より良いが脆弱だ - アイルランド経済

外国投資を惹きつけるアイルランドの成功は、その欠点を持っている

2012年が落ち着きの感覚がユーロ圏金融市場に戻った年だったなら、2013年はヨーロッパが緊縮と改革のレシピがうまくいくかどうか示す必要がある時だろう。それへの強い証拠は、救済された国が再び自力で金融をできるようになるかどうかということだろう。だから、2010年にその救済計画に入り、2013年の終わりまでに債券市場に完全に戻ると予定されているアイルランドに望みがかけられている。

市場は、それができうるとの信号を出しているように見える。2020年に満期を迎えるアイルランド政府債の利回りは、2012年の始まりに8.5%だったものがその年の終わりには4.5%まで下がった。回復したアイルランド債券への需要により、政府は2012年に部分的に債券市場に戻ることができた。アイルランドの債券管理機関は、2013年に債券発行によって100億ユーロ(132億ドル)を調達する計画を立てている。それにより政府には190億ユーロの現金が残り、2014年のその必要を満たすのに十分な額となる。

激動のアイルランド経済に生活の動揺がある。IMFは2012年にGDPがたった0.4%しか成長していないと考えるが、それはイタリアやスペインの深刻な景気後退と比較でき、2011年の1.4%の成長に続くものだ。経常収支は2010年以来黒字だ。基礎的な競争力は、単位労働費用で見るところ、鋭く改善している。

12.5%の低い法人税率に助けられて、アイルランドは特に製薬、情報技術そして金融サーヴィスのアメリカ企業からの外国直接投資(FDI)をひきつけ続けており、2012年の新しいFDI計画の数は、10年間で最高だった2011年と似たようなものだ、とアイルランドの投資誘致機関長のバリー・オレーリーは語る。

外国の存在感は、今ではアイルランドの輸出が実際にはGDPの価値を上回るほどに大きい。輸出から輸入を引いた純輸出の貢献は、(家計が可処分所得の209%を負っている)過剰な負債、続く緊縮、そして今は資本が十分だが利益が出ていないアイルランドの銀行がもたついているための金融引き締めによって傷ついている国内需要の下落を相殺する以上のものである。

しかし、この明るくなっている絵は、必ずしもそれが見えているようなものではない。アイルランドの外国企業への依存を例にとってみる。それはアイルランド経済を世界の成長に結び付けているので、世界貿易が弱まればそれは苦しむ、とバークレイズのサイモン・ヘイズは語る。輸出は昨春以来年にたった2%しか増えておらず、2010年の初めにそれが回復し始めて以来最低だ。

それはまた、特定の部門に影響する衝撃に対してその経済を脆弱にしている。アイルランドが世界的な製薬会社を誘致するのに成功(製薬は2011年の輸出の半分を占めている)は、多くの大ヒット薬の特許が期限切れになる「特許の崖」に影響されていることを意味する。2011年に、アイルランドの薬の輸出の価値はほぼ7%増えたが、2012年の最初の10か月間で昨年同時期に比べてそれは3%下がっている。

別の懸念は、経済と財政両面でのアイルランドの前進は、アイルランド国内で生産された産出であるGDPを使って一般的に計算されているということだ。しかし、外国企業がそれほど支配的な経済にとって、GNPもしくは居住者の所得がより適切だ。アイルランドのGNPは、利益の多くが外国企業によってなされているので、GDPよりも低い。その二つの差は2007年には14%だったものが2011年には20%にまで広がった。

その拡大する不足は、アイルランドの人々がアイルランドの経済ほどにはうまくやっていないという事実を反映する。GDPで計測された国民産出は2007年に比べて2011年には7%小さく、一方でGNPによって測られた国民所得は11%小さかった。これは、生活水準という点だけではなく、アイルランドの財政状況にとっても問題だ。多国籍企業の利益はとても軽くしか課税されないので、公的金融を重く持ち上げるのはGNPなのだ。

もしアイルランドの債務をGDPの割合で測ることが負担を控えめに見せるならば、それをGNPの割合で測ることは、それが外国企業の納税の寄与を無視しているので、それを過大評価する。監視団体のアイルランド助言会議は、GDPがGNPを超える部分の40%をGNPに加えるというハイブリッド方法を提案している。これはアイルランド経済の財政持続可能性をよりよくはかる定規を提供する、とその会議の議長ジョン・マックヘイルは語る。この基準では、2013年にGDPの約120%でピークを迎えると予想される債務負担は、本当は140%近いだろう。

アイルランドの脆弱性は、なぜIMFがアイルランドへのヨーロッパ人債権者に対してそれをより助けてほしいと思っているかを説明する。とくにそれは、主に崩壊したアングロ・アイリッシュ銀行を助けるために2010年にアイルランド政府が発行したIOUの一種である約束手形への債務手数料を軽くするよう提言している。それはまた、ユーロ圏救済基金であるヨーロッパ安定メカニズムが、国の支援を受けた銀行の株式を取得することによってアイルランドの公的債務負担を救ってほしいと思っている。たくさんのことが(EUの持ち回り議長国の6か月の割り当てを始めたばかりである)アイルランドにとって良い方向に向かっている。しかし、そのユーロ圏の模範生徒がその救済計画から卒業できなくなるには、それほど多くは要しないだろう。
 

発行日: 
2013-01-05
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