大パイプライン戦争 - カナダのエネルギー

エネルギー産業とスティーヴン・ハーパーの政府はタールサンド・オイルを市場に届けるよう確保しようとしている

ひと目見ると、5月23日に始まったカナダの国立エネルギー委員会の公聴会は、小さな問題しか伴っていない。エネルギー配送者のエンブリッジはオンタリオ州サーニアにある石油化学工場に向けて輸入石油を西に送る195キロの導管の9番線の流れを逆転させる許可を求めている。代わりに、エンブリッジは、アルバータやノースダコタからナンティコックの精製所へ、そしてケベックの他の所へ、軽質原油を東に運ぶパイプラインを欲している。しかし、カナダと合衆国両方の環境活動家は変換に反対する署名を集めている。彼らは、もしそれが承認されれば、9番線はすぐにアルバータのタールサンドからモントリオールへ、そしてもし別のパイプラインの流れが逆転すればメーン州のポートランドへ輸出のために石油が動き出すだろうと、心配している。

タールサンドからの石油生産は、1日200万バレル(b/d)から2020年には330万b/dに、またはカナダの合計石油産出の58%から72%に上がり始めている。この石油を市場に出すことは、カナダのエネルギー産業とスティーヴン・ハーパーの保守政権にとって高まっている心配だ。それは、必要な社会資本が地元共同体とタールサンドの開発を止めたい環境主義者両方から反対されているからだ。カルガリーの環境シンクタンク、ペンビナ研究所によれば、バレルにつき、ビチューメンからの石油の抽出は、伝統的な石油よりも3-4倍の炭素やほかの温室効果ガスを排出するという。しかし、ほかの推計はもっと低い。

9番線の公聴会は、2本のほかのタールサンド・オイルのための潜在的はルートが直面している問題と同じようにやってくる。オバマ政権は、メキシコ湾岸の精製所に石油を運ぶだろうキーストーンXLパイプラインの承認を保留している。(キーストーンの促進者、トランスカナダは依然として承認を望んでいる。)ハーパー氏は中国を代替的な石油市場として求めているが、それは55億カナダドルのエドモントンからブリティッシュ・コロンビア州のキティマットへ向かう2本のパイプラインであるエンブリッジの北ゲートウェー計画の承認にかかっている。そのルートは50かそこらの(土着部族である)ファースト・ネーションの帯をまたぐ。4,000人以上の人々が、1月に始まった環境公聴会で発言する登録をしている。

先月、別のエネルギー会社のキンダー・モルガンは、現存しているカナダの西海岸への唯一のラインであるヴァンクーヴァーへの山越線の能力を倍にするために41億ドルを支出するだろうと語った。それは2016年に動き始めたいと思っている。ヴァンクーヴァー市長は、タンカーの往来や漏出で観光業が破壊されることを心配してその考えに反対している。

政府は、これらの計画を承認させるために、すべての引き留めの手をひかせている。その予算法案には、エネルギー計画の環境的な承認を統治する厄介な手続きを全面的に変えることを含んでいる。これらは、今では、40にもなる連邦の部局を伴っている。その法案の下では、直接関与するものだけが公聴会に参加することができる。漁業の生態はもはや自動的には考慮されない。そしてほとんどの調査は18か月以内に完了しなければならない。連邦政府はエネルギー委員会を無効にする力を持つだけではなく、調査過程を州に分け与えることもできる。これらの変化は、合衆国に直接輸出することを狙ったマニトバ、ラブラドール、ブリティッシュ・コロンビア、そしてケベックの巨大な水力発電計画の見通しを早くしうる。

しかし、パイプラインが政府の優先事項だ。それは、長くそのエネルギー産業の大黒柱だった天然ガスの輸出が、合衆国のシェールガスによって脅かされているからだ(去年それは5%下落した)。正当な環境への心配がある一方で、ガスの輸出をタールサンド・オイルに置き換えることは経済成長にとって重要なことだ、とスコシアバンクのマシュー・アクマンは論ずる。投資はタールサンドに注ぎ込まれているが、潜在的な石油輸出は2015年までにパイプラインの能力を上回る。

そうでなければ、すなわち、現存のパイプラインは9番線だけではなく手直しされる。トランスカナダの3,000キロの主要な線は、アルバータのガスをオンタリオとモントリオールに50年以上送っているが、今は能力の半分以下しか使っていない。その線を石油用に変え、ケベック・シティに精製所を作ることに加速することは、50億カナダドル以上の費用と数年がかかるだろう。しかし、それは依然として北ゲートウェーを打ち負かし、政治的により魅力的だろう。東カナダの精製者は今、西カナダの石油よりもバレルあたり20-30ドル多くかかる輸入原油を使っている。

その予算法案はまた、環境慈善団体がその地位と両立しない政治活動に関与しているかどうか調査する資金を含んでいる。しかしそれには、カナダの国際的イメージというだけではなく、環境活動家を悪魔化するという危険がある。タールサンド開発の議論は強いが、反対派は単に切り捨てることはできない。
 

発行日: 
2012-05-26
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