重要な懸念 - アメリカ太平洋政策

軸とか再均衡とか呼んで、アメリカの太平洋政策は少し不安定なように見える

中国を伴う安全保障の発展についての議会への年次報告の中で、ペンタゴンは今週、中国軍の新しいものと古いものを批判した。新しいものは、アメリカの政府を目標にしたサイバー攻撃への中国軍の関与への無遠慮な非難だった。古くて、一般的で、正当化されたものは、「中国の軍事力増強と戦略的意思決定をめぐる透明性の欠如」への不平だった。

しかし、中国は、アメリカ自身の戦略もまたむしろ不透明だと反論したかもしれない。オーストラリア訪問中のバラク・オバマが合衆国はアジアで「より大きく長期的な役割」を果たすだろうという彼の「戦略的意思決定」を説明してから18か月になる。しかし、アメリカ軍の高官の中にさえも、まったくではないにしても、これが何を意味するのかは依然として完全にははっきりしないというものもいる。最初に「太平洋の軸」と呼ばれたその戦略は、のちに「再均衡」と名付けなおされた。オバマ氏の政権による演説の中でのあいまいな言及は、どの書面によっても詳細を加えられていない(実に、今週の努力で見過ごされているのは、ペンタゴンは自身の戦略よりも中国の戦略についてより詳細を語っているのだ)。

ほかの要素もまた、特にアメリカ政府が直面している予算制約を考えると、その軸がどんな未来を持つのかについての疑問を提起している。元国務大臣のヒラリー・クリントンやその上級外交官のジェイムズ・スタインバーグやカート・キャンベルといった、その政権のアジア政策に最も密接に交わっていた高官の中には、よそに移っているものもいる。一方、アメリカを中東で泥沼化させ続けている不安定さと再発する危機は、和らぐ兆候を何も示さない。シリアに介入するかどうかは、今週の白熱しているジレンマだ。イランを含んだほかのことも、後に続くことがほとんど確かだ。来年のアフガニスタンからのほとんどの軍隊の引き揚げは、問題なく終わりそうにはない。そして、現在はコンサルタントのキャンベル氏が4月30日の韓国の首都ソウルでの講演で指摘したように、その作戦の終了はアメリカ軍が「家に来る」ための一般的な口実を強化するだろう。

キャンベル氏はまた、その軸の「意図しない帰結」のいくつかを注記する。ヨーロッパの人々は神経質になっており、それが二者択一の選択を少なくすることを伴う「再均衡」形成への変更への一つの理由である。同じように、アメリカは中東とアフガニスタンから大急ぎで逃げ出していた恐れを鎮めなければならなかった。その困難の一部は、軸の初期の説明の多くが、長期的計画であるその軍事的な側面を強調していたことだ。アメリカは、太平洋でとても大きな支配的な海軍力のままだが、比較的小さな再調整をした。アメリカ海兵隊を北オーストラリアのダーウィンを通ってローテーションし、4隻までの「沿岸戦闘艦」をシンガポールに置き、うち2隻は先月そこについている(その展開が発表されてから、2年がたち、多くの技術的問題があった)。

1年前に、当時のアメリカ国防大臣のレオン・パネッタが、軍事政策に少し肉付けしたのも、シンガポールだった。彼はアメリカの軍艦の60%を2020年までに太平洋に置くという計画を発表した。現在、アメリカ海軍は283隻の軍艦を持っており、そのうち101が展開中で、うち52はアメリカの10の空母艦隊のうち5が割り当てられている太平洋とインド洋にいる。パネッタ氏は、60%の目標にあわせるには何年もかかるだろうが、「安定して、慎重な、そして持続可能なやり方で、合衆国軍は再均衡している」と強調した。今週、ジョナサン・グリーナート海軍大将は、その地域でのその配置は2020年までに62隻までに増えるだろうといった。

軸の軍事的側面への初期の協調にもかかわらず、アメリカはそれが中国を狙ったものではないと主張する。しかし、中国はそれを、一つ目はアメリカ自身のその地域での軍事的能力を強化し、二番目に中国の隣国とのアメリカの友好同盟関係を強めることによって、中国の勃興を封じ込めるアメリカの戦略の一部だとみている。しかし、ここ数か月、特に二つのもっとも重要なアメリカのアジアの同盟国である日本と韓国との間で、これらのスポーク間の関係がいかに脆弱かが強調されている。

最近、その軸の建築家たちは、その経済的外交的側面を強調する傾向にある。彼らは、中国が特に日本とのしかしまた南シナ海での東南アジア諸国との領域紛争にますます攻撃的になっているように見えるときに、それが、アメリカからの一方的な押し付けではなく、その地域へのその関与についての同盟国の心配への反応だと指摘する。だから、クリントン女史は定期的でひどく退屈な地域クラブ東南アジア諸国連合(ASEAN)の会合に出席しただけではなく、アメリカはASEANの主導する東アジアサミットに参加したのだ。2011年と12年の両方に、オバマ氏自身も、海を渡って出席した。

アジアの中では、その再均衡は、北東に対して南東により大きな強調をもたらすことを意味した。事件はむしろ妨げられている。尖閣諸島をめぐる日中間の紛争と北朝鮮の核脅迫を取り巻く危機は、大きなアメリカ軍基地を抱える国々である日本と韓国といったアメリカの同盟国に新たな重みを置いている。グアムや朝鮮近くの海域でのミサイル防衛の強化は、その軸の一部のように見え、中国の評論家はそれが中国自身の核能力に向けられているとみなしている。しかしながら、韓国のアメリカ人戦略家は、それが純粋に北朝鮮の脅威への反応だったと断固として主張する。
 

太平洋横断軸

経済的には、アメリカはしれが支配する海のより大きな原動力にその運命を便乗させたいと思っている。この中心は、今では日本を含んだアジア諸国と北米自由貿易圏の加盟国を集めた野心的な自由貿易協定である環太平洋連携協定だ。再び、中国はこれを封じ込め戦略の別の足だとみている。これは、始まったばかりの軸の、最も深刻な「意図せざる帰結」だ。中国から見れば、ほとんどすべての分野のすべてのことが、それに対する調整された組織行動のように見える。けれども、アジアの他の所から見れば、その努力は全く足りないようだ。中国は警告されているが、アメリカの同盟国はそれにつりあっては安心していない。

Banyan欄より
 

発行日: 
2013-05-11
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