ティーショク(アイルランド首相)の頓挫 - アイルランド

景気後退が戻ってきて、銀行員の悪事が発覚する

アイルランドの首相エンダ・ケニーにとって、銀行員たちの会話の録音が漏れたことほど、イライラさせる時間になったことはほとんどないだろう。6月30日にケニー氏の政府は6か月のEUの持ち回り議長国を終え、その間にEUは予算を仕上げた。そのうまく行った仕事は、アイルランドがヨーロッパで失った権威をいくらか回復するのを助けただろう。

悲しいことに、ケニー氏の成果は、納税者の費用に関わらず破綻した機関を前の政府が救うことを確かめるようアングロ・アイリッシュ銀行の役員が企んだ5年前のテープの暴露によって、影が薄くなった。アングロのテープの調子と中身についての大衆の抗議が起こった。アイリッシュ・インディペンデントに掲載されたその抜粋は、2008年9月に世界的金融危機が展開し、アングロが巨大な預金流出を食い止めるのに苦労していた時の、銀行の役員の間での電話の会話を物語った。

同僚になぜ彼の求めた融資が70億ユーロ(103億ドル)だったのかを聞かれて、当時アングロの資本市場部長だったジョン・バウは、その数字を「俺のけつから」引っ張ってきたのだ、と説明した。採用されるべき救済戦略は、単純だが回りくどかった。中央銀行に、事実上必要に応じて政府に更なる支払いの関与をさせるだろう、初期融資をさせることだ。「お前はそれを引きいれ、大きな小切手を書くためにそれを手に入れ、彼らはそのカネを支えなければならないのだ。」彼はいった。フィアナ・フォイルの政府は余儀なくされ、最後には巨額の小切手を書いた。納税者への推定費用は300億ユーロだった。2010年までに、その政府は、EU、IMF、そして欧州中央銀行からの救済を探ることを強いられた。

そのテープは、内緒で規制者をバカにし、ドイツの支援を求めているときなのに、ナチスによって評判を落とされた国歌の一節である「ドイツよ、ドイツよ、すべてのものの上にあれ」とうたうことによってドイツを侮辱した少人数のアングロの銀行員の二枚舌の詳細を暴露した。ドイツの首相アンゲラ・メルケルは、6月27日のヨーロッパ首脳会談で、彼らの行いに、彼女の「恥辱」を表現した。

ケニー氏にとって、アイルランドが675億ユーロの国際金融支援を提供された救済計画から抜け出す準備をしているときに、アングロのテープは最新の頓挫だ。6年の緊縮の後に、アイルランド人の犠牲への褒賞は、失望するものだとわかっている。経済的な利益は現れるのが遅く、成功した緊縮のモデルとしてのアイルランドのイメージを台無しにしている。その経済は第一四半期に4年間で二度目の景気後退に戻った。欧州委員会の予想によれば、アイルランドの今年の財政赤字はGDPの7.5%になり、EUで最も高いだろうという。救済協定の条件のもとで財政赤字をGDPの3%以下にするためには、さらに2年の歳出削減と増税が必要とされる。

その政府は、輸出主導の回復が成長を押し上げるだろうと推測する。しかし、国際市場が弱く、ユーロ圏が景気後退にあるので、それは起こりそうもないようだ。本国での見通しもよくはない。高い水準の個人債務が国内消費を低く抑えている。民間住居抵当の所有者の8人に1人は、90日を超える支払い延滞をしている。そして、銀行は、融資損失を認識し、持続不可能な個人と事業債務を償却し、そして再び貸すのにゆっくりとしている。公的債務は、今年GDPの123%でピークになると予想されるが、経済のさみしい見通しは、アイルランドの債務比率がさらに高く上がりうることを意味する。

その政府は、10月の2014年の予算に二つの選択肢がある。それは、すでにEUと合意されている10億ユーロ程度の金利節約を使って、依然として必要とされる債務目標にあわせる一方で、緊縮を和らげることができる。または、それは、債務削減のペースを加速するのにそれらの節約を使うことで、金融市場での評判を改善することができる。

その予算は、ケニー氏の気難しい連立にとって試練だろう。ケニー氏の党のフィナ・ゲールと労働党の中道左派連携は、アイルランド史上最大の議会多数派を楽しんでいるが、多くの大衆の支持を失っている。ここ数か月、連立パートナーの内部や間のさらなる分断が表面化している。中絶の限られた形を許す法案についての7月2日の議会投票では、何人かの政府議員がその手法に反対投票を行った。ケニー氏にとっては、いかにバウ氏とその同僚がそれほど華々しく、そしてそれほど皮肉に間違ってそれを得たかについての、長く遅れている議会調査を含んだ、さらに多くの困難が待ち構えている。
 

発行日: 
2013-07-06
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