悪い(蜂の)行動 - 昆虫学

無法者クマバチの奇妙な事例

ほとんどの人々にとって、クマバチはミツバチの厳格な決断力もスズメバチの悪意ある意図も持たずに庭や草地を飛び回る、魅力的で少し馬鹿げた生き物だ。けれども、もし植物だったなら、物事は少し異なって見える。花を咲かせる植物の見方では、多くのクマバチは泥棒以外の何物でもないからだ。彼らは蜜を奪い、替わりに何も与えないのだ。

銀行強盗が金庫への道を切り開くかもしれないように、クマバチが花の横に穴をあける蜜強盗は、チャールズ・ダーウィンによって発見された。この技術は、蜂に、その形が狭い管を通り抜けることができる長い舌を持った昆虫によって授粉されやすくなるよう進化した花の蜜に到達させる。

クマバチの中には、そのような舌を持っているものがいる。しかし、持っていないものもいる。しかしながら、短い舌の蜂は、これらの花の内部の蜜のたまものを拒否しようとしない。だから穴をあけるのだ。けれども、このように押し入ることによって、クマバチは花を咲かせる植物と昆虫との間の1億年の協定を破棄する。植物が昆虫にえさを与える替わりに、昆虫が植物に授粉するというものだ。

ダーウィン以後の生物学者の興味をそそった蜜強盗についての問題は、その行為が先天的なのか、後天的なのか、ということだ。ダーウィンは、多くの行動パターンは自然選択による進化の産物であるという考えを生み出したけれども、それが後天的ではないかと考えた。つまり、昆虫は、ほかの昆虫がすることをまねることができるのだ。けれども、今になってやっと、これが本当だと証明された。

その観察は、(当時スターリング大学で、今はサセックス大学の)デヴィッド・ゴウルソンとその同僚によって行われた。其の考えを試すために、彼は、その研究をするのにふさわしい形の花を見つけることのできたスイスに、英国から飛ばなければならなかった。

彼の重要な観察は、ケイトウと呼ばれる高山植物の花の蜜が盗まれた時、その入り口の穴は、その花の構造のために、明確に右手側か左手側にある傾向にあるということだった。さらに、予備的な観察によって、ひとつの草地の中にある花の穴はしばしばすべて同じ側にあけられていることが示唆された。これにより、彼はある特定の地域のクマバチはその蜜強奪の技を実はお互いに学び、それからその技をいつも同じ側から花を攻撃するという忠実さを持ってまねしたのだと推測した。
 

犯罪と糧

彼のチームは、2009-11年の夏の間に、13の高原の草地を監視した。彼らは入念にケイトウの花の強盗の穴の場所を記録し、168のクマバチの行動を研究した。彼らは、それぞれの蜂が20の花を訪れるまで追いかけようとしたが、この回数に到達する前に見失ってしまった昆虫もいた。もしできれば、彼らは次の時にそれを再び追いかけないように、そのあとでその蜂を捕らえた。

ゴウルソン博士は、行動生態学と社会生物学誌の中で報告しているように、その地域に住んでいる2種類の短い舌のクマバチが、花の蜜を盗んだときに、利き手を示した。さらに、もし一つの種類が(例えば)ある草地で左利きの行動をすれば、もう一つも同じようにしそうだった。これは、ひとつの種類がもう一つから学ぶことができるのだと示唆する。それは、以前には脊椎動物に限られていると考えられていた技だった。

どの草地においても、利き手は、季節が進むにつれて増えた、ということをゴウルソン博士は見つけた。しかし、毎年の夏は白紙状態として始まるようだった。2009年のある草地で開発された利き手は2011年の利き手を予言しなかった。

最も理にかなった説明は、毎年、前のシーズンに蜜強奪を学んだわずかなクマバチが冬眠から覚め、蜜泥棒を再び始めるのだと論ずる。偶然、彼らは花の一方側にその逆よりも多くの穴をあけ、その習慣がほかのものに取り上げられるにつれ、新しく孵った蜂はポジティヴ・フィードバックの過程によって右か左の好みが広がるのだ。その蜂たちは、つまり、簡単な文化を作ったのだ。確かに、それは犯罪的な文化だ。しかし、その性質がかわいいといったものはかつて誰もいなかった。
 

発行日: 
2013-04-27
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