海賊行為を発見する - 違法ダウンロードとメディアの投資

地元のメディア産業と世界的な文化貿易の影響で、ファイルシェアリングの率は国によって大きく変わる

今月初めに英国を席巻した暴動の間に、少なくとも二つの音楽店が略奪された。北ロンドンでは、CDやDVDを収めた倉庫が放火された。これは店主と地元の住民にとって衝撃的だった。しかし、英国のメディア産業は、陽気に注目するかもしれない。その製品はまだ刑務所入りのリスクを犯すほどの価値があると見られているのだ、と。多くの国では、略奪者が店から音楽や映画を盗むということを考えつくのは難しい。録音された音楽で満たされた倉庫が存在するということすら想像するのが難しい人もいる。

ファイルシェアリングサーヴィスのナップスターが最初に一般的になった2000年から、デジタル海賊行為がメディア産業につきまとってきた。徐々に海賊行為はより多様になり、洗練されてきた。いくつかの国では、P2Pネットワークでファイルを交換するよりも、人々は今では彼らの略奪品を秘密の「サイバーロッカー」に隠す。ブロードバンドのスピードが上がるに連れ、海賊行為は1曲をダウンロードすることからアーティストの全曲をひったくるようになっている。著作権侵害のテレビショーや映画をオンラインで見ることもより一般的になっている。

しかし、海賊行為は世界を席巻しているわけではない。いくつかの国でははびこっているが、隙間の活動である国もある。潮が満ちている地域もあれば、引き潮になっているようなところもある。それに対して、メディア産業も、ポピュラー文化の世界的流れの大きな潜在的な影響で、その資源を国から国へ動かしている。

メディアの海賊行為は豊かな世界よりも発展途上地域でより一般的だ。もっとも海賊行為が盛んな国は、中国、ナイジェリア、ロシアといった国々で、事実上、違法ダウンロードではない全てのメディアはコピーCDやDVDの型で売られている。しかし、豊かな国にもまた大きな違いがある。地中海地域では、英国を含んだ北ヨーロッパよりも海賊行為がはるかに普及している。ナップスターがそこで生まれたにもかかわらず、奇妙なことに、アメリカは一番海賊行為が少ない国かもしれない。

ひとつの理由は費用だ。アメリカの社会科学調査会議の最近の研究によると、ワーナー・ブラザーズの大ヒットDVD「ダークナイト」は(一人あたりGDPで調整した場合)75ドルで売られているという。インドでは、そのDVDは663ドルに値した。法制の違いも別の理由だ。ドイツでは、音楽を違法ダウンロードした時その人に罰金を課すのは簡単だ。スペインではそれはほとんど不可能だ。最後の原因は、一番見えにくいがおそらく一番強力で、文化だ。いくつかの国では、コピーは広く泥棒だとみなされているが、他の国ではそうではない。

メディア会社は帰結ほどには原因に注意を払わない。海賊行為の西ヨーロッパでのリーダーであるスペインを考えてみる。去年、調査会社のIDCによると、スペインの16-24歳のインターネットユーザーのうち92%(そして45-55歳の少なくとも70%)がP2Pネットワークを使っていることを認めた。音楽の売上は崩壊した。2010年には、その国でなんとか1,000万枚のCDが売られたが、2001年には7,100万枚売られていた。デジタルの売上も弱々しい。「スペインでは3,000枚売ればナンバー1アルバムになれる。」ヨーロッパでEMIの運営を管理するデヴィッド・カスラーは指摘する。

結果として大手レーベルはスペインでの活動を切り詰めた。ユニヴァーサル・ミュージックはスペインのスタッフの1/3を解雇した。アメリカ以外でのユニヴァーサルのビジネスを運営するマックス・ホールは、その会社はスペインで「持ちこたえて」いるが、それはアメリカでヒスパニックに訴えるアーティストを見つけることをかなり望んでのものだと語る。カスラー氏は、EMIは、2006年から10年の間に11%とよりゆっくりとしたペースで音楽の売上が減っている海賊行為の少ない市場であるドイツの5倍から6倍の費用を費やしていると語る。

スペインではDVDの売上も崩壊している。独立系映画会社のアリアンス・フィルムスのザヴィエル・マーチャンドは、スペインはほとんどすべての収入が映画上映とTV放映権から来る「1950年代の市場」だと語る。ソニー・ピクチャーズの副会長ジェフ・ブレークは「スマーフ」のような大型予算の家族向け映画をスペインで発表することにはまだ意味があると語る。そのような映画は頼れる興行のもとで、親たちがそれを電子的子守として使うのでDVDも比較的よく売れるからだ。しかし、若い男を狙ったドラマはあてにならない。結果として、スペイン人は「マーケティングの支援があまりない少しの映画館での少しの映画しか見ることができない。」とブレーク氏は語る。

メディア会社がスペインから撤退するに連れ、彼らは韓国を強化する。その国は世界で12番目の音楽市場で、スペインのひとつ下だ。それはほぼ間違いなく今年にはその地中海国家を抜き去るだろう。前の10年の前半には崩壊した韓国の音楽の売上は過去3年間上がり続けている。売上は2007年の1,340億ウォンから2010年には2,070億ウォン(1.79億ドル)になった。

韓国は世界でもっとも厳しい反海賊法を持っている。他所で議論されたほとんどすべての手段が韓国では取られている。海賊のブロードバンド接続の切断の脅し、海賊ウェブサイトのブロック、若いダウンロード利用者への教育プログラムの義務付け、サーバーロッカーへの締め付けといったことだ。合法な音楽ストリーミングとダウンロードのウェブサイトが成長しており、より誠実な音楽保有法を提供している。韓国の経験は特別かもしれない。他では反海賊法はそのようなはっきりとした効果は上げていない。

数年前、国際的音楽会社はその国でほとんど存在感がなかった。音楽産業グループのIFPIの地域部長メイシー・レオンによると、今では彼らは戻ってきているという。ユニヴァーサル・ミュージックは韓国音楽に2009年に投資しはじめた。ソニー・ミュージックは、音楽主体のテレビショー「シークレット・ガーデン」を始め、それを新しいシングルをプレミア付きで売るのに使った。

ワーナー・ミュージック・グループは韓国の少年バンドのJYJと契約し、そのひどく感傷的なポップを残りのアジアに輸出している。音楽会社が資源をある国から他の国に移すに連れ、国内市場が最形成されている。2010年に、韓国のグループはその国のCD売上が少なくとも8年間で最高の割合である76%を占めた。ドイツでも国内アーティストの音楽市場でのシェアは2001年の29.5%から2010年の49%に着々と伸びている。スペインではそのバランスは大きく変わっていない。しかし、IFPIによれば、年間50位に入る新しいスペイン人アーティストのアルバムは2003年の10から2009年と10年の0になった。

しかしながら、映画については同じことは当てはまらない。スペインを含む多くの国では、国内映画事業は政府によって補助されており、DVD売上減少の衝撃を押さえている。海賊行為の多い市場であるロシアでは、国産映画はハリウッドからの輸入品に多くのシェアを奪われた。しかしそれは少なくとも一部はその国でハリウッドがより激しくマーケティングしたからだ。DVDの売上は事実上存在しないかもしれないが、多くの映画館が作られ、それは今では彼らの時間をかける価値があるものだ。

ハリウッドの世界的影響はもちろん長い間憤慨されてきた。政府の恐れは、音楽のような文化産業が強い国際的なメディアの巨人と伍すことに失敗して最後には映画の道をたどるのではないかということだ。海賊行為に対して「三球三振」法を適用した最初の国が輸出品や文化などにかなりの誇りを持っている韓国だったというのは恐らく偶然ではない。そして最初に先例にしたがったヨーロッパの国が、文化的純粋さとワインのような独立した流れについて心配するフランスだったというのも驚くべきことではない。

音楽や映画を違法にインターネットからダウンロードするのは略奪行為のような目に余るものではなく無害な行動のようだ。しかし、そうであっても、多数の海賊行為は静かに世界の文化を再形成している。
 

発行日: 
2011-08-20
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