いい男たちはしばしば悪い - 南アフリカの歴史

いかに陰謀の過去が現在に影響しているか

「外部の使命:亡命中のANC 1960-1990」 スティーヴン・エリス著 書評

“External Mission: The ANC in Exile, 1960-1990” By Stephen Ellis

行間から明らかに痛みを伴い明白な、亡命中のアフリカ民族会議(ANC)の、スティーヴン・エリスによる歴史の真のメッセージは、いかに陰謀の過去が現在の与党に影響しているかということだ。それは、なぜ今南アフリカを動かしている亡命中のANCの諜報部門長だったジェイコブ・ズマ大統領とその僚友たちが、意見の多様性と異議への寛容性がどんな機能するきちんとした民主主義の中心でなければならないかの概念を受け入れることがそれほど難しいと考えているかを説明しようとしているので、不快な読み物になっている。

エリス氏はアムステルダム自由大学でデスモンド・ツツについての講義を担当し、長い間ANCを批判的に見てきた。1990年代後半に、彼は、アパルトヘイト体制による複数の虐待を主に調査したが特にアンゴラ、タンザニア、ウガンダ、そしてザンビアでのそのゲリラキャンプでの亡命中に自国民に対してANCによって行われた人権侵害の調査には特に熱心ではなかった南アフリカの真実和解委員会の研究者だった。

「外部の使命」はANCのイデオロギー的戦術的紆余曲折の徹底的な調査だ。それは、ANCが違法化され亡命に追い込まれた1960年代にはじまり、ネルソン・マンデラが27年の獄中生活から解放されついには1994年にANCの保護下で黒人多数派がのっとった南アフリカの白人支配者との交渉にひきこまれた1990年に終わっている。

マンデラ氏が彼の解放と多数派支配との間の変化を素晴らしく動かした一方で、ANCの散発的で一般的に弱々しいゲリラ活動は最後にアパルトヘイトを下すのにはほとんど何の役割も果たさなかった。労働者のストライキ、地元の路上デモ、そしてチェース・マンハッタンのような銀行が南アフリカの債務の借り換えを拒絶したことの方がはるかに効果的だった。

ANCと南アフリカ共産党との間の亡命中のかつてないほどに進んだ関係は、摩擦と陰謀の絶え間ない源泉だった。亡命者の多くは両方のメンバーだった。エリス氏のような南アフリカウォッチャーは、絶え間なくそのような忠誠を見つけようとしている。マンデラ氏は、明言しているように、共産主義者の中央委員会に選出されたが、彼の主たる忠誠はANCに対してだった。1999年にマンデラ氏の後を継いで大統領になったターボ・ムベキも、同じように両方の帽子をかぶった。彼の父親ゴヴァンは指導的で熱心な共産主義者だった。しかし、ターボは、ANCのロシアの支持者を動かす名人だったが、決して共産党を一番に持ってくることはなかった。彼とマンデラ氏は両方とも、かつて権力の座にあった民族主義者(すなわち非共産主義者)のキャンプに方向転換した。1962年にまだ自由だったマンデラは、南アフリカからアルジェリア、エジプト、そしてガーナに、MKとしても知られるANCの軍事部門のウムコントゥ・ウェ・シズウェ(国の槍)への国際的な支持を懇請するために出発した。彼はその年の7月に帰国した。スロヴォ氏は「我々は(マンデラを)アフリカに共産主義者として送り出したが、彼はアフリカの民族主義者として帰ってきた。」と不平を言ったと言われる。

エリス氏はMKの高度の支配が共産主義者の中央委員会の支持のもとにあったと主張する。MKの主要人物で長きにわたる共産主義者だったズマ氏は、亡命中の全運動に浸透した偏執と不信の感覚に免疫がなかっただろう。

その本の二つの側面が特に混乱させる。一つ目は、ANCのゲリラキャンプでの虐待、(しばしば孤独拘禁の)投獄、叩くこと、そして死刑を含んだ暴力の程度と、それらのことについて謝ることは言うに及ばず、1994年以後にそれを認めることのたぶん理解できる躊躇だ。1984年までに、ANCは7人のゲリラをくびにして死刑に処し、別の8人をアンゴラのパンゴキャンプで死刑宣告した。確かに、アパルトヘイト体制はそのような場所にスパイを潜入させていた。エリス氏は、亡命中のANCの何人かの指導的人物が実は体制の諜報部門によって転向しており、何人かは自由の国に戻った時に不思議な死に方をしていると明らかにする。しかし、キャンプでの問題のほとんどは特に共産主義者でもあったANCのボスたちが異議に寛容であることを拒絶したことによっておこった。

厳密に冷静なエリス氏によって明らかにされた別の心配なことは、ANCが国に戻る間とそのあとにその治安諜報部門が、最も陰のある承認破りの何人かを含んだ、白人体制そのもののたちの悪い治安機関の何人かと一緒に、黒人白人両方の、アパルトヘイト時代の犯罪的な闇世界の残忍な男たちの多くを選出したそのやり方だ。ANCの最初のアパルトヘイト後の防衛大臣のジョー・モディセは、はっきりと一流の犯罪者だった。不正の文化は明白に亡命中のANCの部門に浸透していた。権力に就いた党と一緒に母国に戻り、それは悲しいほどに依然としてはびこっている。エリス氏はなぜかを調べる途中にある。
 

発行日: 
2013-01-12
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