核の最終段階 - 大きくなるゼロの訴え

爆弾の禁止は難しいが、不可能ではない

世界から核兵器を取りのぞくことは長い間平和主義左翼の理想だった。しかし、過去数年間、主流派の政治家や退役将校、そして学会の戦略家らが、どのように成し遂げるかについてはとても異なった考えを持っているとはいえ、同じ目標を共有し始めている。それは部分的にはグローバルゼロという来週ロンドンで3度目の年次「サミット」を開催する運動団体のおかげだ。

グローバルゼロは、2006年の終わりにブルース・ブレアによって設立された。彼は、元大陸間弾道弾発射管理官で、数年前にワシントンD.C.でシンクタンクの世界安全保障研究所を始めたブルッキングス研究所のフェローである。彼は、既存の非核化努力とは全く異なった世界的な運動を一から始めることに着手した。

2007年の1月に、重大な記事がウォールストリート・ジャーナルに掲載された。「黙示録の4騎士」として知られるようになるその著者たちは、ヘンリー・キッシンジャー、ビル・ペリー、ジョージ・シュルツ、そしてサム・ナンだ。彼らは皆アメリカの冷戦時代の安全保障の上層部で、核抑止力の信者として申し分のない資格を持っている。彼らは今、世界を安全にすることとは別に、核兵器は耐えられないほどの危険のもとになっていると主張している。
彼らが論ずるには、事故、判断ミス、そして未承認の発射といったリスクは、何年もかけてアメリカとソ連との間で開発された安全保障の安全弁のない比較的新しい核保有国の間で競争している世界では、ますます重大になっているという。北朝鮮のような核武装したのけもの国家(イランもまもなく参加するかもしれない)の出現により、テロリストが核装置をを盗んだり買ったり作ったりする野心をもたせるという恐れが加わった。核兵器のある世界をなくすという強調した努力によってのみ、恐ろしい流れを変えられる。

突然、グローバルゼロは、古い「爆弾禁止」の喧騒から程遠い人々を連れてくることができるようになった。「4人の騎士」から手がかりを得て、ブレア氏は、グローバルゼロが、感激させるように見える目的を方向性として保持しながら、主流派の政治家や外交専門家が支持することのできる実用的な行動を提案すべきだと強調した。「ゼロ」は、古い時代の武器管理を特徴付けることになる秘密の漸進主義よりも受け入れやすいスローガンだ。その懸念の前面に拡散と核武装テロの危険を据え、グローバルゼロは社会の冷戦後の核兵器に対する充足感を台無しにしそうだ。とりわけ、グローバルゼロは、調整され、多角的で、普遍的で、手堅い証拠に裏付けられた現実的な過程を標榜しなければならない。

グローバルゼロは、2008年12月の会議で100人以上の国際的、政治的、外交的、軍事的、そして学問的の大物を引き込んだと発表した。彼らは、実際的で段階的な計画を立案する委員会を立ち上げることに合意した。彼らはまた、共同署名書簡をまもなく面会しようとしているバラク・オバマとそのロシアの相手であるドミトリー・メドヴェージェフに送り、核兵器廃絶への関与と、彼ら自身の保有する核兵器をさらに削減することを促した。
オバマ氏が、より協力的になれたはずがない。2009年4月のプラハ演説で、彼は核兵器拡散についての「運命論」を非難した。ロナルド・レーガン以来のどの大統領よりもはるかに踏み出して、彼は「私ははっきりと、そして確信を持って、アメリカが核兵器なき世界の平和と安全に関与することを言明する。」と述べた。1年後、オバマ氏とメドヴェージェフ氏は新START核管理条約に署名し、「作戦上展開された」戦略弾頭の数をお互いに7年後に1550発にすると制限した。

順風に乗って、グローバルゼロは、2010年2月にパリで集まった。他の100人かそこらの有名な支持者の存在や、オバマ氏、メドヴェージェフ氏、潘基文国連事務総長、そしてゴードン英国首相からの激励メッセージに支えられて、彼らは核兵器廃絶への4段階の計画を発表した。

第1段階は、2010年から13年に運用される予定で、アメリカとロシアに現在それぞれ8,500発と11,000発持っている(この2カ国は世界の20,500発の核弾頭の95%を保有している)核弾頭をそれぞれ1,000発まで減らす2国間協定の交渉に入ることを求めている。これが批准されれば、他の核兵器保有国も自国の兵器庫を凍結することに合意し、第2段階(2014-18)の多国間交渉に参加することを約束するだろう。この段階では、アメリカとロシアが弾頭数をそれぞれ500にまで減らし、他の保有国もその割合で削減することを見込んでいる。

決定的に、第2段階は、民間の核計画によって産み出された核分裂性素材のより厳しい管理を伴った包括的な査察と強制の仕組みを世界が受け入れるということに頼っている。第3段階(2019-23)では、グローバルゼロ協定が法的に合意され、すべての核可能国で署名されることを見込んでいる。最終段階(2024-30)は、その条約を実行する。

その素早い進歩にもかかわらず、来週のサミットの準備をしているグローバルゼロは、克服するのが難しいと考えるかもしれない問題に直面している。その計画の時間割はすでに楽観的に見える。オバマ氏は、新STARTを上院で批准にこぎつけるのすら苦闘している。去年の核不拡散条約の見直し会議は、イランにその態度を改めさせる圧力をかけるのにほとんど進歩がなかった。メドヴェージェフ氏の修辞的な支持にもかかわらず、ロシアの軍隊はますます核兵器に頼り始めるよう意図している。もし進歩が見られるとしても、それはグローバルゼロの主張よりもはるかに遅いペースにならざるを得ない。

より根本的には、グローバルゼロに署名している人がすべてゼロが成し遂げられるとも望ましいとも納得していないことだ。彼らはその旅を支持するが、最終目的地については確かではない。そしてその戦略を最も危険な拡散者と核テロリズムに焦点を当てることによって、厄介な質問を取り上げる。「1分おきに演出された多国間主義は一番の難問について何らかの解決をもたらすのか?」

最初のSTART条約を交渉したアメリカの退職外交官であるリチャード・バートのようなグローバルゼロの説得力のある支持者は、懐疑派によって挙げられるすべての反論に対して妥当な答えを持っている。しかし、もし成し遂げられたこととグローバルゼロの高い野心とのギャップがあまりに広がると、根性ある実用主義を伴った落ち着いた理想主義という彼らの主張は危険にさらされる。
 

発行日: 
2011-06-18
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