雪の竜たち - 北極ルート

北極が溶けるにつれて、アジアはリスクにぞっとしているが、機会によだれを流している

北極は、誰の予想よりも早く溶けている。海の氷の地域がこれまでにないほどに小さくなったと報道されたばかりだ。そして、8月にかつての年間最低点をすでに超えて、それは9月にさらに縮むだろう。1951年以来、北極は地球平均のほぼ倍で温暖化している。だから、最新の記録は、気候変動の進行の恐ろしい一里塚だ。だが、多くのアジア人にとっては、短期的には、強欲さが恐れに勝っている。北が溶ければ、膨大な鉱物の富に手が届き、大西洋への航路が劇的に短くなる。

合衆国地質調査所は、世界の未発見の天然ガスの30%程度と未発見の石油の13%の埋蔵が、北極に横たわっていると推計している。それはまた、石炭、鉄、ウラン、金、銅、レアアース、宝石、などなど、もちろん魚も、を含んでいる。北東アジアの資源に飢えた経済である中国、日本、韓国にとって、これらの富を開発する機会は、逃すことができないように見える。

大西洋から北アメリカの上を通る北西航路と同様に、北極海ルート(NSR)としても知られるロシアの上を通る北東航路が毎年夏の数か月間通ることができるようになるという望みもそうだ。NSRは上海からハンブルグまでの航海を、マラッカ海峡とスエズ運河を通る南回りと比べて6,400キロ縮める。それは、北極点の氷をくだいて進むことが可能な時でさえ、それよりも短い。

同じ証拠で、シンガポールやマレーシアの、そしてスリランカのハンバントタといった、そのルートに沿って成長している赤道沿いの港は、その将来について心配しているかもしれない。2010年に、たった4隻の船がNSRを使っただけだった。去年、(スエズ運河を通ったものがほぼ1.8万だったのと比べて、)34隻だけがそこを通った。この8月、世界最大の非核エンジン砕氷船の雪竜が北のルートを横切った最初の中国船になった。

北極を見ているすべてのアジア諸国の中で、最も関心を掻き立て、一部には多くの理由で警告を掻き立てているのは、中国であるのは避けられない。それは大きく、エネルギー供給の安全がほしくてたまらず、4/5のエネルギー輸入がシンガポールのそばのその狭い海峡を通って輸入されるという「マラッカのジレンマ」によって暗示される戦略的脆弱性について神経質になっている。だから、中国は、北極に財政的にも外交的にも投資してきた。ワシントンのシンクタンク、北極研究所のマルテ・ハンパートとアンドレアス・ラスポトニックによる記事は、中国が(全体でみれば韓国もそうだが)アメリカよりも多く北極調査に支出していると注目する。それはノルウェー最北端のスヴァールバル諸島に調査基地を持っており、2014年に就航予定の雪竜の姉妹船を作っている。

その指導者はしばしばその地域を訪れ、日本、シンガポール、韓国を含んだ9つのほかの国のように、北極評議会の常任オブザーバーの地位を得るよう活動している。その評議会は、アメリカ、カナダ、デンマーク、ノルウェー、そしてロシアという北極海上にある5か国と、北極圏にあるほかの3か国(フィンランド、アイスランド、そしてスウェーデン)のための主要な政府間フォーラムだ。中国は次の5月の閣僚級会議に考慮に入れられるようにとてもその申請について気にしているので、投獄された中国人反体制派劉暁波に2010年にノーベル平和賞を与えたことについてのノルウェーへの怒りについて飲み込む準備ができている。

一方で、中国の北極における「権利」について、そこの報道機関と学会で、幾分過度な議論が行われている。2010年のその議論の調査で、当時ストックホルム国際平和研究所にいたリンダ・ジョンソンは、大連海事大学の学者、李振福(Li Zhenfu)を引用した:「北極ルートを支配する者は誰でも、世界経済と国際戦略の新たな道を支配する。」李氏とほかの中国人学者は、北極海における中国の利益を主張するために政府にもっとやるよう促している。

しかしながら、政府はまだ公式政策を詳細に説明していない。それは多くの制約に直面している。最初に、北極海の資源のほとんど(ある中国の推計では88%、そしてデンマークのものでは95%)が、海洋法に関する国連条約(UNCLOS)の下で特にロシアである5か国の沿岸諸国によって享受される200カイリ排他的経済水域の中にあるということだ。中国が、アメリカ以外の北極評議会のすべての加盟国と同じように批准しているUNCLOSに挑戦して北極を使いたいと思う様子はない。中国はほかであまりに多くの海洋紛争を他で抱えており、完全な無法者のようだとは見られたくはない。それはまた、極限状況で穴を掘り採掘する専門性も持っていない。それは、北極諸国と協力する必要があるだろう。

NSRの航路は簡単な恩恵でもない。たとえそれが海運に開かれているときでも、それは危険な航路のままだ。ロシアは積替え料と水先案内料で法外な価格を取り立てると予想される。そして、北東アジアの貿易の傾向は、ほかのアジア、アフリカ、そしてパナマ運河の拡幅が北極が溶けるよりも大きな影響を持つラテンアメリカに向けて変わっている。マラッカのジレンマは残る。
 

それは賢いのか?

似たように、シンガポールは、アジアの2つの大きな大陸経済インドと中国の真ん中というスタンフォード・ラッフルズが見つける前のその場所にとどまる。北極はとても遠回りだ。高官の中には、彼らは恐れているが、350年間議論され、実現まで同じくらいかかるかもしれないタイ半島南部のクラ地峡をまたぐ運河を建設する計画についてほどではない、というものもいる。

もちろん、北極が溶けることが、シンガポールやまったく地球のほかの部分に何のリスクももたらさないということにはならない。地球温暖化が気候傾向を乱し、海水面を上げ、大量移民を強いるにつれ、横浜からロッテルダムへのより速いルートはほんの小さな補償のように見えるかもしれない。そして、溶けていない水域から鉱物を抽出するよう争うのは、愚の骨頂だ。

Banyan欄より
 

発行日: 
2012-09-01
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