右、左、そして中道

 

アメリカの政治の現状に不平を持っていないものはいるのか?
 
今週だけでも幻想に没頭しよう。アメリカの来年の大統領選挙についてあなたが知っていると考えていることのすべては間違っているかも知れない。候補者はバラク・オバマとミット・ロムニー、彼でなければニュート・ギングリッチだろうとわかっていると考える。しかし、おそらく、アメリカ人は次の11月により広い選択肢を提示されるだろう。これは、目もくらむほどの候補者と、デューイが結局トルーマンを破らなかった、気持ちよく予期しない結果を生み出した1948年の選挙により似たものになるかも知れない。
 
この考えを楽しむ理由は、アメリカの政治が「壊れている」という普遍的な意見だ。オキュパイウォールストリートのテントからジョージタウンの炉端まで、政党のイデオロギー的な分極化が有権者の大部分を代表していないとの叫びが上がっている。本誌はこの「失われた中間層」にとても注意を払う。しかし、失われたのは中間層だけなのか?多くのアメリカ人は、失われた右と考えるものについて嘆き、またあるものは失われた左についても同様に不平を言う。
 
まず左から始める。バラク・オバマは自分の党からは重要な挑戦者に直面していないが、彼はほとんどしてしまった。すべての共和党員は大統領が「社会主義者」になるのはばかげたことだと考えているにもかかわらず、太っ腹の民主党支援者の集団は、彼の臆病な中道主義と彼らが見なしたものにとても失望したので、左側から彼に取って代わる意思のある候補者を国中で探している。何人かの口に上っているのはウィスコンシンからの前上院議員ラス・ファインゴールドの名前だ。その場合、誰も対抗馬としてたたなかった。しかし、その運動に関わったある大企業の大物は、民主党員は誰もその国で最初の黒人大統領を引きずり下ろすリスクをあえてとろうとしなかったためだけだと語る。彼が白人だったら、また話は違っただろう。
 
失われた右はどうだろう?ティーパーティー運動が共和党の頭脳に徐々に入り込んでそれを終わらせ狂わせていると考える民主党員は、右は全く失われていないと言う。しかし、ティーパーティー派は、もし共和党右派からの候補者が大統領選に勝てなかったら、そのにじみ寄りと乗っ取りはすべて無駄だったと考えるだろう。だから、もしロムニー氏が指名を得れば、より忠実な保守派は独力でやることを決めるだろう。
 
ロムニー氏が今のところ1/4以上の共和党有権者の支持を得ていないという事実は、彼の指名はイデオロギー市場での魅力的な隙間を残すことを示唆する。それは、テキサスのリバタリアンのロン・ポールにとってはおそらくそれを埋めることに抵抗するにはあまりに魅力的だろう。ポール氏は共和党員として運動しているが、1988年には彼は小さなリバタリアン党の大統領候補者だった。彼は熱心な支持層を持つが、それは小さく、決して大統領にはなれないことを知らなければならない。それでもなお、違った旗の下でレースにとどまることによって、彼はおそらく彼の本当の目標である、連邦政府の悪や外国とのもつれの狂気などについてアメリカ人を教育すると言うことについて続けることができる。
 
失われた中間層について言えば、来年革新を見るだろう。2012年6月フロリダでの共和党大会とノースキャロライナでの民主党大会の少し前に、自分たち自身を「アメリカンズ・エレクト」と呼ぶ組織が自分たち自身のオンラインの指名大会を開催する。その計画は、第3党を作ることではなく、どの政党からでも大統領候補を選ぶのにインターネットを使い(それはひいては違う党からの副大統領候補を持たなければならないだろう)、この無党派のチケットを各州で投票にかけることだ。その組織はすでに各州での投票要件を満たすのに必要な300万かそこらの署名のうち200万以上を集めた。
 
アメリカンズ・エレクトは、(金融産業で富をなした慈善家のピーター・アッカーマンと言った)豊かなスポンサーの助けと、よいタイミングを持っている。世論調査は、アメリカ人は既存の政党組織と中道に手をさしのべる代わりに極端な主張に迎合するよう候補者に強いる予備選の制度に心から悩んでいることを示唆している。その候補者として大金を持った大物を誘うことは完全に不可能とはいえない。ポスト党派主義のニューヨーク市の億万長者の市長、マイケル・ブルームバーグは今のところ大統領選に興味はないと主張する。しかし、特にもし共和党が順応性のあるロムニー氏の代わりにギングリッチ氏のような恐ろしいイデオローグの一人をたてるのならば、中道に穴を作るために彼の考えを変えるかも知れない。
 
 
 
複選の方がよいかって?
 
そもそもドンキホーテ的な幻想以上のものであるので、アメリカンズ・エレクトは議論を呼ぶ。ワシントンポスト紙で、アメリカン・エンタープライズ研究所のノーマン・オーンスタインとブルッキングス研究所のトーマス・マンは落とし穴を強調した。中道からの強い独立候補でさえも、三つどもえの選挙で選挙人団の538票の多数派を得るのは難しいだろう。しかし、そのような候補者はまた、他の候補者が多数派を握るのを妨げるだろう。憲法は、そのような場合に、最終決定権を(とても党派的な)下院に与えるだろう。第3の候補者が勝つというありそうもないことが起こったとき、その人は与党なしにどのように議会を乗り切るのだろう?そして、もし第3の候補が単に極右の共和党候補を勝たせるだけの中道票をオバマ氏から奪うだけならどうなるのか?
 
いぶかる人はおそらく正しい。議会の行き詰まりは、ほぼ間違いなく、効率的な政府の最大の障害物であり、そこに第3党を形成しようという試みは全くない。加えて、第3党と独立候補はひどい記録を持っている。1992年にロス・ペローは一般投票で19%を得たが、選挙人団からは1票も得られなかった。1912年には、進歩党から立候補した前共和党大統領のセオドア・ルーズベルトは一般投票で27%を得てその共和党の後継者ハワード・タフトを脱落させた。しかし、それはただ民主党のウッドロウ・ウィルソンに勝利を手渡しただけだった。そうだとしても、オバマ対ロムニー対ポールか、オバマ対ギングリッチ対ブルームバーグをただ考えてみよう。それは普通の2者の選挙よりもずっとおもしろくないかい?
 
Lexington欄より
 
 
発行日: 
2011-12-03
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