公平な税制とは何か? - 消費税再論4

さて、消費税の構造についてもう一度まとめておきましょう。前回も書いたとおり、個人はもちろん消費税は価格に上乗せされていますので、そのまま支払わなければなりません。一般の人は、それを経費に算入することも、事実上経費扱いの控除の額を増やすこともできません。つまりまるまる全額支払うことになります。一方で法人はどうでしょうか?法人が消費税課税の財やサーヴィスを購入すると、それらは経費どころではなく資産として計上できます。つまり、どれだけ無駄遣いして赤字を出しても、消費税相当分はまるまる帰ってくるのです。消費税増税は、法人の体質強化だ、などと言いつつ、実は赤字のゾンビ企業を支え続けるための、事実上の既得権益に対する補助金なのです。

こういう構造の下で法人税の減税を進めるというのはどういうことを意味するのでしょうか?法人間の取引が増加しても、その構造として消費税の納税額が増えることはありません。つまり、法人減税は、消費税に何のインパクトも持たない、むしろ(特に対応する仮受勘定がたたない輸出で)仮払い消費税の計上が増えることを考えると、負のインパクトを持つ政策なのです。消費税で税収を増やしたいと言いつつ、それを増やすための個人所得税を減税するのではなく、負のインパクトを持つ法人減税するというところで、こういう政策を評価する人々の頭の中の混乱ぶりが手に取るようにわかります。

公平な税制を言うのならば、法人税議論でよく言われているような課税ベースの平準化こそをまず消費税で進めるべきなのです。つまり、個人も法人も全額資産計上させるか、どちらも経費計上させるか、もしくはどれもさせないか、のどれかしかありません。以前控除増額について否定的なことを書きましたが、それはこの課税ベースの平準化と整合性が取れなくなるからです。もし控除で対応するのならば、法人の消費税についてもすべて控除で対応すべきでしょう。いずれにしても、現在議論されている消費禅は、とてもではないが公平な税制とは言えません。

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