平山郁夫と文化財保護

国立博物館での平山郁夫と文化財保護の展覧会を見てきた。純粋にアートという側面で見るのならば、それほど見るところはない展示だったといえるだろう。いくつかいいものはあったとはいえ、基本的にいろんな地域からそれなりのものを集めたものなので、一番の名品が集まっているわけではない。焦点もぼやけ気味で、散漫な印象は否めないだろう。平山郁夫の絵にしても、アートという観点からどのように評価してよいのかは私には良くわからない。そして個人的な嗜好としてどうも宗教芸術は好みではないという点もこの評価に結びついていることは否定できない。しかしながら、この展覧会の本質がアートを見ることではなく、平山郁夫という人間の生き方、考え方、行動というものを考えるということだとすると、とてもよい展覧会だったといえる。平山郁夫という人間は、画家でも思想家でもなく、行動者だったのだと思う。自分の経験に基づいて自分で考え自分で行動した、そしてそう生き抜いた人間なのだと思う。そういう生き方には本当に敬意を表したい。そしてその人生の集大成ともいえる大唐西域壁画は、芸術的評価は脇においても見る価値があるものだろう。いろいろ考えさせられたよい展覧会だった。

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