もはや敵ではない - 植物ウイルス

ウイルスは時にその宿主を殺すよりもむしろ救う

歴史は長い影を投げかける。発見される最初のバクテリアの多くは、病気の媒介者で、たとえその1%以下だけしか病原体ではなくとも、それがほとんどの人が今日にいたるまでどうバクテリアを認識しているかということになっている。ペンシルヴェニア州立大学のマリリン・ルーシンクがボストンでのAAAS会議で語ったように、ウイルスについても何か似たようなことが当てはまると判明している。ルーシンク博士は、植物ウイルスについて研究し、そのようなウイルスの多くが宿主にとって無害で、いくつかの場合では実際には利益があるかもしれないと示唆する証拠を組み立てた。それは、生物学に対して示唆を持つ。それは農業にとっても示唆を持つ。

植物ウイルスは二つの変種でやってくる:急性と持続性だ。急性ウイルスは植物から植物に渡され、しばしば病気の認識できる症状の原因となる。持続性ウイルスは、ひとつの成長した植物から別のものへ、というよりもむしろ、ある植物からその種の中の子供に渡される。それらは植物の中に低い水準で持続し、めったに認識できる有害な症状の原因とはならない。

科学的研究は、明らかな理由で急性ウイルスに集中する。しかし、これは、ほとんどの植物ウイルスが急性であるとの印象を作り出している。ルーシンク博士は、それが本当ではないと考え、見つけ出すことを決めた。現代遺伝学の道具を使って、彼女はウイルス性RNAを二つの場所(一つはオクラホマでもう一つはコスタ・リカ)の多数の植物品種で探した。

その親類のDNAのように、RNA分子は長い撚糸になっている。普通二重の撚糸になっているDNAとは違って、RNAはふつう一つの撚糸だ。二重の撚糸になっているウイルス部分を除いてだ。それにより、ルーシンク博士がしたように、ウイルス性RNAを孤立させ区別するのが簡単になる。

彼女はそのトロールの中に何千もの新しいウイルスを見つけ、その混じったものは知られた植物ウイルスのそれとは著しく違った。ウイルスの世界は、科に分けられ、知られている限りにおいては、あるかのすべてのメンバーは急性か持続性かのどちらかだ。ルーシンク博士の網の中のウイルスのほとんどは科学にとって新しいけれども、それらのRNAはそれらがどの科に属しているかを与えた。ほぼ半分は、持続性ウイルスだと判明した。以前のデータでは、その数字は1%以下だった。

ほとんどの場合ある植物品種のすべてのメンバーが感染しており、比較のためのウイルスに感染していない固体が存在していないので、これらのウイルスが贈るかもしれない利益を定めるのは難しい。しかし、ルーシンク博士は、その宿主の役に立っているいくつかのウイルスの例に出くわした。

ひとつの発見は、植物学実験で広く使われるベンサミアナタバコという植物に遺伝子を持ち込むためにウイルスを使って試みた実験の結果だった。彼女とその同僚は、偶然この植物の中に旱魃への抵抗を与えるウイルスを見つけ、関連したウイルスへのさらなる実験は、それが15の別の植物品種にも当てはまったと示した。

これらのウイルスは、疑いもなく急性だ。しかし彼女はまた、利益のある持続性ウイルスの例も持っている。イエローストーン公園での間欠泉帯の暑くて好ましくない環境で育つ草の品種を調べた彼女の実験は、その熱への耐性が、それ自身その草との共生関係にある菌の中に住んでいるウイルスによって与えられたものだと示した。ウイルスがなければ、熱への耐性もないのだ。

ルーシンク博士は、幅広い植物でウイルスによってもたらされた熱耐性を見つけるためにコスタ・リカで実験をしており、他の種の持続性ウイルスの宿主への利益を解き放つためにこれらを拡大したいと思っている。それは、(人類を含む)多くの生物が自給自足というよりもむしろ強制に頼っているという、急速に増える生物学者によってもたれる見方を照らすのに役立つだろう。人類の場合、共生者は腸バクテリアで、それらは食物の消化を助け、生理機能を規制もする。

ルーシンク博士の仕事は、応用もできるかもしれない。植物育成者と遺伝技術者は、何年にもわたって農産物の旱魃体制を得ようとしている。彼女の研究は、彼らが間違ったやり方をしていると示唆する。農作物自身の遺伝子を改善しようとする代わりに、彼らは農作物のウイルスを見るべきであり、ウイルスについての伝統的な見方と矛盾するように、農産物をウイルスフリーに保つためにすべてを自分の力でやるよりもむしろ、実際は新しいウイルスの撚糸に植物を感染させるべきなのだ。
 

発行日: 
2013-02-23
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