィアといった、B2Bのメディア会社は、かなりのことをしている。企業は依然として法律情報と学術誌を望んでいるので、その流通が安くなっているときですらも、その価格は高くとどまっている。しかし、他のメディア会社は苦労している。消費者は電子製品にそれほど支払いたくないと思っており、購入の代わりに賃借している。

メディア会社は、「束」を売って富をなしたものだ。歌はアルバムにまとめられ、新聞は記事と広告にまとめられる。インターネットは、人々に望むものを拾うことができるようにする。まとめ続けることのできる企業は、よりよくやっている。有料テレビは、放映中には現在の番組をオンラインに置かないことで、束を保っている。

出版社もまた適応している。タブレットの増加のおかげで、電子書籍の売上は増えている。書籍への総支出は上がりそうもない。しかし、PWCによると、今年全世界でだいたい14%、アメリカで30%となっている、電子書籍の割合の増加は、印刷、流通、そして在庫費用が下がるにつれて、出版社にとって利益がより大きくなることを意味する。大出版社のハーパーコリンズの社長ブライアン・マーレイは、売上のだいたい40%が3年で電子書籍になるだろうと予測する。

印刷広告に頼った企業が最も被害を受けたものの一つだ。デジタル表示広告の価格は、見かけ倒しの両面見開きに比べて見劣りがする。案内広告は恒久的にウェブに動いている。オンラインのヴィデオ広告は固定のものよりも高い価格をもたらすので、新聞はそれらに適応するためにヴィデオを作っている。

新聞もまたデジタル購読を広めようとしている。ニューヨークタイムスは70万人近くのオンライン購読者を持っているが、他はほとんどそれほどうまくやっていない。メディア事業は、少なくとも二つの利益の上がる収入源を持っているときに最もうまくやる、とコンサルタント会社のブーズ・アンド・カンパニーのクリストファー・ヴォルマーは語る。結果として新聞は、マーケティングや会議といったような新事業に乗り出している。アメリカの新聞は、去年30億ドル程度、またはその総収入の10%をこれらの新事業から稼いだ。
 

小銭のために踊る

インターネットはついにメディア産業の採算に貢献している。しかしそれは新聞や音楽事業をその以前の大きさには回復しないだろう。その経済は永遠に変わっている。そして依然として大きな問題がある。バーンスタインのクラウディオ・アスペシはコンピューター化された製品に課される価格が「もし物理的な事業でもないのならば、基礎となる産業を支持することができるのか」ということについて疑っている。

メディア企業の中には、より大きくなり費用を削る必要があるものもある。二つの出版社であるペンギンとランダム・ハウスは、書籍を販売するのと同様に今では出版もしているアマゾンと競うために、今年の初めに合併した。ユニヴァーサル・ミュージックは別のレコード会社であるEMIを去年買収した。メディア事業での一しきりの首きりは、人気のあるケーブルテレビのドラマと同じくらい長く続いている。

インターネットの影響が増すにつれて何が起こるのだろうか?記者たちは縮みゆく編集室の中でより薄給でより多くの記事を書く。音楽家はストリーミングがあまりに少ししか支払わないと不平を言う。しかし作家たちはよりよくやる。電子書籍からの印税は、紙では平均してだいたい16%だったものが、純受領のだいたい25%だ。成功はより速く離陸しうる。E.L.ジェームスの記録破りの『Fifty Shades of Grey』は、紙で出版される前にオンラインに現れた。多くの音楽家は、場所が狭かったレコード屋よりも多くの露出を得ている、と英国の音楽会社ベガーズ・グループのマーティン・ミルズは語る。

新技術はまた、メディア会社に機会も提供する。アーカイヴの価値はインターネット時代には増している。所有者はめったに放送されない古い番組から利益を得ることができる。ネットフリックスなどの他のオンラインヴィデオ会社は、古い映画やドラマシリーズに飛びついている。音楽家が新しいアルバムを発表したりツアーに出るとき、古い曲もより多く流される、と音楽会社を経営するダニエル・グラスは語る。

インターネットはまた、企業がより賢くなるのを助けることもできる。コンサートは音楽産業の生命線になっており、収入の半分以上を稼いでいる。演奏者はアルバムを売るためにツアーに出たものだ。いま、彼らは、ロードで生活費を稼ぐことができるようにアルバムを発表する。バンドはどこで演奏するのかを決めるのにストリーミングのデータを使って、たぶんより賢くなるだろう。出版社は印刷に回す前の試験販売として、そして需要を駆り立てるよう価格を調整するために、電子書籍を発表している。かつては不可能なほど高価だった実験が、今では取るに足らない値段だ。ドルとデジタル通貨の交換はいつも傷つけるわけではないのだ。
 

発行日: 
2013-08-17
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