愚者の金 - 南アフリカの積極的差別是正措置

黒人の経済的権利付与はうまくいっておらず、それはすぐに終わることもない

マンペラ・ランペレほどアパルトヘイトの恐ろしさをよく知っているものはほとんどいない。彼女の恋人で黒人意識運動の創始者スティーヴ・ビコは、1977年に警察による拘留中に撲殺された。南アフリカの与党アフリカ民族会議(ANC)のように、今では野党政治家のランペレ博士は、政府は白人優越主義者による半世紀の支配の傷をいやそうとすべきだと信じている。しかし、彼女はそれについて行われている方法を好まない。

3月に、ランペレ博士は、政府が彼女がかつて会長を務めていた鉱山会社のゴールド・フィールズに、ANCとつながりを持った共同事業体にその事業の株を売るよう強いたと主張した。その共同事業体の73人の人々の中には、ANCの議長と2006年の強姦についての審理でジェイコブ・ズマ大統領を弁護した弁護団の一人が含まれていた。ゴールド・フィールズはその主張を否定したが、2010年の取引への独立調査をけしかけているという。

その議論は、ANCの「黒人経済的権利付与」(BEE)政策に付きまとう多くの一つだ。アパルトヘイトが1994年に終わった時、ANCは黒人南アフリカ人をより豊かにすると約束した。これを達成するために、それは白人所有事業の株式の黒人投資家の新階級への移転を促進している。主張されたトップでの変化は、黒人の雇用と昇進での障害を取り除くことによってさらに下での変化を育てるだろう。

最初のBEE取引は、その国の最初の多人種による選挙の前の1993年だった。保険会社のメトロポリタン生命は、ネルソン・マンデラの元侍医のようなコネを持った黒人によって所有された持ち株会社のメットホールドに株式の10%を売った。BEE事業が真に始まった年の1998年には、総計210億ランド(当時38億ドル相当)の価値がある111の取引があった。

アパルトヘイト下では資本蓄積できる黒人はほとんどいなかったので、株式は一般的に割引でしばしばその会社自身からの融資によって売られた。その多くは影響力のある黒人株主にせがむのが賢いと判断した。その移転は、もともとは自発的なものだったが、変化のペースがゆっくりなことにイライラしたANCは、今ではそれを加速するのに国家権力を使っている。

加速装置の一つは、鉱業、通信などの規制部門への免許の褒賞だ。もし会社が大きく「権利付与」していなければ、すなわち黒人の手にある株式や職があまりに少なければ、それは操業免許を獲得したり維持したりできないのだ。これが、ランペレ博士がゴールド・フィールズに治させたと主張した脅しだ。国の支援を受けた貸し手は黒人所有事業を好む。運輸やエネルギーの黒人所有事業は黒人所有の供給者を好む。

様々な法がその圧力に加わる。1998年の雇用平等法は、大きな会社にその労働力を人種的に「代表している」ようにするよう努力を強いる。50人以上を雇っている会社は、少なくとも2年ごとに、店の売り場から重役室まですべての階層でその職員の75%を黒人に、10%をカラードに、3%をインド人に、といった具合にすることに向けての進歩を報告するよう求められる。それに従う「ほどほどの」努力を示すのに失敗すれば、90万ランド(9.7万ドル)までの罰金となりうる。

年間売上3,500万ランド以上の事業もまた、「広範囲BEE」と呼ばれる2003年の法に従うよう期待される。この法律は、黒人労働者の昇進や訓練と同様に、黒人の所有権を目標とする。民間企業は、黒人所有供給者から買ったり、それらを立ち上げるのを助けたりすることによって、権利付与ランキングを強めることができる。南アフリカ事業のトップの白人エリートに、超富裕の黒人のかけらが参加している。フォーブス誌は、今ANCのナンバー2(でそれ故に次の南アフリカ大統領)である組合のボスからのし上がったシリル・ラマポーサが6.75億ドルの資産を持っていると推測する。政府の職を持った黒人中産階級も、現れている。民間企業では、教育を受けた黒人は、似たような資格の白人よりも高い給与を占める。大雇用代理店のアドコープによると23%多くだ。黒人と白人の間の不平等は、結果として少し狭まっている。
 

どこへも行っていない

しかしながら、たくさんのより貧しい黒人たちは、多くは改善していない。多くは職場からまとめて締め出されている。失業率は、白人の間で5.6%であるのと比べて、黒人の間では28.5%だ。もし仕事がほしいがそれを探すことを諦めた人々を含めれば、非就業率は白人の間での7.5%と比べて大きな41.6%になる。

欠陥があるにしても、その政策は重要だと信じるものもいる。「現実は、BEEがなければ経済に同じ水準の黒人参加はないだろう、ということだ。」BEEについて会社に助言をするロスチャイルドのマーティン・キングストンは語る。しかし、その利得は、その政策の意図せざる帰結に対して考察されなければならない。

かわいそうなほどわずかな黒人南アフリカ人だけが、完全に新しい事業を作り出すことによって豊かになっていない。たぶんそれは、既存企業の株式を取得して金を稼ぐ方がはるかに簡単そうだからだ。2008年の株価崩壊は、株式を買うために借りた融資よりも価値の低い資産を持った多くの大物志望者を残した。

ゴールド・フィールズを巡る申し立ては、一般的な傾向に合っている。BEEの取引においては、事業能力よりも政治的コネの方がしばしば問題になる。費用の掛かる官僚主義は、黒人所有の企業すらも向き合わなければならない人種的目標を強いるよう成長している。地位は、資格のある黒人職員が足りずに空席のままだ。事業の中には、法律に引っかかることなく技能の不足をふさぐために白人専門家をフリーのコンサルタントとして再雇用しているところもある。

経済への黒人参加をより大きくするのを縛っている制限は教育だ、とBEEを廃止するよう求めているシンクタンクの南アフリカ人種関係研究所のルーシー・ホルボーンは語る。黒人専門家の割合は36%で、それはだいたい40%という黒人学位保持者の割合にかなり近い。しかし、それは黒人層労働力の75%の割合には満たない。満たすべき熟練労働力がないのに割り当てを設定するのはよいことではない、とホルボーン女史は語る。

BEEを捨てるという要求にこだまする事業家や政治家はほとんどいない。ANCは権力を失おうとしておらず、賢明な事業家ならばそれに背きたいとは思わない。BEEのルールを廃止するどころか、その政府はそれを無視した企業によりきついペナルティをかけようとしているのだ。
 

発行日: 
2013-04-27
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