ユーラシアの綱引き

EUはその東の隣国の未来についてロシアと競合している

それほど多く見るべきものはないが、ヴィリニュス郊外の穏やかな黄色煉瓦の建物は、独裁的なベラルーシに差し込む学問的自由のかがり火だ。欧州人文科学大学(EHU)は、ソヴィエト共産主義の没落の後に、哲学、歴史など多くのことに西洋式の教育法を促進するために、ミンスクに創設された。大統領のアレクサンドル・ルカシェンコは、それを2004年に閉鎖した。しかし、万難を排して、それは国境をまたいだリトアニアで、亡命での再生を果たしたのだった。

ベラルーシのプロパガンダはEHUを、反対派、さらには「テロリスト」の避難所として非難した。教師と学生は、特に選挙の時期には、KGBによって定期的に嫌がらせをされた。しかし、リトアニアとベラルーシに別れて1,600人の学生がいるEHUは、ほとんどがヨーロッパ諸国からの支援のおかげで、なんとかかんとか生き延びている。2年生の法学部学生マリア・スリアプソヴァは、人権派弁護士として働くために、母国に帰りたいと思っている。しかし、彼女はルカシェンコ氏が変わりそうだということに何の幻想も持っていない。よくても、EHUは、彼が権力を去った後にその国を運営するだろう人々を教育することができるだけだ。

ヴィリニュスとミンスクは、多くの共通の歴史を共有した、ほとんど姉妹都市だ。しかし、片方はEUに入っており、もう片方はソヴィエトに影響を受けた権威主義の下で弱っている。多くのリトアニア人は、ベラルーシを元ソヴィエトの自身の反映だとみている。そしてリトアニアが今週EU閣僚会議の持ち回り議長を引き継いだ時、その政府は「全部で自由なヨーロッパ」を作り出すという仕事がほとんど完成できないEUを思い出している。南の隣国、中東、そして北アフリカの困難は、ほとんどの外交政策の注意を掴むかもしれない。しかし、EUはたぶん、その東の国境諸国により大きな影響を持っている。

いまのところ、ベラルーシは成功の見込みがない運動のようで、EUの甘言や制裁には動いていない。たぶん、望む人もいるように、それは、南のウクライナでの発展による変化に誘発されるだろう。そこでは、大統領のヴィクトル・ヤヌコーヴィチが、西に対して東を張り合わせようとしている。もしウクライナをEUの近くに引き寄せることができれば、その大きなエネルギーと農業資源と同様に4,600万の人口で、それは大きな褒美だろう。ヴィリニュスでは、高官は、かつてロシアがウクライナを支配する限り、それは帝国のままで、民主化されないだろう、と論じた、元アメリカの国家安全保障顧問ズビグネフ・ブレジンスキーを引用することを好む。

東ヨーロッパ人は、ウクライナを巡るモスクワとブリュッセルとの間の巨大な競争を見ている。しかし、内向きになって、ブリュッセルのほとんどはかなりそれに気づいている。その重大な瞬間は、EUと、3か国がEUと国境を接し(ベラルーシ、ウクライナ、そしてモルドヴァ)、3か国がコーカサス(グルジア、アルメニア、そしてアゼルバイジャン)と言う「東部連携」の6つの加盟国との間の、11月のヴィリニュスでの首脳会談でやってくるかもしれない。ウクライナは、民主的規範と法の支配の尊重を含んだ政治的協力についての「連携協定」を交渉している。それはまた、EUの法律の大部分を東に拡大するだろう「深くて包括的な」自由貿易協定について合意している。モルドヴァ、グルジア、そしてアルメニアは、すぐ後ろにいる。望みは、そのサミットでウクライナが調印し、3か国が交渉を始めることだ。
 

強い抱擁

ロシアはかつてNATOの拡大を非難したが、EUのその「近い外国」への拡大は受け入れる、と主張した。今、ロシア大統領のウラジーミル・プーチンは、EUを敵とみなしているようだ。ロシアは、敵対する提案をしている。すでに、ロシア、ベラルーシ、そしてカザフスタンを含んでいる関税同盟で始める「ユーラシア連合」は、ヨーロッパのものに対抗するためのものだ。その取引は、安いガスと、ある筋によれば、たぶん大きな融資を、ウクライナにもたらすだろう。

キエフへの上級のヨーロッパの訪問者は、ウクライナの野蛮な政治と腐敗した経済にもかかわらず、ヤヌコーヴィチ氏は、彼にどれだけ変わるよう求めているかよく理解していないかもしれないけれども、ヨーロッパに傾いている、と言う。ドイツは特に、彼がその宿敵の元首相で職権乱用の罪で投獄されている、ユーリア・ティモシェンコを釈放することを強く要求している。彼女は、EU=ウクライナの協定を好むと言っている。彼女の仲間の中には、すでに釈放されているものもいる。選択肢は、彼女を治療のためにドイツに行かせることだ。

ユーロ官僚が言うように、ウクライナの大統領は、捕らえられて車を盗まれることを発見するリスクのある、たくさんのウォッカ付の豊かなロシアのディナーか、社会的地位としっかりとした職を提供するが、長期的にでしかない、退屈なブリュッセルのサンドウィッチのランチかだ。さらに、EUによって要求される深い改革は、ヤヌコーヴィチ氏を権力の座においているまさにその制度を壊す危険がある。

リトアニア人は、EUがあまりにきついと心配している。重要なヨーロッパの関心は、いま、欠陥のあるティモシェンコ女史の人質になっている。もしヤヌコーヴィチ氏が彼を変えた要求にあわせなかったらどうなるだろう?たぶん、ヨーロッパ人はいずれにせよ協定に調印しなければならないだろうが、改革を保留した批准を止める。彼らは要点を得ているが、どれだけEUが軟化でき、またすべきかについて制限がある。

より大きく、答えられていない質問がある。パートナーのどこかはEUに加盟するのだろうか?リトアニアは、ソヴィエト型の政治経済構造を終わらせることがヨーロッパの家族によって歓迎されるだろうという信念のもとで、それを改革した。2003年に、西バルカンの国々は、明白な「ヨーロッパの見方」を与えられた。10年後、クロアチアはEUの28番目の加盟国になったところだ。しかし、EUの指導者たちは、元ソヴィエト帝国諸国には何ら明らかな関与をしていない。これなくして、EU統合は、得るものが少なすぎるのに対して、大きすぎる痛みのように見えるかもしれない。彼らのだれも、あるにしても、今後10年で参加する準備ができていない。しかし、ヨーロッパの指導者たちは、EUの条約に述べられている、適切な民主的標準にあったどのヨーロッパの国も適格である、と言う原則に、関与したままであるということをはっきりさせるべきだ。もし指導者がEUの国境がヴィリニュスのすぐ東で恒久的に固定される必要はないということをはっきりさせれば、彼らは、たぶんベラルーシですらも、たくさんの良いことをするだろう。

Charlemagne欄より
 

発行日: 
2013-07-06
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