足を踏み外して - スワジランド

彼の国が危機にある中で、王は自分を甘やかす

スワジランドの年に一度のリードダンスの週に、多くの無垢な少女たちがその南部アフリカの王国中から王母の王宮であるルドジドジニにやってくる。マ ランガの二重の滝のすぐ下の小ウスツ川の岸で、その女性たちは大きな葦を切って積み重ね、象徴的な砦としてフェンスに立てかけるために、その女性指導者の 牛の柵のところに運ぶ。その儀式は、その女性たちが地域別にわかれた集団になって歌って踊る2日間のパレードで最高潮を迎える。ムスワティ3世王はレパー ドの皮の腰巻を巻き、3本の緋色の羽根を髪につけて王座からそれを見る。時々、彼はこの行事を新しい妻を選ぶのに使う。彼は今13人持っている。

南半球でもっとも小さな国の一つであるスワジランドについての旅行記は、その国をもっとも古い君主の一人の母国として高貴な伝統をたたえた地である 「アフリカのスイス」として描く。実際は幾分異なっており、リードダンスは適切な事例だ。その儀式の外観にもかかわらず、ムスワティが多くの妻を持ってい ることは、今日、世界で最もHIV/AIDSが蔓延していることを思えば、無責任に見える。妊婦の感染率は41%で、スワジ人の平均寿命は43年に下が り、スワジ人の子供の31%が孤児だ。同じように、王の2億ドルと推計される富と、王室の取巻きによって膨れ上がったスワジランドの高給の官僚制度は、失 業率が43%でスワジ人の63%が1日2ドル以下で生活していることを考えると、威厳があるとはいえない。

世界最後の絶対君主の一人として、43歳のムスワティはますます、国の思いやりのある父と言うよりも独裁者として振舞っている。彼は、政府、司法、 軍、警察、そして立法に究極的な権威を持つ非常統治権を持って支配している。彼に反対するものは、注意深く歩かなければならない。人民統一民主運動 (PUDEMO)の指導者マリオ・マスクが我々と首都のムババーネの郊外の隔離された喫茶店で会うことを指定した時の彼の用心は理解できるものだ。マスク は、反乱とテロの罪で数年間投獄されていた。

2008年にムスワティの政府は、多党制民主主義と透明な政府を提案したマスクの党を禁止し、テロリスト集団だと指定した。多数のPUDEMOの党 員が逮捕され、警察に打ち付けられたと報道される。警察は5月にシホ・ジェレという37歳の技術学生を、PUDEMOのTシャツを着ていたとして逮捕し た。彼はあとから独房で首を吊っているのが見つかった。警察は彼が自殺したのだと主張するが、親類や人権団体は傷や他の証拠はそれが殺人だと示していると 語る。アムネスティ・インターナショナルは、ジェレの死を「深く疑わしい」と、そしてスワジランドを「封建君主が最高位を占める未開の国だ」と呼んだ。マ スクは、このひどい人権の記録、スワジランドの貧困、病気の蔓延、不正、その僅かな経済成長は全て一人の男がやったことだ、というのに同意する。「病気を 治すためには、原因を見なければならない。」彼は語る。「そしてその原因は悪政、はびこる不正、そして管理できないほど浪費をする王室を永続させる非民主 的な制度だ。」(王宮は王への面談の要求に反応しなかった。)

今年、ムスワティの尊大さは目を見張る新しい高みに到達した。2009年、南アフリカが少しの間景気後退に入り、スワジランドが予算の2/3を頼っ ている南部アフリカ関税同盟への財源を削減した。スワジランドの財政赤字はGDPの13%に急上昇した。王室の年間支出削減要求の広がりに直面して、ムス ワチは、代わりにそれを24%まで上げ、3,100万ドルとした。それはスワジランドのHIV/AIDSの年間総予算よりも800万ドルも多い。3月に 1.2万人の公務員が賃金凍結に反対して行進した時、ムスワチは彼らの無責任を叱った。「我々はより一生懸命働き、より良い明日のために今日をも犠牲にす る必要がある。」と彼は語った。

それよりも何百人も多いデモが改革を求めてマンジニの町に集まったその翌月、ムスワチは護衛部隊を送った。警察は水砲、ゴム弾、、催涙弾をデモ参加 者に発砲し、多くを打ち付け、逮捕した。ムスワチの首相のバーナバス・ドラミニは、スワジランドのタイムス誌の記者に、デモ参加者の足が釘で打ち付けられ たと示唆した。

IMFはムスワチが特に官僚機構の歳出削減に失敗したので、緊急融資を二度拒絶した。王は、その国境で別のジンバブエ型の経済崩壊が起こることを恐 れる南アフリカが3.5億ドルの緊急融資に合意した8月に一時的な救済を勝ち得たようだ。しかし、プレトリアはまだ支払っていない。南アフリカ政府は、そ の労働組合の仲間からの、その融資がムスワティの改革にほんの少ししか関与しないので南アフリカが効果的に独裁者を助けるだろうという批判に直面している のだ。

たとえ南アフリカからの資金が使えるようになっても、「その政府は厳しい流動性危機に直面し続けるだろう」とIMFのスワジランドミッションの指導 者、ヨハネス・モンガルディニは語る。そしてそれはムスワティに立ちはだかる全てではない。反対派はますます反王室の色彩を強めて抵抗を続けることを決め た。スワジランドが債務危機に突っ込んだ後で、ムスワティは今では別の最近の世界的な現象に直面しているのかもしれない。北アフリカの暴君に特に危険を証 明したものである、革命だ。
 

発行日: 
2011-10-03
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