縄目を解かれたプロメテウス - 幹細胞療法

研究者たちは、まだ器官再生の古い夢を実現していないが、それは近づいている

ゼウスによって岩に縛り付けられた巨人のプロメテウスは、器官が毎晩再生するので、わしが彼の肝臓を大いに食べる毎日の虐待に耐えた。この光景に比べて、今週のネイチャー誌のウェブサイトの映像は、断然退屈だ。それは、ピンクの点の集まりをより暗い中央の塊に統合するのを示す。

しかし、何か巨人的なものが実に起こっている。ピンクの点は幹細胞で、その映像は肝臓のように見え、そのように行動するものである肝臓の芽の発展を示すのだ。その映像を作った日本の横浜市立大学の武部貴則と谷口英樹は、機能する人間の肝臓組織を作り出している。

研究者たちは、長い間、再生医療として知られる熱望である、幹細胞が傷ついた組織を修理したり、それにとってかわるために使われるかもしれないことを、長い間夢見ている。ES細胞は特に、他のどの細胞にもなりうることを意味する「多分化能」だ。そして今、多分化能性を、まだ胚から出ておらず、故にかつてはそれらを取得することに結び付いていた倫理的地雷原を迂回する細胞の中に誘導することができる。

去年、京都大学の山中伸弥は人工多能性の発明で、ノーベル賞を取った。彼は、いかに4つのシグナルタンパク質が大人の細胞を多能性状態に再プログラムできるのかを示した。肺細胞の倫理的問題に対処する以外に、山中博士の人工万能幹細胞(iPS)は、少なくとも理論上は、患者自身の体から作りだされた物での治療をできるようにする。これは、彼自身の遺伝構成を持ち、故に彼の免疫システムの注意を惹きつけないだろう。そのような治療を実現することは、ひどく難しかった。しかし、ネイチャー誌の武部博士の論文は、プロメテウスの夢がゆっくりと活気づいているいくつかの兆候の一つだ。
 

芽を出しかけた望み

多能細胞の医療試験は、胚からの細胞しか利用できなかった日々に戻っているけれども、すでに起こっている。先進細胞技術(ACT)と呼ばれるアメリカ企業は、盲目の原因である黄斑変性症を治療するために、それらを使っている。去年、それは二人の患者で見通しのある結果を報告し、その社長のガリー・ラビンはテストを続けると語る。

けれども、たとえこの特定のやり方がうまく行っても、それはiPS技術に追い越されそうだ。日本人が、驚くこともなく、主導している。間もなく、その国の厚生労働大臣は、同じく黄斑変性症への、iPS細胞の最初の医療試験を承認することが予想されている。しかし、ACTは大きく遅れているわけではない。彼らは、iPS細胞から作られた(凝固に関わる血液細胞のかけらである)血小板の試験を始めたいと思っている。そしてほかの会社は、パーキンソン氏病から緑内障、そして多発性硬化症まですべてを治療したいと思っている。

学界も同じように前に押し出している。山中博士の研究に感銘を受け、人々は多能性への他の近道を探している。例えば、スタンフォード大学のマリウス・ウェルニッヒは、結合組織細胞を神経に変えるために、いかにして3つのたんぱく質を使うかについて努力している。サンフランシスコのカリフォルニア大学のディーパク・スリヴァスタヴァは、一方、結合組織を神経細胞にどのようにして変えるかを示している。

他の研究は、単純な細胞培養を越えて進んでいる。2011年に、神戸の理研の発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹は、いくつかの適切な成長要素と混ぜ合わされた時に、いかにマウスの胚幹細胞が速く神経の前身細胞からできた3次元の群れを形成するかを示した。この群れは、それから、目の裏側に似たものに変わる。去年、笹井博士はその技を人間の細胞で繰り返した。

夢は、複雑な器官を一から作ることだ。これを心に留めて、ノースカロライナのウェイク・フォレスト大学の研究者たちは未熟の腎臓細胞を使って人工腎臓を作り出すために3次元印刷機を使っている。しかしもしそのような器官を人々の中で働かせるのならば、それらは酸素と栄養分を届けるために血管が必要だろう。

それをするための方法は、矛盾したことに、科学者があまり多くすることはないかもしれない。研究所の中で全器官を作る代わりに、彼らは、笹井博士がその原始網膜でしたように、それほど発展していない形態を作りだし、それから残りの仕事を体に任せるかもしれないのだ。

これが、武部博士が彼の肝臓の芽でしていることだ。彼は幾つかのiPS細胞を肝臓内胚葉細胞になるよううまく取扱った。(内胚葉は、最も若い種類の胚が作られる三つの細胞層の一つで、そこから肝臓が発展する層だ。)彼はそれから、それらを二つの他の細胞型と一緒に培養した。へその緒からできた血管の内層を構成する内皮性細胞、そして、多能細胞ほど多くはないけれども、いくつかの種類の細胞に分化することができる骨髄からの間葉幹細胞だ。

間葉幹細胞なしの培養は、群れを作るのに失敗した。内皮性細胞なしのものは、血管網を作り出すのに失敗した。しかし、その三つの型の細胞を、わずかな追加の刺激とともに一緒にすると、2日以内で芽を形成したのだ。

6日で、この芽は、肝臓の初期のマーカーとして知られる遺伝子を発現した。そして、武部博士がそのような細胞を拒絶しないよう免疫制度を無効化したマウスの脳に移植し(彼は、何が起こっているのかを見ることができるように、小さな透明な板を頭蓋骨にはめるのが簡単なので、脳を選んだ)、2日でそのマウスの欠陥システムにつながったことを観察した。

2か月後、その芽は肝臓のように見えるだけではなく、そのように行動した。それらは肝臓特有のたんぱく質を生み出したのだ。そしてもし武部博士がそれらを、最初にその本当の肝臓の失敗を惹き起こして、ホストの腹部の空洞に移植すれば、移植なしでは死んだだろうものよりもそれらはしばしば生き続けた。

この研究を、その古い肝臓が活動をやめた人々に新しいものを成長させる方法に翻訳するのには、時間がかかるだろう。しかし、それは大きな一歩だ。何年もの約束の後で、再生医療はもうすぐ届けられるかもしれない。
 

発行日: 
2013-07-06
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