自発的ではない燃焼 - 東南アジアのスモッグ

森林火災が記録的な水準の大気汚染をもたらし、その終わりは視界に入っていない

儲かるパーム油のプランテーションのためにインドネシアが産業規模にその豊富な森林を最初に伐採し始めた1980年代中ごろ以降、「もや」は東南アジアでほとんど年中行事になっている。伐採された森林地帯をきれいにする最も安い方法は、燃やすことであり、それは風に運ばれて数百、いや数千平方マイルを覆うかもしれない汚い白い煙の酸性の雲を生み出す。

その間の何十年間かは、火災を止めるためのおびただしい全国そして国際的な規制の可決を経験しているが、すべてが役に立っていないようだ。過去2週間に、これまでで最悪のスモッグのいくつかを経験しており、人々の肺、喉、そして気分だけではなく、外交関係とインドネシアの環境のイメージを改善するための試みにも、深刻な損害を与えている。さらに悪いのは、抗議にもかかわらず、今後数年間でいかに問題が改善するのかを見るのは難しいということだ。

乾季ごとに始まるほとんどの火災は、今年はスマトラ島の東岸のリアウ州に集中している。インドネシアはパーム油の世界最大の生産者であり、リアウは最も生産的な州だ。シンガポールとマレーシアにとって悲しいことに、それはマラッカ海峡を丁度またいだところにある。6月16日から、シンガポールとマレーシアのかなりの部分が、今年の火災からのスモッグで覆い隠された。

シンガポールでは、その汚染は史上最悪で、その靄が6つの国とたぶん7,000万の人々に影響した1997年の以前の記録を打ち倒している。当時、空気の質を計測するシンガポールでの汚染物質標準指数(PSI)は、「とても不健康」と定義される、パニックを誘う226に達した。6月19日には、対照的に、PSIは「危険」と定義された300を超えて上り、6月21日には401で頂点に達した。政府はマスクを支給し、ほとんどみんなが屋内にとどまるようにと言うその助言を受け入れた。マレーシアは、シンガポールのPSIとほんの少ししか違わない大気汚染指数が500を超えたとき、南部ジョホール州の一部に緊急事態を宣言した。それは6月23日には750に達した。首都のクアラルンプールと沿岸の町も、何百人もが非難したリアウ州自身と同じように、ひどく影響を受けた。

地域の政治的グループ東南アジア諸国連合(ASEAN)内部の友愛関係は、素早く分解して辛辣な非難転嫁になった。インドネシアでその危機への対応を担当する大臣のアグン・ラクソノは、シンガポール人が「そのように動揺して子供のように」行動している、と語った。シンガポール人とマレーシア人は、インドネシアが2002年の越境靄汚染協定を批准していない唯一のASEAN加盟国だと指摘した。インドネシア大統領スシロ・バンバン・ユドヨノがそのひどく起こった隣国たちに謝罪したのは、被害が起こった6月24日になってからだった。

少なくともインドネシアの3つの法が、森林、そして特にスマトラ島の広大なピート湿地帯の焼却と伐採を禁止している。しかし、環境活動家は、その政府がこれらの法律を真剣に施行していないと論ずる。今週のスマトラでの現行犯と思われる8人の逮捕にもかかわらず、何年間も火をつけたことについてうまく訴追されたものはほとんど誰もいない。インドネシアにとってのパーム油の経済的重要性は、その産業を守る余裕があるようだ。去年の輸出は合計で179億ドルになり、石炭に及ばないだけだった。500万人程度の人々がその産業で暮らしを立てている。これらは、比較的貧しい田舎で大きな数だ。

スマトラで火が燃えている広大な土地の約半分は、その多くがマレーシアに所有されるパーム油の複合企業体に属している。彼らは、パーム油のための土地使用権をより多く更地にするために、過去に違法に着火したとして非難されている。衛星画像は、彼らのいくつかの土地の上で火が燃えているのを示しており、インドネシア政府は調査したいと思っている8つの会社を名指ししている。そうだとしても、避難を割り当てるのはとても難しいだろう。一つの会社でシンガポールにあるアジア太平洋資源国際会社は、その土地で3つの火災が起きていることを認めるが、これらが「もともとはその免許地区外で始まった」と主張する。

別の長期間続く問題は、腐敗だ。今年の災害は、2003年以来リアウの州知事を務めているルスリ・ザイナルの逮捕に先だって6月14日に起こっている。彼は、とりわけやってくる再選運動の金融のために違法の伐採許可を配ったことで告訴された。一般的には民主主義に良いと考えられた2001年のその国の政治的分権化の下で、土地利用を規制する権利はジャカルタから地域、そしてしばしば地区レヴェルの政治家に手渡された。彼らはしばしば資金調達のためにこの権威を濫用している。
 

ピートのために

リアウでいま燃えている地域の多くは、何年もの激しい森林伐採の後で残されたほとんど全てであるピート湿地帯だ。スマトラで30メートルの深さまで潜り込みうるピートは、何メートルも下がっても、かなり燃えやすい。表面に水を掛けられた火は、ずっと後まで地下でくすぶるかもしれない。ピートを商業開発で燃やすことは違法だ。しかし、過去数週間が証明しているように、その法は十分ではない。そして、晴れた空ときれいな空気を望んでいる人々には不気味なことに、たくさんのピートが残っている。
 

発行日: 
2013-06-29
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