南シナ海 – トラブルを抱える水域での石油

紛争中の海での二つのケーススタディ

その小さな隣国たちには迷惑なことに中国の領海主張がますます独断的になっている南シナ海での操業で、二つの中国の石油会社が対照的なやり方を示している。一つの会社の行動はその地域での緊張を高めており、一方もう一つはそれを緩和するやり方の兆候かもしれない。

去年の7月、香港に上場しており本土の有力者とつながりを持っているブライトオイル(光進石油)は、アメリカの会社ハーヴェスト・ナチュラル・リソーシズから620万エーカー(250万ヘクタール)の海底採掘権を買った。その区画には、議論を呼ぶ歴史がある。それは650海里(約1,200km)以上中国の沿岸から離れており、ヴェトナムからは発った200海里しか離れていないが、中国はWBA-21と呼ばれるその地域に「歴史的権利」があると主張する。それは、北京の曖昧なその海域での領有権主張を示すU字型の「九段線」の南西の端にある。

中国はWAB-21での石油探査の免許を1992年に発行した。中国がその沿岸からそれほどまでに離れた南シナ海で資源を主張したのは初めてだったので、それは衝撃をもって迎えられた。中国の船舶が1994年にその区画を調査しようとしたとき、ヴェトナムはそれを止めるために海軍を送った。それからヴェトナムはそこを掘るために石油掘削船を派遣し、今度は中国が妨害する番だった。どちらの側も石油を掘り当てることはできなかった。

1996年に、ハーヴェスト・ナチュラル・リソーシズの前身であるベントン石油ガスがWAB-21の権利を1,500万ドルで購入した。ハーヴェストはその区画を開発することができなかった。代わりに、ヴェトナムが同じ地域に自分の探査区画を作成し、それをカナダのテイルスマンとアメリカのエクソンモービルに与えた。中国はその動きを自らの主張への違反だと見なした。4年前、北京は漁船団を組織し、その地域で作業するテイルスマンの地質調査船を妨害し、罠にかけた。テイルスマンはそれでも続けている。

しかし、ブライトオイルが(たった300万ドルで)WAB-21の権利を拾ってから、中国が押し戻している。10月の末に1隻の中国船が4隻の護衛船に護られて、2週間そこで地質調査を行った。ヴェトナム当局は、更に北のパラセル諸島から中国の石油掘削船を追い出すために10数隻の船を送った今年の初めとは違って、対決を強いない、と決めたようだ。実は、その調査が行われていたとき、中国は何年かぶりに北京にヴェトナムの最高級軍事使節団を迎えていた。その訪問は、石油掘削事件によって引き起こされた二国間関係の悪化を修復しようとしたものだった。しかし、中国が更に調査したことで、関係を再び緊張させるかもしれない。

南シナ海で石油を見つける別のやり方は、去年の終わりに現れた。11月半ばに中国の大きな民間事業複合体のフォスン(复星)は、Rocと呼ばれるオーストラリアの小さなエネルギー会社を買収した。たぶん意図していなかったところで、Rocはマレーシアの国有石油大企業ペトロナスと、サラワク沖合の油田を開発する契約を結んでいた。重要なことに、これらの油田はマレーシアの200海里の排他的経済水域の中にあるが、それらはまた中国の主張する九段線の中にもあるのだ。フォスンがこれらの検疫を持っていることを考えると、中国の企業は事実上この海域が中国のものではなくマレーシアのものであると認めていることになる。

ブライトオイルもフォスンも中国の政治エリートと強いコネを持っている。フォスンの会長は、共産党の支配下にある諮問機関の中国人民政治協商会議(CPPCC)の会員である。ブライトオイルの会長もまたその会員で、また国が支配的な石油産業の業界団体の副会長だ。彼の会社は中国の南シナ海での政策立案の部門のごとく行動しているようであり、一方フォスンはそれに反対して行動しているようだ。しかし、ヴェトナム当局と対決するよりもむしろマレーシア当局と協働することによって、フォスンはブライトオイルよりも中国の消費者に実際に石油を届けそうだ。

 

レヴュー: 
興味深い動き。しかしまあ、中国に首尾一貫した主張などは期待できないわけであり、解釈としてはいいとこ取りをするだけなのだろうという気はする。それでも、一つのきっかけではあると思う。
発行日: 
2015-01-24
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