合衆国とカナダの関係 – アラスカから本土48州への海路上での孤立

合衆国のアラスカ海洋高速道路は、本当の意味での高速道路ではない。それは、アラスカのアリューシャン列島からワシントン州ベリンガムをつなぐ5,600kmの港の鎖だ。その多くが観光客である31万人程度の乗客が、毎年、少なくともそのフェリーの旅の一部を楽しんでいる。それはアラスカの沿岸共同体をお互いに、そして本土48州と結びつけたが、その一部はカナダにある。この二重国籍の性質から、貿易論争が起こっている。

アラスカ州は最初1963年にそのターミナルを借り、2013年にはカナダに330万ドルを支払い、それを50年更新した。しかし、その衰えた停泊地、橋、そして自動車ランプの取り替え契約を誰が結ぶのかについての、カナダと合衆国との間でのけんかが今勃発している。その港がカナダのものであることに誰も異存はないが、果たしてアメリカの法律は適用されるのか?

その海路を管理するアラスカ州は、1,000-2,000万ドル相当の計画をあるブリティッシュコロンビアの企業と契約を結ぶことを計画していた。国の外れで他の業者を雇うことにほとんど意味はない。しかし、合衆国の「バイ・アメリカ」法の条項の下で、契約業者はアメリカ人を雇用する供給者からの鉄鋼や他の素材を使わなければならない。そしてまた、アメリカ製の工具を使わなければならない。

その重商主義的なルールでは誰も得をしない。鉄鋼をプリンスルパートまで運んでそれに強いアメリカドルで払うと、その代金のほとんどを支払う合衆国連邦高速道路局にとってその計画が更に高く付くことになる。カナダの企業は、潜在的な仕事の喪失に騒然としている。「我々はバイ・カナダ政策を提唱しているわけではないが、競争することくらいはしたい。」

運輸計画への連邦支出を統制するために1982年に制定された法条項のバイ・アメリカ法は、ドイツのシーメンスやフランスのアルストムといった企業が合衆国で生産を始めることを促した。1994年に北米自由貿易協定がほとんどの障壁を取り除いたとき、バイ・アメリカはその存在を許された。それは、民主党、共和党、そして労働組合が合意した数少ないものの一つで、だからなくなりそうもない。

アラスカ知事はそのターミナル立て替え計画にその法の条項を除外する権力を持っている。彼はそれを使わないことを決めた。カナダは鋭く反応した。1月19日に、その政府は、その計画で働くどの企業もアメリカの鉄鋼を使うという要件に従うことを禁ずる、めったに使われなかった制裁法を発動した。「カナダの土地で保護主義的なバイ・アメリカ条項を適用することは受入れられず、カナダの主権への侮辱だ」と、貿易大臣は息巻いた。だから今、契約者はバイ・アメリカに応じようが応じまいが、プリンスルパートを立て替えることができないかもしれないのだ。アラスカはその計画を「今のところ」保留している。どちらのフェリーが先に方向転換するかは誰にもわからない。

 

レヴュー: 
こういった細かいネタを丁寧に取り上げてくれるところがエコノミスト誌の良いところ。とても楽しく読ませてもらった。アメリカという国は、自分たちは割と細かいところで無理難題を押しつけてくるくせに、他の国の感情にあまりに無頓着なことがある。これは、天然なのでしょう。
発行日: 
2015-01-24
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