名前制度 - 世代を超えた社会流動性

苗字は世代を超えた社会的流動性の程度に落胆させる手がかりを提供する

「偉大なるギャツビー曲線」は、バラク・オバマの経済顧問のアラン・クルーガーが、世代をまたいだ所得不平等と社会的流動性との間の関係に与えた名前だ。クルーガー氏は、この1節を、より不平等な経済はより流動的ではない社会を持つ傾向があるということを示した、オタワ大学のマイルス・コラックの研究を描写した2012年の演説で使った。コラック氏は、アメリカや英国といったいくつかの場所では、ひとつの世代の所得の違いの約50%が、前の世代の所得の違いに帰することができると計算する(より平等主義的な北欧諸国では、その数は30%以下だ)。

それさえも、あまりに楽観的な絵かもしれない。コラック氏の研究は、父親と息子という、たった2つの世代間の所得水準を比較した最近の研究を引いている。それはやむを得ずだ。3つやもっと多いデータをカヴァーしたよいデータは少ない。しかし、限られたデータへの依存は、社会的流動性の過大な推計につながりうる。

カリフォルニア大学デーヴィス校の経済学者グレゴリー・クラークは、世代をまたいで、豊かな親の子供たちの中には、運の悪いランダムなエピソードに苦しむものもいそうだと注記する。慈善的な仕事をしたいといった風変りな理由で低賃金の仕事を選ぶものもいるだろう。そのような統計的雑音は、実際よりも社会をより変更可能かのように見せる。結果となる多くの世代にわたっての流動率の推定は、長期的な機会の公平の明るい見方をミスリードする。クラーク氏は、家族の歴史が、より長い時間軸で続くのに大きな影響を持つと示唆する。父親は問題だが、祖父や曾祖父も問題なのだ。実に、高い地位と低い地位の家族が所得の広がりの中の様々な部分で等しい機会を持つ子孫を生むのに、300-500年もかかるかもしれないのだ。

クラーク氏は、珍しい名字からの情報を集めることにより、よい情報の欠如に立ち向かう。流動性傾向を2つの方法で名字から求めることができる。一つの方法は、ある名前と高い経済的地位の過去のつながりに頼るものだ。例えば、2012年の論文で、クラーク氏は成功したスウェーデン人を調査する。17世紀の貴族の普通ではない苗字と高度の教育を受けた18世紀のスウェーデン人によって採用されたラテン化された名前は、両方ともスウェーデン人口全体の中で珍しい。それらの名前がエリートの地位への過剰提示を追いかけることによって、彼は長期的な流動率を計算することができる。

2011年まで、貴族的苗字は、高い地位と考えられる弁護士予備軍の中に、人口全体の出現率のほぼ6倍頻繁に表れている。クラーク氏は、流動性が高いことで有名なスウェーデンでさえも、ある家族の社会的地位の70-80%程度は100年スパンにわたって世代間で移転すると計算する。他の経済学者は、19世紀のスペインから清王朝後の中国までの社会での比較できる非流動性を明らかにするために、似たような技術を使う。相続された利点はとても長い期間にわたって見つけることができる。

2つ目の方法は、過去のある時点での高位と低位の集団の中での珍しい苗字の過剰提示の機会に頼るものだ。例えば、ミックルスウェイトと呼ばれる英国人がとても少なく、その名前を持った人々が1800年に不釣り合いに多ければ、その名前が富を予測できる力を失うのにどれだけかかるかを研究することによって、長期的な流動性を測ることができる。クラーク氏とニューヨーク市立大学クイーンズカレッジのニール・クミンズによって書かれた論文の中で、彼らは珍しい苗字を異なった富のカテゴリーに区分するために19世紀の検認記録からのデータを使う。彼らはそれから、それぞれの苗字が続く年月にどれだけ共通してこれらのカテゴリーにあるかを見るのに似たような苗字を使う。再び、70-80%程度の経済的利点が世代をまたいで移転するようだ。

クラーク氏の結論は、社会的流動性の潜在率は、世紀や時代をまたいで低く驚くほど一定しているというものだ。普遍的中等教育の導入は、例えば英国での世代間流動率にほとんど影響していない。この一貫性は、低い流動性が潜在的な「社会的競争力」の違いのためかもしれない、と彼は示唆する。そのような競争力は潜在的に相続可能で、似たような特徴や能力を持つ相手と番うという人間の傾向によって補強される。
 

ボブは君のおじさんなんだ、残念だけど

これは、機会についての悲惨な宿命論的な見方だ。ほとんど存在しない多世代のデータセットを使った研究は少しだけより励みになる絵を提供する。4世代にわたる個々の家族をカヴァーしたデータを使ったスウェーデンのマルモの町の分析は、子供の教育的達成とその曾祖父のそれとの有意な違いを見つけ、それはたった一つの世代を見ることが流動性の過大推計につながることへのさらなる証拠だ。同じデータを苗字分析にあわせることで、クラーク氏はマルモでの所得の差の60%は、ひと世代前の経済的利点に帰することができると計算する。彼自身の率よりは低いが、コラック氏のひと世代の推計よりは依然として高い。

ウィートンカレッジのジェイソン・ロングとノースウエスタン大学のジョセフ・フェリーによる骨折り仕事は、違った見通しを提供する。彼らは、過去10年間をアメリカと英国からの国勢調査の結果を浴びることに費やし、子供を持つ家族を数え、同じ子供たちが大人になった時を追い、そうして複数世代のデータセットを作っている。これらの世代の分析は、アメリカと英国の両方で、ある世代での高い(または低い)所得は、少なくとも一つかそれ以上の世代にわたって続くことを示す。しかし、彼らの研究はまた、非流動性の傾向を壊すことが可能だとも示唆する。アメリカと英国の流動率は20世紀の中ごろまでに収斂しているが、19世紀にアメリカの社会的秩序は、英国のものよりもかなり流動的だった。過去は現在にきつい縛りを持っているのだ。しかし、正しい環境では、それは明らかに緩めることができる。
 

Free Exchange欄より
 

発行日: 
2013-02-09
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