説得、説得、考え、考え

公共政策における行動経済学の使用は期待を示す

「フリーコノミクス」は、陰鬱な科学が、人々が現実世界でどのように行動するかについて何か面白いことを言うのだと一般に信じさせた本だ。しかし「ナッジ」は政策マニアを興奮させたものだ。2008年に最初に出版されたその本は、政府の効率性を改善するための行動経済学の潜在性についてだ。行動経済学者はすべての種類の心理学的、神経学的偏りが、人々に彼らの最高の関心に反するように見える選択をさせるということを見つけた。説得(ナッジ)の考えは、選択肢を異なったやり方で人々に示すことによってより良い決断に向かって彼らを導くことが可能だということを示す研究に基づいている。

その理論は、今テストを行っている。その本の共著者の一人、カス・サンシュタインは、バラク・オバマによってホワイトハウスに招聘された。ほかの共著者のリチャード・ターレルは、デンマーク、フランス、そしてとりわけ、デヴィッド・キャメロンがナッジ・ユニットとあだ名された行動洞察チームを立ち上げた英国といったいくつかの国々で、政策立案者に助言をしている。

ナッジ・ユニットは、多くの実験を行っており、初期の結果はうまくいきそうだ。一つの試みでは、「税を払うか、さもなければ車を手放すか」という列に簡単な英語を使うよう、自動車税未納者への手紙が変えられた。いくつかの事例では、問題の車の写真を張ったりして、さらに個人対応した手紙が送られた。書き直された手紙だけでも、税を払った人の数を2倍にした。写真をつけたものは3倍にした。

言葉への変化は、ほかのところでも効果を発揮した。フランスの学校での製図の授業の研究では、その科目が「幾何学」と呼ばれると、男児たちはよくなったことを見つけた。しかし、もしそれが「線描」と呼ばれると女児が同じように良くやるか、さらによくなったのだ。教師たちは、今では適切な言葉を使うよう訓練されている。

英国の別の一連の試みでは、エネルギーの効率性について焦点があてられた。人々がなぜその家を絶縁体で囲むことによってエネルギー消費を減らす金融的動機付けに興味を持たなかったかということへの調査で、その可能性の一つが屋根裏部屋を片づけなければならないからだ、ということが分かった。説得は、いかにして設置会社が、屋根裏の片づけ、不要なものの片づけ、そして設置後に残りを元に戻すのか、ということについて設計された。行動経済学者が「目標置換」とよぶ、屋根裏部屋の片づけをより低いエネルギー利用に置き換えるというこの例は、絶縁補助金の採用を3倍に増やすことにつながった。

このすべての実験は、どの説得が最大の後押しを与えるのかについての洞察をもたらした。一つの疑問は、説得が現存する社会的規範を利用するように設計できるのか、ということだ。コペンハーゲンでは、非営利組織のデンマーク・ナッジング・ネットワークの創業者、ペール・グルドボルグ・ハンセンが、地方政府と提携して、どちらも選択に影響を与えようとした記号を使って二つの潜在的な「社会的説得」を試した。一つの試みでは、人々により健康的な選択を奨励する望みを持って、階段を示した緑の矢が、駅のエスカレーターの横に置かれた。これはほとんど何の効果もなかった。ほかの実験では、一連の緑の足跡がゴミ箱に向かうように書かれた。これらの印は、袋詰めの飴が手渡された管理された実験で、ポイ捨てを46%減らした。「ポイ捨てについての社会的規範はあるが、階段を使うことにはない。」とハンセン氏は語る。

文化についての違いも、大きな影響を持つ。「説得」は、エネルギー消費の多い人に隣の人との比較を教えることがその使用を減らすことを促進するアメリカで一つの例を描き出した。このやり方は今、英国で試されている。しかし、それがフランスで機能するという望みは低い。「フランス人は、アングロサクソンがしたがうよう理解される社会的規範に簡単には従わない傾向にある。」とフランス政府に助言する行動脳科学者のオリヴィエ・ウリエールは語る。「フランスのだれかに、隣人がより少ない電気しか使っていないとか水を節約しているとか教えることは十分ではない。」

説得理論のより大きなテストは進行中だ。臓器提供が一つの分野だ。デンマークでは、説得者は、(たとえば運転免許の申請の時に)提供するか否かの決定をするよう社会のメンバーに要求することは、喜ばしくない選択を引き延ばす傾向を強制的に克服するだろうと説明する。それにより、より多くの人々が臓器提供者になるだろうと彼らは望む。これを要求する法案は、今ではデンマーク議会の前にある。
 

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怠惰が意思決定に果たす役割と、いくつかの選択肢の中で人々が既定のものを選ぶ傾向に、焦点を当てる者もいる。10月に、従業員が積極的に選択肢を外さなければ自動的に参加することになるよう企業年金計画への規定の選択肢を変えるよう、新しい英国の法が変わる。これは大きく退職貯金を殖やすだろうと期待されている。オバマ氏は、その考えがほとんど牽引力を持たなかったけれども、アメリカの401(k)退職制度に何か似たようなものを提案している。

説得理論のもっとも見込みのある試みがいかにして拡大されるかはまだ観察されている。大きな政府の批判者は、説得に懐疑的なままだ。サンシュタイン氏は、シカゴ大学法評論の中の最近のエッセイで、規制負担を減らし政府の透明性を増すより先導的でないその効力を裏書きした。しかし、すべての政策が計画通り機能するわけではない。ウリエール氏は、より多くの画像によってもっとも衝撃を受けるという人がそれを見た後にもっともタバコを吸いたくもなったという調査の後で、例えば、欧州連合がタバコの箱に反喫煙の警告を載せることを試すよう望んでいる。しかし、最初の兆候は見込みがある。もし他に何もなければ、説得革命は政府が簡単な言葉を使うことを奨励し、現実世界での多くの行動を実際に考慮する政策設計を好み、そして、より広い実行の前に小規模に考えを試すことを許す。それは押してみるに値する。

Free Exchange欄より
 

発行日: 
2012-03-24
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