歴史の始まり - 日中戦争

[書評]

いかに日本の野蛮な占領に対する闘争が現代中国を形作ったか
China’s War with Japan, 1937-1945: The Struggle for Survival  By Rana Mitter

日本軍が1937年に中国の首都南京に進むにつれて、中国政府の高官周仏海(Zhou Fohai)は、その町を食い尽くすパニックと恐怖について彼の日記に書いた。彼はその破壊と、彼の国へのその示唆を予想した。「中国にはこれ以上の歴史がないだろう。」彼は書いた。

日本の侵略が浴びせるだろう荒廃は、実に衝撃的だった。しかし、ラナ・ミターがその日中戦争についての啓蒙的で注意深く調査された新しい本で示すように、中国の歴史は南京の陥落で終わらなかっただけではなく、多くの点でその戦争は現代中国を作り出すのを助けた。それは、新たな国が作られたカナトコだったのだ。

他の歴史家は、産業化しているヨーロッパが古代中国とぶつかった1930年代に英国の砲艦の到着を、中国現代の夜明けとして指し示す。しかし、オックスフォード大学教授のミター氏は、その国の日本との戦争が、中国を最弱国家に減じたので、より重要だったと信じる。「突然、戦争の環境が、国の概念とそれへの個人的同一性を、多くの中国人にとって、より緊急で重要なものにした。」

ミター氏は、すべての小競り合いの詳細な説明を望む軍事オタクを失望させるかもしれない。しかし、これは軍事史ではない。これは、中国の戦争の経験、現代中国人アイデンティティの起源、そして21世紀のアジアを形作る関係の根についてだ。それは、アジアの中心性を回復しようとするとき、中国の存立の危機についてだ。

巨大な困難にもかかわらず、英雄的な抵抗の、純粋で単純な物語でもある。中国は第二次世界大戦の忘れられた同盟国だ。真珠湾に足るまで、4年以上にわたって、中国は日本とほとんど単独で戦った。フランスは1940年に屈服したが、中国はしなかった。その政府は揚子江をさかのぼって重慶まで、1945年の勝利まで、内陸に後退した(のちに中国のダンケルクとして描かれるだろう瞬間だ)。
 

ひとつの山に二頭のトラ

アジアは強い中国と強い日本を同時に持ったことがない。現代の彼らの複雑な関係は、19世紀半ばに日本が西側を歓迎し、一方中国はそれを押しやった時に始まった。日本が現代化するにつれ、それは中国の改革者と自国政府の狭量さに反対した中国革命の難民のモデルとなった。20世紀初めに日本に渡った中国人学生の中には、1911年の革命を主導した孫文や、1930年代に日本に対して中国国民党政府を率いた蒋介石がいた。

しかし、日本の帝国主義的野望が増すにつれて、中国は拡大するための明白な場所だった。1931年に、日本は満州を占領し、メンターから抑圧者に変わった。全面的な侵略は1937年に始まった。ミター氏は残虐行為を描くのに切りつめない。しかし、彼は、依然として現在中国人の考え方を形作る歴史を説明して、中国の苦闘のより広い説明を描く。

西洋人は兵士、宣教師、記者としてそこにいる。どちらも英国人作家のクリストファー・イシャーウッドとW.H.オーデンは、1938年にスペイン内戦から到着した。イシャーウッドの日記からは、ファシズムとの戦いの中でヨーロッパの進歩派によって分かり合われた埃がにじみ出る。「現在、オーデンと私は、地球上の他のどこよりも今漢口にいるだろうということに合意した。外に出ることもできない日本の猛攻撃に苦しむほとんどの中国人は、漢口以外のどこにでも行きたかった。その紛争中に(中国人口の20%の)1億人が難民になった。1,500万人以上が殺された。

ミター氏の物語に特徴的な調子を与えたのは、外国人ではなく中国人の声だった。蒋介石の日記から国民的記者や紛争を逃れた中産階級中国人まで、これらの1次資料は、戦いと苦闘の彼の年代記にうまく織り込まれている。我々はみな硫黄島について知っているが、西洋人のだれが中国軍兵士が優越する日本軍を白兵戦で打ち負かした台児荘の戦いについて聞いたことがあるだろう?しかし、その記憶はアジアの歴史を形作るのを助け続けるだろう。我々は、第二次世界大戦の鍵となる点で、ドワイト・アイゼンハワーが何を考えていたか知っているが、日本の進軍を止めるために黄河の堤防を爆破する日記を書き続けた軍司令官Xiong Xianyuのことを聞いたことがある人はほとんどいない。100万人近い中国人がその結果の洪水で亡くなった。「私の心は痛んだ。」彼は書いた。その水は、「1万の馬のように」流れた。

その戦争は中国にとって影響力が強く、依然として現在の中国人の悪意に満ちた反日感情を理解するために重要だ。その国は単に忘れられた同盟国と言うだけでなく、戦争の経験によってもっとも変わった国の一つでもある、とミター氏は語る。英国とアメリカは1950年代の好況に再突入した。ソ連はがけっぷちに追いやられ、壊れなかった。しかし、「打撃を受けたパンチドランクの」中国が降伏しなかった一方で、その古い統治制度は壊れた。

蒋介石と彼の腐敗した国民党に象徴される古い秩序は、日本と戦うために毛沢東の共産党と合流した。1945年に勝利した時、その制度が継続できないことは明白だった。毛は(彼が間もなく裏切った)新中国国家のより魅力的でそれほど腐敗していない版を提示した。続く内戦(1945-49)での彼の勝利とさらに続く冷戦中の支配は、共産党の英雄主義を含まない日中戦争の物語にエアブラシがかけられるのを確かにした。

ミター氏の本は、これらの歴史の歪みのいくつかを修正する。しかし、日本との戦争の亡霊は眠ることはない。中国の指導者たちはその隣国をたたく棒として依然として過去を使う。今、強い地位から、中国がその古いメンターで敵をいかに扱うかが21世紀のその地域を形作るのに重要だろう。
 

発行日: 
2013-06-22
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