ルールの取引 - ドイツの西対東

 

貧しい西の人々は繁盛している東の人々に金を渡したくない
 
ひびの入った道路、静かな工場、怠惰な労働者。1992年ごろの東ドイツか?そうだ、しかしそれは今の西ドイツの一部でもある。かつてはドイツ最大のものの一つだったゲルゼンキルヘンのビスマルク伯爵石炭鉱山は、1966年に閉山した。ルール地方にあるほかの多くの隣人たちと同じように、その町はほぼ絶滅した石炭と鉄鋼の生産から回復していない。そこの失業率は14.6%でだいたいアイルランドと同じだ。その25.8万の住民の1/3近くが福利を受け取っている。2016年までにゲルゼンキルヘンは「債務過大」になると考えられており、ひどく投資を制限している。「投資できない町はおしまいだ。」そこの報道官マーティン・シュルマンは語る。
 
一方、東ドイツは、新たに舗装された道路、広々とした大学のキャンパス、そして愛情をこめて回復された町の中心部で輝いている。1990年の統一以来、1.3兆ユーロ(1.7兆ドル)程度が東に流れ込んだ。西の貧しいところのドイツ人は、彼らがこの金のいくらかを受け取るに値すると考えている。「ここでの必要はもっと大きい。」ゲルゼンキルヘンの市長フランク・バラノフスキは語る。
 
ルール地方は、何十年も愚痴ばかり言ってきた。しかし、貧しい西側の人々が東にぜいたく品を供給しているという危険な考えは、全国的な注意をつかみ、ルール地方が属するノルトライン=ヴェストファーレン州で5月に行われる選挙を活気づけた。不平の主要な目標は、2005-19年の間に1,565億ユーロを6つの東の州に移転する「連帯協定2」だ。
 
ゲルゼンキルヘンは、その8.5億ユーロの債務の1/3を協定への貢献のせいにする。援助は「コンパスで指す」のではなく、必要に応じて分配されるべきだ、とルールの市長は語る。東の人々は反撃している。「問題を持っている人々は、ほかの問題を持っている人々をたたくべきではない。」ブランデンブルグの首長のマティアス・プラツェックは語る。
 
東は進歩しているが、一人当たり所得は、依然として西のたった70%だ。地方税収は西の60%の水準で、連帯協定の一つの正当化になっている。1990年代以来、集中は減速している、とハレ経済調査研究所のジュンタ・ギュンターは指摘する。ドレスデンのそばの「シリコン・ザクセン」のようないくつかの地域は、好況に沸いている。高給の管理者を配置した企業の本社はほとんどない。ほとんどの東の企業は、ヴァリューチェーンのより端に近い儲からない部分で働いている。
 
ルールの不平をいう人たちは、いずれにしても縮小し2019年までにはなくなる連帯の支援の一部をつかむ望みはほとんどない。しかし彼らは3つの相互関連した問題についての議論に引火した。一つ目は、隣の東のものの多くに比べて使い古されたように見える、西の社会資本についてだ。もし減価償却を計算に入れると、西の社会資本への公共投資はマイナスだ、とケルン経済調査研究所のクラウス=ハイナー・ロールは注目する。
 
2つ目は、貧しい地域を助けるのに、どんな原則が立てられるべきかということだ。全部の州に金をばらまく無駄な「如雨露」方式は、コンパスざし原則とともに処分されるべきだ、とロール氏は語る。(人口が減っているかもしれない単に貧しい地域よりもむしろ)高い失業率の町を目標にした方がよいだろう。貧しい西の地域には数億ユーロで十分だろう。4つの憤慨している豊かな州が残りに補助金(去年は大枚73億ユーロにもなった)を出す州の間の移転ルールが期限切れになる2019年までにその議論は白熱するだろう。
 
それから、どんな額の援助でも地域間格差を消すことができたのか、という疑問だ。石炭採掘補助金の時代は、おそらくルールの変化を遅らせた。ゲルゼンキルヘンは勇敢にも新しいことに挑戦し、依然として高い水準から失業率を削減した。ビスマルク伯爵の地は、ぜいたくに住宅や事業投資に再生されたが、賃貸料は人を寄せ付けないほど高い。ゲルゼンキルヘンの太陽光発電への野望は、オランダのショウテン・ソーラーが破産した2月にノックした。ドイツは「いくつかの地域が繁栄し、ほかは周辺的であるという事実とともに生きなければならない。」ギュンター女史は語る。ルールの復活は可能だが、依然として何十年も先のことのように見える。
 
 
発行日: 
2012-03-31
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