雨が止まる時 - アメリカの旱魃

 

歴史的な旱魃はすでに合衆国のトウモロコシを弱らせ、その損害は始まったばかりだ
 
気象学者は旱魃を忍び寄る災害と呼ぶ。ハリケーンや竜巻と違って旱魃はふつうゆっくりとした動きで乾燥した日の次の日に展開するからだ。けれども、2012年の突発的な旱魃はゆっくりとした燃え方以外のものになっていることを証明している。6月半ばから7月半ばにかけて、旱魃が農地を警告的な率で飲み込み、厳しい旱魃下にある土地の量を大陸合衆国の17%から39%に押し上げている。からからに乾いた気候が高温と結びついて、2012年は記録的な高温の年に向かっており、大気と土壌から湿気を吸い上げ、アメリカのパンかごを焼いている。大陸合衆国の半分以上が止まられており、1956年以来最も広いその国の地域がこのような乾燥に見舞われている。
 
イリノイやインディアナといったコーンベルトで農産物はしおれており、そこの農家の中には既に収穫をあきらめているものもいる。合衆国農業局(USDA)によると、現在、トウモロコシのたった24%だけが良好か優良に格付けされているだけで、一方48%が貧弱かとても貧弱に格付けされている。合衆国農家は1937年以来どの年よりも今年の春には多くのトウモロコシを植えて、記録的な収穫になると予想されたものは、きっと失望になるに違いない。USDAはすでにトウモロコシの収穫予想を12%減らしている。それは値段が上がる原因となり、シカゴ商品市場でトウモロコシは記録的なブッシェル当たり8.20ドルになっている。去年のこの時期、それはブッシェル当たり7ドル以下だった。
 
その乾ききった天候は、穀物備蓄が普通ではなく低いまさにその時に襲ってきて、価格への圧力を増している。もし旱魃が居座り、天気予報が雨も望みも提供しなければ、我々は、合衆国でこの秋に全面的な食料の高値を見るよう予想でき、さらに悪ければ、何億人もがすでに飢えている発展途上国でもだ。
 
我々はかつてこれを見たことがある。2007年と2010年の食料価格の鋭い上昇は、暴動につながる助けをし、アラブの春への火花の一つになったかもしれない。合衆国の農業大臣トム・ヴィルサックの旱魃への反応が、明らかにより高い気候予報士への訴えを含んでいたことは何の不思議もない。「私は毎日膝まづいて祈っている。」ヴィルサックは最近ワシントンでリポーターに語った。「もし私が雨乞いの祈りや踊りができるのならば、それをするだろう。」
 
その大臣の雨乞い踊りは、旱魃が1930年代の黄塵地帯の記憶が生き返らせているアメリカのコーンベルト中心で最も必要とされている。しかし、農民が最初の旱魃の犠牲者である一方で、大恐慌中に土地を奪われたオクラホマ人たちが乾ききった中西部の農場を逃れてカリフォルニアに来てから多くが変わっている。一つには、現在のアメリカの農民たちはかなり良くやってきた。部分的には中国のような海外市場の所得の増加やトウモロコシエタノールへの委任によって促進された高い農産物価格は、合衆国の農家の所得が去年記録的な981億ドルに到達する役に立った。中西部の農地は10年前と比べて2012年の生育期の初めでエーカー当たり10倍になっている。1938年には680万人いた合衆国の農民の数は現在では120万人に減ったが、彼らは平均的なアメリカ人よりも豊かな傾向にある。2012年の旱魃からの財務的打撃が、1988年の大旱魃中に記録された損失をインフレで調整した780億ドルをほぼ確かにしのぐ一方で、農業部門はその損失を吸収するのにより良い形をしている。
 
実際、農家の中には最後には利益を得るものがいるかもしれない。コーンベルトの北の広がりの栽培者は最悪を免れており、それは、彼らが記録的な価格を利用することができて当然であることを意味する。しかし、補助を受けた農産物保険のおかげで、その畑をほとんどあきらめている農家でさえも、破産することはない。今年、10年前の75%から上がった合衆国のすべての植えつけられた土地の85%は、いくつかの形の農産物災害保険にカヴァーされている。もしこれらの農民たちが収穫物価格オプションの保険計画をとっていれば、彼らは、もちろん旱魃のおかげで上昇した市場価格で、同じ旱魃で被害を受けた農産物に支払われるだろう。
 
納税者は、合衆国政府が民間保険費用のほとんどを補助しているので、その請求書のかなりの部分を支払うことが予想できる。「納税者は中西部の農民を助けるものになるだろう。」アイオワ州立大学の農業経済学者ブルース・バブコックは語る。「農産物保険会社はこれらの損失を引き受けることができない。」
 
請求書はどれくらいになるのだろう?テキサスと中西部の破壊的な旱魃のおかげで去年の合衆国農業の補償損失は107億ドルに達したので、今年のさらに乾燥した気候は間違いなくより費用がかかるだろう。
 
補助された保険を買うほど賢かったトウモロコシ農家が気候をしのぐ一方で、食料連鎖上のほかの人は皆貧しくなるだろう。列の最初に並んでいるのは、牧草地が焦げているので高値のトウモロコシを家畜のえさにするために買わなければならない家畜農家だ。安いトウモロコシに頼っている豚農家は、ひどく傷ついている。牧場主の中には絶望のために彼らの牛を早く売っているものもいる。合衆国の牛の在庫は1973年にUSDAが記録を取り始めてから最低水準にある。旱魃は、供給過剰の牛が市場に到達するにつれ、短期的には実際には低い牛肉価格につながるが、二つのぶち壊すような旱魃が続けてきた後にその産業がそれを立て直すのに苦労するにつれ、価格は上がる。
 
ハンバーガーからゲータレードへの穀物に至るまですべての費用が高くなりうる。トウモロコシは合衆国の食料ピラミッドの頂点にあるからだ。トウモロコシ価格が50%上がるたびに、そしてトウモロコシは春からすでにそれ以上上がっているが、小売り食料価格はふつう0.5%から1%上がる。加工包装食品産業でその完全な影響が感じられるまで数か月かかるが、旱魃は最後には、それがインフレを一段上げるにつれ、苦闘している経済に歓迎せざる動揺を届ける。
 
依然として、アメリカ人は、かなりが彼らの食生活がとても加工食品に満ちているので彼らが食品に費やした1ドルのわずか15セントだけが実際に食料に行っているだけ(残りのほとんどが包装や広告に行っている)のために、農産物価格の上昇から比較的よく遮断されている。
 
それは、何億人もの人々がプレーンのトルティージャやパンで生活しており、商品の費用が本当に食料の費用である発展途上諸国には当てはまらない。合衆国農産物の減少は海外での高値に翻訳される。世界的な食料価格は2004年以来ゆっくりとだが着実に上昇しており、2007年と2010年には急上昇した。ラテンアメリカや中東のような場所での社会不安がこれらの上昇に続いて起こったのは偶然ではなさそうだ。旱魃の前ですらも、トウモロコシや大豆の世界的な在庫は引き締まっていた。商品作物のより高い費用はまた、これらの高値が世界的な貧者が自分たち自身を養う能力を侵害している時でさえも、慈善予算にも食い込み、彼らが提供できる食糧援助の量を制限している。その問題は、旱魃の前ですらも再生的に悩んでいた食料輸入者のエジプトで特に厳しくなりうる。「我々は別の危機の縁にいる。5年間で3度目となり、さらに最悪なものになりそうなものだ。」ニューイングランド複雑系研究所の研究者で2012年の旱魃についての新しい論文の共著者のヤニアー・バー=ヤムは語る。
 
より気候に依存する2012年の旱魃は本当に単にひらめきだ。7月の終わりに向けて中西部でより必要な降雨がいくらかあったが、予報官はそれより長くはないとしても少なくとも10月まではその旱魃が続くと予想している。そしてそれからさらに何年か続く。気候を破壊する定期的な海洋の寒冷化であるラ・ニーニャに責任があり、気候変動が今年の旱魃に不確かな影響しか持っていない一方で、世界が温かくなるにつれ中西部で乾燥状態がかつてないほど一般的になっているという一般的な合意がある。忍び寄る災害はそこにとどまりうる。
 
 
発行日: 
2012-08-13
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