TPP論議 その4

さて、またTPPがらみでニュースが出てきた。後発組には交渉終結権がなく、再議権もないとのこと。終結権がないということは、向こうは納得するまで駄々をこねられるが、こちらは泣き寝入りするしかないことを意味し、再議権などは元から持っていてもほとんど行使することはないのだろうに、そんな屈辱的な条件を自由貿易を信奉する国が義務として課されるというのと、持っているが紳士的に行使しないというのでは、同じ使わないというのでも全然違う意味になる。そのような不平等条件を最初から付きつけられる自由貿易交渉とはなんなのか、という存在自体に疑問符のつく重大な事実だ。これはもはや、TPPが存在しなければなかった障壁が、それができてしまったがゆえに、参加していない国には、まさに国債のごとくカントリーシーリングをはめられる形になり、本来ならば企業の交渉力で自由貿易が確保されていたものが、国の交渉力の貧弱さが交渉上限となる、自由貿易とはかけ離れた形になることを意味するのだろう。

そしてそもそもTPPに参加するのには、それが世界標準になるかもしれないので、最初から話に乗っておくべき、というものがあったにもかかわらず、このような閉鎖的な仕組みがビルトインされるようでは、世界標準になることが無理なのはもとより、この段階が最大限である公算がかなり大きくなってきた。これでは、交渉に参加する意味すらほとんど見つからない。

もし仮に交渉に参加する意味が見つけられるとしたら、それは日本に交渉力があるということを示すことだけがただ一つのことであり、もはや自由貿易とかそういったことはどうでもよい、という感じだろう。私は参加すべきではないと思うが、もし参加をするというのならば、かなりタフな交渉力が試されることになる。そこで一つの提案だが、元よりどちらもぶっ壊す覚悟で、日中韓FTAを提案して、この3か国以外には交渉終結権がなく再議権もない、という形で同時進行的に話を進めてみたらどうだろうか。中国にしてみれば、TPPをつぶせるだけでも十分メリットのある話であり、別に成立しようがしまいがポーズをとるくらいは乗ってくるだろう。アメリカにしても、もしそのようなことから日中間に何らかの形で対話のチャンネルが開かれるのならば、そんなに悪い話でもなかろうし、どういう態度をとってくるか、というのを見て、国内状況を探ってみる価値はあるだろう。その上で、TPPの交渉条件がもともとも参加国と同じところまで緩和されるのならば交渉に乗ってみてもよいし、ダメならばどっちもつぶしてしまった方が世界経済的にもよいことだろう。そんな閉鎖的なブロックが乱立することは悪夢以外の何物でもない。

とにかく、やるつもりならば、徹底的にタフな交渉をするのでなければ、とてもではないが納得の得られる話ではないだろう。そして、繰り返しになるが、私は民主主義を無視したこのような交渉は一切認める気はない。

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