そのように沸き立った脳、そのように想像する幻想 - 金融革新

 

革新は金融の問題ではない。その後に何がくるのかの問題だ
 
かつて、影響を持っていたのは、アラン・グリーンスパンの金融革新への見方だった。連銀の前議長は、新技術や製品がアメリカの金融制度をより弾力的なものにすると信じていた。不動産を証券にまとめ投資家に売る証券化は、リスクを多様化し、分散化した。クレジット=デフォルト・スワップ(CDSS)は貸し手をショックから守った。
 
今、グリーンスパンの前任者であるポール・ヴォルカーの見方がより時代に合っている。彼は、ATM以来金融に新しいことはなにも現れていないとほのめかしている。2008年の危機を防ぐどころか、ウォール街が最も良いと主張する発明は、道具の評価をあまりに複雑にし、有害資産がどこにあるのかの不確実性を広げ、リスクを集中させることによって、それを悪化させたと非難された。
 
グリーンスパン氏の判断は明らかに間違っていた。危機を払いのけるどころか、アメリカ経済は10年間いくらか後退している。しかし、ヴォルカー氏の考えははるかに否定的だ。証券化は実体経済にとって重要な信用源だ。ヨーロッパは、もしそれほど銀行に頼っていなければ、はるかに良かっただろう。インドの保守的な金融当局が去年市場にCDSSを導入するのを許すほどに、それは有益なものだと考えられている。
 
いずれにしても、過去25年の革新のバランスシートは、危機に責任がある道具を含んでいない。それはまた、小口投資家の費用を減らした株価指数連動型投信(ETFS)、保険者が自然災害の費用を広げるのに役立つキャットボンド、最貧層を狙ったマイクロファイナンス商品、そしてあらゆるハイテク支払い技術手段を含む。
 
実は、金融の創造性は、たとえば資本規制でばくちを打つといった生産的でないところで用いられるが、それはまた真に大きな問題の解決のためにも必要とされている。平均寿命の驚くべき増加のリスクが年金制度やその提供者から資本市場へ移るように、証人は金融市場が長生きするような発明を試みている。そしてもしユーロ圏の危機が共同ユーロ債を生むのならば、その誕生から投資銀行は関わるだろう。
 
悪い考えでさえも、それらが最初に現れたときには問題ではなかった。ほんのわずかな人々が役に立たない商品によってやけどを負ったとしても、より広い世界は気にする必要が無い。規模こそが金融を心配させるものだ。商品や技術が体系的になると、誰もがそれがよく管理されるよう保証されることに利益を持つ。発明はすさまじい速度で定着しうる。CDSSは1990年代に考え出され、2007年には国全体で62.2兆ドルの価値を持っていた。商品はまた、いくらかは特許が普通ではないために、絶え間なく変化する。2011年にアメリカで特許を割り当てられた会社の世界ランキングの中で、最初に出てくる金融会社は全体で259番目であるアメリカン・エクスプレスだった。ある発明が着火すると、パラフィンを注ぐのは産業なのだ。
 
 
 
このヴォルカー・ルールを無視しろ
 
猛威をふるう成長と変化の問題には2つの答えがある。一つは規制者の側が赤旗を揚げるという意思だ。このやり方の良い例は、IMFなどが、ETF市場と特に望むべき収入を得るためにデリヴァティヴを使う産業の隅での急速な進化への懸念を表した去年にやってきた。その警告は、その産業内での一定期間の内省を引き起こし、よりよい情報公開の実践につながった。
 
二つ目の規則は、金融の社会資本を、その創意の早さとあわせるよう確保することだ。商品への需要があるとき、営業チームはほとんど無制限の供給を生み出す。バックオフィスは後端に残されている。たとえば、内部者は、もし2005年に規制者がCDS市場での膨大な書類仕事を片付けなかったら、その危機がどんなものだっただろうと考えるとぞっとする。それからでさえも、監督者は、保険会社のAIGが店頭取引で大きな破綻状態になったのを見逃した。そのような取引についてのデータは今では集められ、規制者によって利用されており、この種の脆弱性が知らされないということを難しくしている。
 
もちろん、危機の後に警戒は容易になっている。自己満足は、最後にはシステムに這い戻ってくる。たとえば、快適すぎることは、手形交換所や担保取引での大きな利用からすでに引き上げられている。ヴォルカー氏は、金融の大騒ぎがリスクをもたらすという点で正しい。しかし、それを漬物にすることは何の答えにもならない。グリーンスパン時代の本当の教訓は、たくさんの高品質の資本はいつも破壊に対して保護される必要があるということだ。
 
発行日: 
2012-02-25
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