鉄道貨物のライアンエアーへの探索 - ヨーロッパの鉄道

EUはより多くのものを鉄道で動かしたいと思っている。進歩はゆっくりだ

航空では、民間所有の低価格航空会社の到来が市場を揺るがし、伝統的な国営航空会社を後退させている。しかし、ヨーロッパの鉄道事業では、乗客サーヴィスでは依然としてほとんど競争がない。競争により多くの余地があってしかるべき貨物ですらも、その市場は依然として国有の既存の会社に支配されている。2年前に採用された欧州委員会の『運輸2050』計画は、2050年までにその大陸全土の半分の中距離物流を道路から鉄道(または水運)にすることを約束する。しかし、国境を越えた鉄道「回廊」の設計でいくらかの進歩がなされているものの、より多くの選択と競争がなければその計画はそれほど遠くには進まないだろう。

より新しい、民営の鉄道貨物会社は、その市場に入ろうとする彼らの試みは、既存の企業によって挫折させられていると不平を言う。CERハンガリーの社長ラスツロ・ホルヴァスは、普通鉄道運営と同じく軌道も保有している国有の大企業が、彼の会社のような若い民間企業が拡大しようとするといつでも意地悪になる、と不平を言う。

1月に委員会は、単一のヨーロッパ鉄道市場を作り出すことを意図して「第四鉄道パッケージ」を発表した。明らかに最初の三つは十分ではなかったのだ。それは、既存企業に、鉄道運営部門と軌道や信号を所有管理する部分を、依然として同じ持ち株会社に属することができるが、金融的運営的に分割するよう要求する。大きなもしだが、もしその新しいルールが力強く施行されれば、例えばドイツ鉄道は、その(ヨーロッパ最大の)貨物会社のDBシェンカー・レイルが、ドイツの鉄道網のほとんどを所有するDBネッツと、運営やキャッシュフローを共有することがないように再組織されなければならないだろう。

それは、プラハのアドヴァンスド・ワールド・トランスポート(AWT)のような会社により多くの機会を提供してしかるべきだ。「我々は鉄道貨物のライアンエアーになりたいのだ。」その社長のピエール・ティンマーマンスは語る。AWTはモラヴィアの鉱山から石炭や鉄鋼のトラックを走らせる国有企業のOKDから成長した民間企業だ。今ではそれは、160台の機関車と5,500台の貨物車を持った中央ヨーロッパ最大の民間運営業者だ。それは、その運営範囲をほとんどのヨーロッパの港に拡大することを計画している。

しかし、すべての貨物運営者のように、AWTもすべての国境で障害に直面している。軌道への接続費用への国有既存企業の明瞭性の欠如は別にしても、異なった安全規則、信号や電圧制度(そして非電化区間ディーゼルに切り替える必要性)、そして軌間の違いといったことが含まれる。欧州委員会の2010年の調査によると、リュブリャーナからイスタンブールへの1,577キロの輸送は、5か国にまたがり、8度の機関車交換を伴うという。1か国以上の免許を持っている運転手はほとんどいない。多機能機関車は400万ユーロ(530万ドル)かかるほどに高価で、補助を受けた運営者(すなわち既存企業)以外の会社がそれらを買うのを難しくしている。

その委員会の提案した鉄道回廊のそれぞれは、その仕事が書類仕事を減らし運営者に鉄道運営の許可を求めるためのワンストップショップを提供することである事務局によって管理されるだろう。回廊のうち6つは11月までに活動が始まるはずだったが、遅れている。ロッテルダムからジェノヴァへの回廊1は、軌道と信号の改善のための47億ユーロの投資の後でオランダの港からドイツ国境まで滑らかに走っている。しかし、独自の信号標準に大きく投資しているドイツは、ERTMSと呼ばれる最新の汎欧州標準にその信号を再び更新することに気が進まない。ほんの最近になって、その政府はその国内の73キロの更新のために7.46億ユーロの寄与をすることに合意した。

他の回廊は、さらに遅れている。回廊6は更新のためにほぼ800億ドルがかかると考えられるが、それが通過する5か国(スペイン、フランス、イタリア、スロヴェニア、そしてハンガリー)のひどい財政状況を考えると、その資金は長きにわたってやってきそうもない。

実現により近いのは、もともとはEUによって後援され、民間企業とコンサルタントの一団がロッテルダムからハンガリーそしてその先への貨物路線を開発することを奨励するためにはじめられたリトラックと呼ばれる別の実験だ。それはゆらゆらした滑り出しだったが、ハンブルグの鉄道貨物会社トランスペトロールは、CERハンガリーと別の民間会社オーストリアのLTEと協力して、いま週に5便の列車を走らせ、利益を出している。その仕掛けは、小さな貨物車グループからの貨物をまとめる柔軟性、機関車と全貨物車のよく時間管理されたリース、そして良い接続料率の交渉のようだ。トランスペトロールはまた、国有の競争相手からのどんな反動にも苦しまないだろうと顧客を説得してもいる、と語る。

競争がより開放的になるまで、民間の挑戦者は困難な傾斜を登ることになるだろう。将来的にはヨーロッパは4つの支配的な既存の会社と「少数のすばしっこい小さなもの」になるかもしれない、とニューカッスル大学のトム・ズンダーはいう。4大企業の一つは、疑いもなくDBシェンカー・レイルだろう。それは、英国、フランス、ポーランド、ハンガリー、そしてブルガリアに子会社を持っている。それは毎日中国への貨物サーヴィス(ドイツから15日かかる)を走らせており、9月にそれは週3便のイスタンブール行のサーヴィスを提供し始める。民間部門の挑戦者でさえも、それがうまく運営されていると認める。

より多くの貨物を鉄道にのせることの利点に疑問はほとんどないが、そうするための努力は複雑だ。EUの監査人は、多くの改善を示していない軌道や駅への多くの支出をしている別の計画マルコ・ポーロの栓を抜くことを推薦した。最大の障害は、道路運輸がとても効率的で柔軟なことだ。「この午後でさえも、私はたぶんトラックでソフィア向けに何か積込むことができるだろう。」ズンダー氏は語る。対照的に、鉄道ルートは依然として計画に18か月もかかる。EUがすべての回廊を運営させた時でさえも、貨物の半分を鉄道に変えるのには苦労するだろう。
 

発行日: 
2013-08-17
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