ユニヴァーサルのギャンブル - 音楽産業

ある音楽業界の合併は、新たなモデル、さもなければ怠惰なマンモスを作り出しうる

賢いギャンブルは、いつつかみ、いつたたみ、そしていつ走るかを知ることを必要とする、とEMIのキャピトルレコードからレコードを出しているアーティストのケニー・ロジャースは、口ずさむ。ユニヴァーサル・ミュージック・グループが、去年11月にオークションにおいて12億ポンド(19億ドル)でシティグループから買ったEMIの音楽部門に、それほどまでの金をかけるほどに賢いかどうか首をかしげるものもいる。苦闘する産業の最も弱い部門にある会社にとって、それは大金だった。そして、アメリカとヨーロッパの規制者は、それをさらに費用のかかるものにするかもしれない。

争点は、その取引が、四つの主要レーベルのうち最大のユニヴァーサル・ミュージックに最小のものを買収させることによって、それに不公平な利点を与えるかどうか、ということだ。EMIの市場シェアと(ビートルズからケイティ・ペリーまで)魅力的な目録は、ユニヴァーサルにほとんどの市場での40-50%のシェアを与えるだろう、と調査会社のエンダース・アナリシスは計算する。それはまた、ユニヴァーサルをiTunesから新興企業に至るデジタル配給者に対して特に強い交渉的地位につける、去年のビルボード上位100位の半分以上のヒット曲も与える。「これは、ケーキのより大きな欠片になるということだけだ。」独立系レーベルのベガーズ・グループの社長マーティン・ミルズは語る。

規制者は、2004年にソニー・ミュージックがBMGのレコード音楽部門を合併して以来の、その産業でのさらなる合併に用心深くなっている。ヨーロッパ委員会は、今月の初めに、きちんと、長い「反論意見書」を届けた。9月にユーロ官僚がその評決を届けるまで交渉は秘密だが、ユニヴァーサルはヴァージン・ミュージックやEMIクラシックスを含んだEMIのかなりの部分を売らなければならないだろう、と多くが予想する。

そのような譲歩が、そのレーベルがその取引から稼ごうとしていた計画を邪魔するということを期待するものもいる。ユニヴァーサルは、結果のいかんにかかわらず、9月にシティグループに17.5億ドルを支払わなければならない。これは、ユニヴァーサルのフランスの親会社ヴィヴェンディを不快な地位につける。それはそのますます怒りっぽい株主に1億ポンドの予測されたシナジーがやってくると再保証しなければならないからだ。

これらの規制的な障害は、(それはかつてEMI自身と合併しようと試みたのだが)特にうるさい合併反対派で、その過程の中に何か奪われたものがないかと掬い上げることに熱心なワーナー・ミュージックを筆頭に、ユニヴァーサルのライヴァルにとってはよいニュースだ。しかし、いったいなぜユニヴァーサルがそのような恐ろしい市場に2倍も沈み込むことを選んだのかを不思議に思うものもいる。

録音音楽の市場は過去10年で半分になり、2002年には約130億ドルだったものが、去年は65億ドルになった。ダウンロードの音楽は古いCDよりもはるかに安い。実に、広がる海賊行為のおかげで、それはしばしば無料なのだ。

だから、音楽会社が費用削減に殺到しているのはあまり不思議ではない。EMIは、シティグループの前にそれを所有していたプライヴェート・エクイティのテラ・ファーマによるダイエットのおかげで、かなり良い形をしている。にもかかわらず、ユニヴァーサルは、破壊的な技術に最も脆弱なEMIの事業の一部を取得しているのだ。(シティグループはその退屈だが強い音楽出版部門を別にソニーに率いられた合同事業体に22億ドルで売った。規制者はあまり気をもむことなくこの取引に先月同意した。)
 

ロックンロールとブルース

人々にその購入に意味があると納得させるために、ユニヴァーサルは、すべてが首尾一貫しているわけではないいくつかのメッセージを同時に送ることによって、厄介な地位にいる。投資家向けには、その会社は音楽産業が安定化し始めていると説明している。その未来は、ほとんどの人々が考えるよりも有望で、より大きなユニヴァーサルは回復から現金を得るのによい位置にいるだろう、とその議論は言う。最新のニールセン・サウンドスキャンの数字は、この見方を説得的に支持しうる。それらは、2012年の上半期にアメリカでアルバム売上の減少率が下がっていることを示している。

規制者には、ユニヴァーサルとヴィヴェンディは、完全に違った調子で合図を送っている。彼らは、レコードレーベルは、アップルのiTunesといったデジタル配給者や海賊行為によって無力にされていると論ずる。彼らは、音楽小売業者が彼らに条件を要求すると嘆く。彼らはとても弱いのでより大きくなったとしても音楽市場での競争を抑えるような影響を持つようにはならないだろうと弁解する。

ユニヴァーサルの社長ルシアン・グラインジはこの丸を四角くしようとしている。彼は、その合併が「その産業の未来に投資する」ための努力だと説明する。その計画は、費用を削減してEMIの目録を守ることではなく、「それを本物だと認め」ユニヴァーサル内部での別会社として維持することだ。彼はその取引を「その産業をある種の成長に向かわせる」方法だと表現し、できるだけ多くの新たな配給者やプラットフォームとともに働くことを約束する。「我々の投資するアーティストがありとあらゆる新たなプラットフォームに乗らないことを確保しなければ、それはばかげたことだろう。」

予期せぬ障害は、その産業が依然として減少するアルバム売上に変わる方法を見つけていないことだ。デジタル売り上げは上がっているが、依然としてかつてCDが生み出していたもののほんの一部だ。スポッティファイのような購読サーヴィスは、かつて仕事から家に帰る途中でCDを手に取ったかもしれない気まぐれな買い手よりも、ハイテクに詳しい熱狂的な音楽ファンに訴えるかもしれない。音楽を携帯電話や有料テレビの講読と組み合わせる努力は、人気を博さなかった。

より大きなユニヴァーサルは、新たなビジネスモデルにリスクをとることにより傾くだろうと示唆するものもいる。もしそれが見つければ、それはレコードレーベルとアーティストに利益をもたらしうる。しかし、その音楽のマンモスが、既存の現金資源を引きだし、新しくて潜在的に良性な配給者が市場に参入することを難しくして、とぼとぼ歩くだろうと推測するものもいる。
 

発行日: 
2012-07-21
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